第3回 (2005年5月21日)
浮田 久子(平和の白いリボン行動・藤沢)

今日、私たちが生きている世界の趨勢については、この公開講座を企画されたかたがたが、皆さまへのご案内に述べられている通りであります。この新しい世紀が、わたしたちをどこへ導いていこうとするのか、世界中の政治家、経済人、知識人、軍人、誰もが確たるビジョンもプランも持ちあわせていないようです。それで取りあえずは、それぞれが手持ちのパワーや専門知識を頼りにこの難局に、なんとか、対応しようとしているように見えるのですが、大丈夫なのでしょうか。
21世紀が、前の世紀の轍を踏むのなら、人類は滅びに向かって急坂を転げ落ちるばかりだ。ヒョッとしてもう、それが始まっているのかもしれない。それが町や村々で暮らしている普通の人間の心に被さっている不安なのです。おぞましい予感といえなくもないでしょう。
それなのに、そのようなカタストロフィーに遭ってまず犠牲になる95%は、力とは縁のない当の私たちなのに、一言も云えずに、濁流に呑込まれてしまうのか。それでは、私たち自身はもとより、子孫たちのためにも、それこそ“死んでも死に切れ”ないではありませんか。
私たちの街、藤沢市では、“戦争非協力・無防備地域条令”制定をめざす署名運動が、市民の協力で1月28日から2月27日まで行はれました。受任者539人を中心に大勢の市民が地道な個別訪問や街頭での署名要請活動によって、19878人(延べ)から賛同の署名をいただくことができました。
いま私たちは、この署名をもって市議会に直接請求をするに先立って、毎日市会議員の皆さんにロビイングを続けているところです、市民としてこのような運動を立ち上げ、みんなでこれだけの成果をあげる過程で学んだことは、いっぱいあります。この貴重な体験を中心にして、私の話を組み立ててみようと思っております。皆さまとご一緒に“21世紀の市民と平和”について考え、語り合えることを楽しみにしております。
−浮田久子(うきたひさこ)先生のプロフィール−
専門分野平和教育、2004年「地の塩賞」受賞
論文・著書「戦争とわたし ―受賞のお礼に代えて」、『あごら』、BOC出版部、297号、2004年9月