2016年度 入学式  学生へのメッセージ

明治学院 学院牧師 和田 道雄

申し上げるまでもなく、明治学院はキリスト教に基づく教育を行う学校法人です。神さまを信じることの大切さをお伝えしなければならないのですが、以下のことも併せてお伝えしなければなりません。

入学シーズンが来ると、所謂、カルト的宗教集団などの勧誘が頻繁に行われる時期となります。私たちは、自分を取り巻く数々の情報や生活の変化に柔軟に対応しながら毎日を送り、その時々の判断が結果として私たちの心の成長を促して行きます。自分の心に「大丈夫、いける」と言い聞かせてピンチを乗り切ったり、先輩や先生方からのアドバイスによって勇気が奮い立たされ、頑張ることができた等というのは、この心の柔軟性にあります。苦しみや悲しみにある人々の痛みを共に分かち、慰めや励ましを与えることができるのも、心が柔軟に反応するからです。

一方で、こうした心を弄ぶ人々がいます。目的を最初は隠して巧みに皆さんに近づき、徐々に心の柔軟性を奪い、理性の働きを抑制するのです。振り込め詐欺やマルチ商法、自己啓発セミナー、オカルトの類、カルト的宗教などから、嘗てのナチズムのような熱狂的な政治団体まで、いろいろな形をとっています。皆さんの意外性、好奇心、反発心、依存心、愛されたい欲望、悩みや矛盾や疑問に対して直ぐに答えを求めようとする安直さ、人に良く思われたい心、挫折や失望、精神世界に対する満たされない憧れ、生き甲斐、安心感や切迫感、過去の心の傷、将来に対する不安、コンプレックス等々、こうしたものを巧みに操ってカルトの望む人格へと変化させるのです。

【注意点】

  • (1)勧誘された当初の活動内容と、今の活動内容が変わっていないか(ソフトボールの試合、パーティー、歌を楽しく歌おう等 ⇒ カルト独特の活動に変化して行く)。
  • (2)「教祖は誰かの生まれ代わりだ」と言っていないか(釈迦、ダライラマ、キリスト等)。胸に勲章付けなければ自らを誇れない人は、信用しない方が良い。
  • (3)その団体が、多額のお布施や献金を強要していないか(客観的に見ると強要なのですが、本人はそう思わない)。
  • (4)その団体から家族や友人、知人の勧誘を強要されていないか。
  • (5)カルト的宗教の新聞や雑誌、本、映像以外はほとんど見せず、マスコミの批判的情報は迫害のための捏造であり、自分たちこそが真理であると信じ込ませる。

【対処法】

  • (1)自分自身のしっかりとした信念を持ちましょう。
  • (2)本当の目的を告げない団体、お金のかかりすぎるもの、嘘を吐くことを勧めるもの、外の情報に耳を傾けさせない団体は、疑ってみる必要があります。
  • (3)怪しいと思ったら友人・家族・先生方に必ず相談しましょう。勿論、学院牧師の所にも気軽にお出でください。
  • (4)どんなに熱中しても、周りの声を聴く耳を持ちましょう。信仰と妄信は違います。
  • (5)自分は大丈夫だとは思わないでください。