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2016.11.30

個性と先入観

 白金キャンパスに何本かの桜があります。私は、通勤途上、キャンパスから国道に張り出す桜を見ることをひとつの楽しみにしています。桜は、一般的に開花の時期に大きな関心を集めるものです。しかし、広葉樹ですから紅葉も楽しむことができます。また、冬、葉を散らした桜の枝に気づかないうちにつぼみがつきはじめ、硬いつぼみが日々ほころんでくるのを見ることも私は好きです。

 社会は多様な人々で構成されており、それぞれが尊重しあい共生していくことを目指すことが大切です。加えて、個人も多様な側面を有しています。個人の個性を理解する場合でも、「あの人はこういう人だ」という先入観を持たないよう留意するべきでしょう。個性に関する多様性ということは、咲き誇る姿も、紅葉も、同じ桜であるということと通じる面があると思います。桜を開花期だけで認識してしまうことは、桜のごく一面しかとらえていません。個人を先入観や一つの側面からのみで評価してしまうことは、個性そのものを理解していないことになります。これは、共生社会の実現にとっても大きな課題となるでしょう。本学の教養教育センターと社会学部で開始された「内なる国際化」プロジェクトも日本に在住する外国籍の方々(大人と子ども)に対する理解を基盤にして支援を実現していこうとしています。

 多面的な側面を持った個性を理解し、先入観による判断を避けるべき点は、個人だけではなく、地域や国、社会に対する見方も同様でしょう。アメリカ大統領選の結果は、大方の予想に反するものでしたが、アメリカという国の一つの「季節」の現れ方なのかもしれません。しかし、その結果が世界に嵐がもたらすようであれば、これをとどめ、防ぐことも重要な課題となります。決めつけず、対話をツールとして、国際社会のなかで共生を目指していくことが大切だと思います。

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