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コラム

MGワイン・スパークリングワインの製造元、マンズワイン小諸ワイナリーを紹介!新製法により、さらに美味しくなったスパークリングワインも近日販売予定。お祝いや贈り物に長野県産ぶどうのオリジナルワインはいかが?

明治学院第一期卒業生である、文豪・島崎藤村。その縁の地である長野県小諸市と本学の間で、協働連携を結んだのが2006年8月でした。この協定を機に作られたのが、MGワイン(赤・白)とMGスパークリングワインです。
今回、マンズワインの川俣昌大工場長と松宮剛営業部長に、マンズワイン小諸ワイナリーでお話を伺いました。

※MGスパークリングワインは新たに「シャルマ」(キューヴ・クローズ)方式で醸造されます。龍眼種のワインを耐圧タンク内で二次発酵させ、その際に出る炭酸ガスをそのままワインに溶け込ませる製法ならではの、華やかな香りときめ細やかな泡のすっきりとした辛口のスパークリングワインをお楽しみいただけます。

◆日本ワインの品質を究める

-マンズワイン小諸ワイナリーの特色について教えてください

(松宮氏)「元々は、キッコーマンのしょうゆ醸造の技術を生かしてワインづくりを始めるため、山梨県の勝沼にワイナリーを設立しました。その後、長野県がフランスのブルゴーニュに近い日照・気候、風土であることから、1973年、長野県の小諸市にワイナリーを立ち上げました。

マンズワイン小諸ワイナリーの松宮剛営業部長

長野県内でのワイナリー候補地を探していた時、時代の流れにより多くの新品種が登場して生食用ぶどうとしては需要が減り、絶滅寸前となっていた「善光寺ぶどう」を、「酒の博士」として著名だった、東京大学の坂口謹一郎名誉教授からご紹介頂き、譲り受けた原木をJA全農長野と協力して、増やしていきました。
しかし、1988年の大雪で、善光寺ぶどう(龍眼)の多くの棚がつぶれてしまい、それからはメルロー種やカベルネ種、シャルドネ種などの欧州系専用品種を栽培するようになりました。
また、つぶれてしまったぶどう棚の代わりに、マンズ・レインカット栽培法を開発して垣根栽培に転換し、90年代以降は、長野県産ぶどうで作ったプレミアムワイン造りに注力して、徐々に評価を得るようになりました。」

6月頃に咲く白いぶどうの花。畑一面に花の香りが漂う。8月下旬から実が色づき始める
マンズ・レインカット栽培のぶどう畑(8月からカバーをかける)

-マンズワインの勝沼ワイナリーとは雰囲気が違いますね

(松宮氏)「小諸ワイナリーを設立する際に思い描いたのは、「日本のシャトーを作りたい!」というものでした。
敷地の3分の1を占める日本庭園がその思いを象徴しています。日本庭園は「長野の山々」をイメージしており、四季折々の景色が楽しめます。

小諸ワイナリーで行われる秋の収穫祭

庭園の地下にあるセラーの特別一般公開も

また、勝沼ワイナリーと小諸ワイナリーは目的・機能も異なっています。勝沼ワイナリーが、甲州ぶどうを中心として、全国流通にも対応できる生産性を重視し、手ごろな価格の商品も扱う一方、小諸ワイナリーは日本ワインの品質を追求することを目的としており、長野県産のぶどうで作るワイン造りを目指しています。
2001年に発売した「ソラリス(SOLARIS)」は、国内外のコンクールでプレミアムワインとして評価されています。」

-マンズワインに就職されたきっかけは?

