第2回 (2005年5月14日)
勝俣 誠(明治学院大学国際学部教授)

私の祖父は1872年(明治5年)に箱根で生まれ、最初の仕事は横浜の郵便局でした。そこで祖父は初めての外国に出会いました。彼の生活は明治期以来の日本の近代化の歴史と重なっていました。また祖父の姉は、ノルウェー系アメリカ人と結婚して、2人は今も横浜の外国人墓地で眠っています。
そして「明治維新」後の一世紀を経た1967年、私は「外国」を発見するため横浜港からヨーロッパに向かいました。
それから半世紀近く、私はこのヨーロッパと生活面、研究面でかかわり合いを持つことになるのですが、その過程で、アジア、アフリカという西洋以外の地域を発見していきます。
今日は、私自身のアジア、アフリカの発見を踏まえて、今、世界で生じている貧困と暴力のルーツを探ってみます。そこでは、日本のメディアで、ともすると注目されにくいアフリカ地域の出来事をどう読み取ったらいいかに重点が置かれます。最後に、現状打開策を21世紀の平和構想の観点からいくつか提示してみます。
■主な項目
−50年目の「アジア・アフリカ会議」
アジアとアフリカの格差と危機の性格の相違
−アフリカ地域の貧困と暴力
歴史的背景を読むことの重要さ
−若干の打開策の示唆
社会の新しい動きをどう読みこむか■アフリカの貧困と暴力についての入門書と最近の評論
−『現代アフリカ入門』岩波新書、1992年
−『アフリカは本当に貧しいのか』朝日選書、1993年
−「2005年のアフリカ経済の展望と課題」、『世界経済評論』2005年3月号
−「西アフリカの紛争と展望」、『海外事情』2005年4月号
−勝俣誠(かつまたまこと)先生のプロフィール−
専門分野国際政治経済学、アフリカ地域研究
論文・著書『グローバル化と人間の安全保障 ―行動する市民社会』、NIRAチャレンジ・ブックス、
日本経済評論社、2001年『世界の半分が飢えるのはなぜ? ―ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実』、
ジャン・ジグレール著、合同出版、2003年(訳書)「現代アフリカ国家と人々 ―国際政治経済学の視点から」、
『国際政治の行方 ―グローバル化とウェストファリア体制の変容』、
吉川元・加藤普章編、ナカニシヤ出版、2004年