「Do for Smile@東日本」プロジェクトでの経験を教育の現場でも生かしたい

先輩との出会いから始めた東日本大震災の復興支援のボランティア活動。4年生になった今、活動を振り返って感じていること、小学校教諭になるという夢の実現に向けて、いかされていることとは何か、語っていただきました。

土屋 大輔(心理学部 教育発達学科4年)
1年次より東日本大震災の復興支援活動「Do for Smile@東日本」プロジェクトに参加。岩手県大槌町吉里吉里(おおつちちょう・きりきり)地区で、子どもたちの遊び場づくりなどの活動に携わる。教育発達学科で学びながら、将来は、小学校教諭になることを目指して、現在は教育実習を経て採用試験に向けて勉強に励んでいる。

人と人との出会いがつながって、ボランティアへ

高校生まではサッカー少年でした。最初は、漠然と中学か高校のサッカーの顧問の先生になりたいと考えて…。進路について先生や両親と話す中で、子どもたちと低学年のうちから関わっていける小学校の先生を目指すことに決めました。明学は、特別支援学校の教諭免許も取得できることと、カリキュラムの中に定期的に小学校での体験活動があることが魅力的で、進学を決めました。

推薦で進学が決まった後に、入学前プログラムに参加する機会がありました。当日、引率してくれた先輩が企画した在学生を紹介するイベントで、「Do for Smile@東日本」プロジェクトで活動をする学生に出会いました。大学でボランティアをしようとは、その時まで全く考えていなかったのですが、「教員を目指しているので子どもと関わる活動をしたいと考えている」と話したら、プロジェクトの中に子どもに関わるセクション(子どもの遊び場づくり・学習支援)があることを教えてくれて、そのセクションの先輩に連絡を取ってくれたんです。先輩たちに出会わなかったら、きっと今頃は全く別の大学生活を送っていたと思います。

「Do for Smile@東日本」プロジェクトで体感してきたこと

参加を決めた時の想いとしては、2つありました。1つは、子どもと関わる機会を多く経験したいということ。そして、もう1つは、教員になって震災のことを教える時に、この機会を経験せずに自分は一体何が伝えられるのかということ。テレビや本、机上の学びでは得られない、自分の五感で直接感じたことを、子どもたちにも教えられる教員になりたいと思ったんです。

1年次の夏に初めて、子どもたちの遊び場づくりをする「わんぱく広場」に参加しました。震災後、避難生活を送る子どもたちが、のびのびと遊ぶことができる場を作ろうと、避難場所になっていた吉里吉里小学校で始まったこの活動は、数日間の滞在の中で、どんなレクリエーションができるか学生たちが企画、準備しています。プログラムは、保護者や地域の教育機関とも連携をとりながら作ってきました。2年生でチーフになった年からは、遊びだけではなくて、勉強をする時間も組み込んだりもしています。

大槌の子どもたちは、とにかく元気(元気すぎるくらい!)です。東京や横浜の子どもからは、なかなか感じられないパワーを感じます。でも、今考えると、震災後なかなか発散する場所がないので、明学生に思い切りぶつけていたのかなとも思います。身近な大人ではなくて、少し年の離れた大学生が相手だからこそ、思いっきり遊んでくれる、そこに僕たちが関わっていく意味があるのだと感じました。

初めて活動に参加した年には、震災後に初めて子どもたちが地元の海に入るという、すごく重要な場面にも立ち会わせてもらいました。震災直後から活動を続けて2年、それまでの先輩たちが、地域の方や子どもたちに寄り添いながら築いてきたつながり、ボランティア活動の意味、継続することの大切さ。子どもたちが海に入る光景を目にして、肌で、心で、感じた瞬間は今でも忘れられません。

プロジェクトの振り返りとこれから

活動で被災地を訪れて、自分がイメージしていた復興と現実の差にとても衝撃を受けました。曲がったままのガードレール、雑草と家の基礎部分だけが残されている住宅街。どれも自分がこれまでに見たことのない現実でした。まだまだ復興には時間がかかることを本当に改めて気づかされました。

「Do for Smile@東日本」プロジェクトも5年目を迎えました。東北の地域の方たち、関係機関、本当に色々な方に支えられて活動できているからこそ、これまでに何ができていて、何ができなかったのか、きちんと評価するタイミングにきていると思います。今、これまでの活動をまとめ、この経験を今後に生かしていくための冊子を作成する準備も進めているところです。

この経験を、教育の現場でも生かしたい

ボランティア活動からは、本当に多くの事を得てきたと思います。その中でも、今振り返ってみると、やっぱり自分の目で見て、体験することの大切さを感じています。

ボランティアに携わるまでは、ニュースもあまり見なかったし、社会で起こっていることも自分事として置き換えられていませんでした。でも今、震災に関するニュースを見た時に、報道される内容に対して違和感を持ったり、自然と自分なりの意見が持てたりするのは、震災で被害を受けた地域で何が起こったのか、自分は何ができるのか、実際に行って見て、体験して、そして考えたからだと思います。これは、ボランティアに限ったことではなくて、大学での授業でも同じで、小学校での体験活動なども、持ち帰って大学の授業と比べて考えることで学びが深まっていると感じています。

教育実習でも、「体験」からの学びを実践してきました。「ごみはどこへ?」という身近なごみについて考える社会科の授業を研究授業に設定して、自分で授業を組み立てました。授業では、まず、学校で出るごみの処理をしている用務員さんのところに行って、細かに分別作業をしている様子をじっと見ながら、気づいたことをメモしてもらいます。その後、見て感じてきたこと、分ったことを教室で発表し合いました。教員が何も言わなくても、資源の大切さを感じて、考えてくれていて。子どもたちの中には、自分の考えを持つことが苦手な子もたくさんいます。でも、見てきて、聞いたりすることで、意見をつくろうとしなくても自然に持てるようになるんです。感じたことを話すだけでもいい。何かそのきっかけを作れる先生になれたらと思っています。