第5回 (2006年6月10日)
橋本 秀吉 ABCジャパン(在日ブラジル人企業家協会)

1. はじめに
現在、約30万人のブラジル人が日本に住んでいます。神奈川県に14、000人、横浜市に4,000人あまり。ブラジルだけでなく、ペルー、アルゼンチン、ボリビア等南米出身の方も多く暮らしています。
皆さんには、ブラジル人の友だちがいますか。じっくり語り合ったことはありますか。私たちがどんな歴史を持ち、日本でどのように生活し、どのような思いを持っているか知っていますか。私自身の活動そして私の家族の歴史を中心にお話ししたいと思います。2. 日本からブラジルへ
日本からブラジルへの移民は1908年に始まりました。私の祖父母も、福岡県久留米の農家出身で、1914年に神戸港からブラジルに渡りコーヒー栽培や農業に関わりました。当時のブラジルは奴隷制を廃止し、その代わりに導入された日本人は故郷に錦を飾るどころか、生活するのさえ苦労したそうです。3. ブラジルの中の日本移民
私の祖父母もブラジル生まれの両親も日本にこだわり続け、食生活も言葉も日本式を好んでいます。サンパウロの中心には、日本食材店、レストランがあり、七夕まつりや盆踊りが行われたりします。ただ、私のように3世になるとかなり生活もブラジル化し、日本語ができる人は少なくなってきますが、高学歴でブラジル社会の各分野で活躍する日系人も増えてきました。ブラジルが移民を受入れ、チャンスを与えてくれる国だからでもあると思います。4. ブラジルから日本へ
1990年に入管法が改正され、日系3世までは、就労の制限なく在留資格が得られるようになりました。多くの南米出身者は、愛知、静岡、三重、群馬など製造業が盛んな地域を中心に集住しています。日本で家族を持つ人も多く、毎日10人以上のブラジル人が日本で出生しているといわれています。「デカセギ」として数年間の予定だったのが、10年以上生活している人が殆どです。5. 日本の中のブラジル
私自身は、ブラジルで続けていた武道を勉強したいと思い、来日して17年になります。これまでずっと相談活動を続けてきましたが、労働、医療、生活から子もの不就学まで問題は多いです。ブラジルで「ニホンジン」だった私たちは、日本で「ガイジン」と呼ばれ、税金等の義務を果たしても権利を認められない、差別や偏見もあります。また成人して来日し、なかなか日本語も覚えられず言葉の壁も大きく立ちはだかっています。6. 2008年に向けて
しかし、日本社会で活躍するブラジル人がいることも知ってもらいたいです。企業家として活躍する人、弁護士や医師の免許を取得した人。まだまだ数は少ないですが、成功談を意識的に打ち出していくことは、ブラジル人、外国人、そして日本の未来にとっても有用なことだと思っています。
2008年はブラジルへの移民が始まって100周年。そしてABCジャパンでは、ブラジルから日本への移動が始まって20周年という節目の年と位置づけて、働きかけを始めています。私たちと一緒にこの活動に関わってくださる方も大歓迎です。身近にあるブラジルについてもっと知っていただきたいと思います。
−橋本 秀吉 (ハシモト・ヒデキチ)先生のプロフィール−
専門分野ブラジルネットワークを中心とした国際交流
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