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2017.04.06

大学で得ること

皆さん、ご入学おめでとうございます。これから、学部・大学院で充実した学びを遂行し、キャンパスライフも楽しんでください。

さて、明治学院大学は、“Do for Others(他者への貢献)”を教育理念として掲げています。この言葉は聖書のマタイによる福音書7章12節から引いた言葉ですが、この言葉の前には自分がしてほしいことを他者にしなさいという記述がなされています。

自分のしてほしいこととは何か、それを知るためにはまず自分を知る力をつけていただきたい。この力が培われることで初めて他者を理解する力を得ることができます。

他者を知るためには、客観的に事象を把握・理解する力と、他者とのコミュニケーションをとる力が必要となります。国際的な他者理解という点では、積極的に海外で学ぶことや、日本で外国にルーツを持つ人との交流も必要でしょう。外国語を学ぶことは大切なことですが、それだけではなく外国語で何を学ぶのかを意識して大学では取り組んでいただきたいと思います。

さらに、他者への貢献を考えたときに大切なことは、他者と協働することです。私は社会学部社会福祉学科の教員として、児童福祉分野を専門分野としていますが、他者からの孤立が子どもの育てにくさを深刻化させ、ついには子どもの虐待へとつながるという分析結果を出した研究に携わりました。他者を排斥せず、手を携えてものごとに挑んでいくことが自分の生きやすさを増大し、他者にも貢献できる礎となります。

また、“Do for Others”は伝統として明治学院大学に息づいています。1929年から展開された本学学生によるセツルメントが歴史的な一例です。セツルメントとは貧困者が多数居住する地域での様々な支援です。当時は子ども会活動やコメを安い価格で提供する活動などが行われました。戦後、1956年には当時文学部社会学科の教員・院生・学生が中心となって大学児童相談所が活動をはじめました。この児童相談所は、子どもの発達判定、進学相談、養育相談等多様な相談に対応しました。大学の社会貢献は今日ではあたりまえのように語られるところですが、本学は大学としての社会貢献を以前から成し遂げていたといえます。近年では、阪神淡路大震災支援を契機として本学ボランティアセンターが多くの大学に先駆けて設置され、東日本大震災や熊本地震への支援など今日でもユニークで活発な活動を展開しています。

このような本学の風土を受け継ぎ、学修を基礎としながら、大学での様々な活動を通じて、皆さん個々のライフデザイン、キャリアデザインのなかで、挑むべき課題をみつけ、様々な方法で他者への貢献に取り組む力を培っていただきたいと思います。