(川俣氏)「元々は果物の専門家になるつもりでしたが、ワイン用ぶどうの専門家が日本にはいないことがわかり、ワイナリーに就職しました。就職後、南仏モンペリエの学校に派遣留学したことをきっかけに、「日本人がぶどう栽培をしたら、もっとよいものができるはず」という思いが強くなりました。帰国後、雨が多く、夏の温度が高い日本の気候に合わせ、肥料の管理、土壌の改善、そして先代から続いていた“マンズ・レインカット”(垣根に雨避けをつける)栽培などの工夫も行いました。この栽培方法は科学技術庁長官賞を受賞し、特許も取得しました。現在は、他のワイナリーの栽培でも使用されています。この栽培によって、秋まで良い状態でぶどうを残しながら、一番良い時期に収穫できるようになりました。」

マンズワイン小諸ワイナリーの川俣昌大工場長

-近年の日本ワイン人気で、生産性も求められるなか、品質向上との両立は難しいのでは?

(松宮氏)「1つのワイナリーで生産性と品質の向上を行うのは難しいです。しかし、マンズワインの強みは、勝沼ワイナリーが生産性を、小諸ワイナリーが品質向上という、異なる機能を持っていることにあります。

また、日本ワインの人気を海外にも広げていきたいところですが、輸出面を考えると、関税価格や輸送費用による価格の課題もあります。その価格にも負けない価値(品質)を海外で認めてもらうことが必要で、今は海外のコンクールにも積極的に出品し、世界的な評価を得ていくことにも取り組んでいます。

ぶどうの栽培適地探しも行いながら、ぶどうの品質向上を続け、海外のトップクラスに引けを取らないワイン作りを目指しています。」

(川俣氏)「ぶどうの品種改良はあまりされてないのです。品質改良はされるのですが、まだ日本の不利な気候条件が大きく影響していて、できていないことが多いです。しかし、これからの技術の向上とあわせて克服できることがあるのではないかと考えています。」

セラーで育成中のワイン樽。赤ワインは約1年半、白ワインは約半年を樽で寝かせる

-最後に、ワイン造りに対するお二人の思いをお聞かせください

(松宮氏)「勝沼ワイナリーと小諸ワイナリーのそれぞれが持つ機能・目的をあわせてもっとうまく展開できるよう考えていきたいです。「MGスパークリングワイン」は、ぶどうは長野県で栽培され、醸造は勝沼で行われており、2つのワイナリーの機能をうまく展開しているワインなんですよ。
品質とコストのバランスも考えていかなければなりませんが、飲んでみたいと思っていただけるワインを作っていきたいです。」

(川俣氏)「ぶどうの品質向上と併せて、ワインのことをもっとお客様にPRしていきたいと考えています。長野県のぶどうの品種やワインの特徴をさらに伝えていきたいです。」

 

小諸ワイナリーは、ぶどう栽培、醸造、販売のすべてが揃っている。全員で一緒に作業をしていく

【本学教員からのコメント】

明治学院大学法学部
蛯原 健介教授

 私がワイン法の研究をはじめたのは、2005年から2006年までの一年間、南フランスのモンペリエ大学で在外研究を行っていたときのことです。まったく同じ時期に川俣工場長もモンペリエに留学していたという話を聞き、大変驚いた次第です。当時の日本では、ワインといえばもっぱらフランスワインが主流で、「日本ワイン」が話題に上ることはほとんどありませんでした。ところが、今や「日本ワイン」が大人気で、手に入りにくくなっています。

 「日本ワイン」というのは、日本のぶどうのみを使い、日本国内で製造されたワインのことです。ワイン用ぶどうの栽培は容易ではなく、ブームだからといって増産できるものではありません。じつは、日本で製造されているワインのうち約75%は輸入原料を使ったもの。日本のぶどうのみを原料とする「日本ワイン」は、20%にも満たないそうです。国内には約300軒のワイナリーがあるとされていますが、その中でもマンズワインの小諸ワイナリーで造られるワインは、きわめて品質が高く、トップクラスの「日本ワイン」として国内外で評価されています。

 

■ ボランティアファンド支援グッズ オンラインショップ http://mg-goods.jp/store/index.do

■MGワイン(赤・白)/MGスパークリングワイン(商品詳細ページ)https://mannswine-shop.com/hpgen/HPB/entries/142.html

 

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