現在も続く日本と中国や朝鮮半島などの東アジア諸国との軋轢について学生と共に考える連続勉強会の第4回(最終回)を開催した。
「アジア文化祭」期間中ということもあり、多くの学生が参加した。 前回に引き続いて元日本軍人をお招きし、実際の戦争経験について、つまり戦争をするということはどのようなことに手を染めることを意味するのかという観点から語ってもらった。ジレンマの中で残虐な行為に自ら加担したこと、シベリア抑留時の無反省ぶり、中国の撫順戦犯管理所での人道的待遇とその後の反省と認罪などについて、苦しい思いに時に胸を詰まらせながら語られる氏の姿は、学生の感情をも大いに揺さぶるものであった。祖父の世代でも戦争経験が乏しいことも少なくない現在の学生には、教科書からは窺い知れない「生の戦争」を知る貴重な機会になった模様である。 中国人捕虜を虐待していたにもかかわらず、戦後は自分たちが中国の捕虜・戦犯になった際には人道的に遇されて、優秀民族だと思いこんでいた大和民族より、劣等民族だと蔑んでいた中国人の方が立派だと気付き、考えが変わり始めたと氏は話された。これに呼応するように、“いつまでも歴史のことを言ってくる中国人のことを嫌だと思っていたが、事実を知って恥ずかしく思った”という学生の意見も見られた。 証言後には学生からの真剣な質問が相次いだ。「どうすれば本当の歴史が学べるか」という質問には、“難しいことだが、家永三郎ほか良質な書籍に触れること”を勧めた。また、「経済援助によって日本の戦争責任は果たせたのではないか」という質問には、“歴史事実をまず明らかにして心から謝罪をしないかぎり戦争責任を果たしたことにならない”と訴えた。これは教員が取り組んでいかねばならない問題をも示唆する質疑であったといえる。
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