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大きな目標達成は、小さな目標設定から~3年連続で関東・日本身体障がい者水泳選手権大会に出場!~

2017.11.06

2014年以降、関東・日本身体障がい者水泳選手権大会に連続出場し、50m背泳(S7クラス)では全国3位の実力を持つ海老塚さん。2017年4月に明学に入学し、水泳の活動と共に学びやサークル活動でも充実したキャンパスライフを送っています。11月の日本身体障がい者水泳選手権大会での入賞、その後、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目指します。大きな目標を掲げる海老塚さんの水泳にかける想い、そして気づきをお話しいただきました。

海老塚主税(社会学部 社会学科 1年)
「自分でできることを少しでも多く増やしたい」との想いから、幅広い学びの選択肢と地域調査などのフィールドワークに魅力を感じ、社会学科に入学。リハビリテーションの一環として小学校2年からスタートした水泳に注力しながらも、アカペラサークル「Musik Spiel」に所属し、多忙な日々を送る。

プールに入る恐怖を乗り越え、気づけば夢中に

生まれつきの四肢麻痺を克服するため、幼少時からさまざまなスポーツに挑戦してきました。陸上やバスケットボールなどの陸上スポーツが中心でしたが、リハビリには全身をバランスよく使う水泳が効果的と聞き、両親の勧めで小学校2年から水泳をスタートしました。当時の私は泳ぐことが大の苦手。プールに入ること自体が大変な恐怖で、正直なところ、「本当に効果があるのか?」と思いながら取り組んでいました。そんな恐怖の水泳も、取り組んでみるうちに「あること」に気づきました。

苦手だからこそ気づいた「小さな目標設定」の大切さ

他のスポーツにも共通していることですが、スポーツをするためには基本動作を覚える必要があります。水泳では「クロール」や「バタフライ」などで、泳ぎが苦手な当時の私にとっては雲の上の動作。そこで、「身体を水につけること」「水中で息をとめること」などの細かな基本動作を目標に設定。コーチと共に練習に取り組みました。一つ一つの小さな目標を達成した自分を認めることが次の目標への原動力になる。水泳への苦手意識は、その気づきによって少しずつ解消されていきました。「苦手な水泳だからこそ、他の人よりも多くの目標をつくれる!」自分の現状をこのようにとらえることができたのが小学校5年。既に、水泳にのめり込んでいる自分がいました。

記録が伸びなかった高校時代

その後、小学6年で関東大会、中学1年で全国大会に出場。やればやるほど記録が伸びていきました。しかし、その勢いも高校時代にストップ。練習量においては誰にも負けないつもりでしたが、実際には記録が伸びない。真剣に悩む日々が続きました。そんなある日、いつものように練習を始めると、近くの幼児用のプールで息つぎやバタ足を覚えて喜ぶ子どもたちの姿が。「記録を伸ばす」という大きな目標達成だけを目指し、昔のように小さな目標設定を忘れていた自分に気づきました。それからは、泳ぎきるために「息継ぎの回数を減らす」「手の向きを変える」「ゴール時のタッチの仕方を良くする」など、一つ一つの動作を見直す練習に注力。その甲斐あって、何とか記録を更新することができました。 大きな目標を達成することに慣れてしまい、小さな目標の大切さを見失っていた自分。悩みぬいたからこそ、その大切さを十二分に学ぶことができました。

学びと水泳のサイクルで、俯瞰的な視点を手に入れる

現在は、小学校5年から加入している水泳チーム「宮前ドルフィン」で練習しています。コーチとしても活動しているため、選手とコート、両方の視点から水泳と向き合うことができています。チームには小学生から社会人まで約500人が所属していますが、大学生は私1人だけ。日々の練習では、さまざまな年代の先輩・後輩とコミュニケーションを交わします。だからこそ、自分の考えは伝えつつも、その考えが絶対ではないということを常に意識しています。

社会学科の授業では、世の中を俯瞰的に見て自分なりの視点で分析することが求められます。「自分」と「相手」と「社会」。一つのニュースも、このように視点を変えて分析できるようになったのは水泳の経験が活かせているからかもしれません。自分が「これだ!」と感じる専門分野を見つけることが今後の課題ですが、水泳でも学びでも小さな目標を達成していけば、きっと悔いのない学生生活を送れると信じています。

明学は、「つながり」を生み出せる場所

明学には、自分がいつも困ったときに助けてくれる仲間がいます。悩んだ時にアドバイスをしてくれる学科やサークルの友人や学生サポートセンターによる授業時のサポートのおかげで、入学前のイメージと比べて何倍にも充実した学生生活を過ごしています。だからこそ、友人や今後入学してくる後輩たちが困っていたら、全力で助けてあげたい。そう心から思えます。目の前に迫った目標である11月の日本身体障がい者水泳選手権大会での入賞、そして大きな目標である2020年の東京オリンピック・パラリンピックの出場を目指し、これからもまずは小さな目標のために努力を続けていきます。



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