社会学専攻 (博士前期課程・博士後期課程)
MAJOR OF SOCIOLOGY

優秀な教授陣と独自の指導体制で、社会の多様な分野をカバー

私たちは日々他者との関係を生きています。しかし、私たちは他者が自分と根源的に異なる他者であることをしばしば忘れてしまいます。そして、しばしば他者を抑圧し支配しようとします。私たちにとって不意打ちでありうるような(時に理解しがたい)他者。普段まったく気に留めることすらない遠くの(しかし遠くから私たちの生活を支えている)他者。私たちの関係を、これらの他者たちに開く気概と洞察こそが、現代社会に求められているように思います。社会学の課題が、現代社会に伏在する諸問題を発見・追究し、より望ましい社会のヴィジョンを構想するところにあるならば、社会学専攻は、他者へと関係を開いていくための専門的な知識と技能の修得により、この課題に応えたいと考えます。他者との関係はどのように結ばれているのか、他者はどのように忘れられ抑圧されるのか。このような問いを具体的な現象に即して設定し、それに堅実に答えるための体系的な知識と技能の修得。これが本専攻の目標です。多彩な社会経験が本専攻の教育・研究に積極的につなげられることを期して、「社会人入学」の制度を設けています。また、本専攻は、大学院社会学分野の単位互換制度に参加しており、関東の23大学の26研究科もしくは専攻での単位取得が可能です。

TOPICS

専門社会調査士について

「社会調査士」資格は、2004年に新しくできた公的資格です。官庁・自治体などが行う各種の統計調査、企業やNPOなどが行う市場調査や世論調査に必要な社会調査の知識や技術を身につけ、さらに社会学の学習にとっても重要な社会事象等を捉える能力を持った「調査の専門家」を養成するためにつくられた資格です。この資格は、資格試験を受験して取得する国家資格ではありません。社会学系の大学で設置されている社会調査士指定の科目を履修し、単位を取得した学生が、日本社会学会などの学会がもとになってつくられた「一般社団法人 社会調査協会」に申請する(認定料が必要)と、卒業時に与えられるものです。社会調査士資格には、「専門社会調査士」(大学院博士前期課程の大学院生対象)と、「社会調査士」(4年制大学学部生対象)の2種類がありますが、大学院社会学専攻では「専門社会調査士」の科目を履修し、前期課程修了時に資格申請できます。「専門社会調査士」を取得するには、まず学部で「社会調査士」を取得している必要がありますが、「社会調査士」資格を持っていない場合でも、大学院で学びながら並行して社会学部の資格科目を履修することで、「社会調査士」の資格取得は可能です。社会調査士の詳しい説明は明治学院大学社会学部のホームページおよび(社)社会調査協会のホームページ[http://jasr.or.jp/]をご覧ください。

給付型奨学金制度

社会学研究科(社会学専攻・社会福祉学専攻)には給付型学生研究奨励金制度(大学院生への奨学金制度)があります。この制度には、社会学研究科博士前期課程新入生を対象に、10名を上限に選考の上支給する第1種奨励金(1人25万円)と、2年次以降の上級生および博士後期課程新入生を対象に、15名を上限に選考の上支給とする第2種奨励金(1人15万円)があります。詳しくは、大学院事務室までお問い合わせください。

インタビュー


渡部 沙織
社会学専攻
博士後期課程2年

明学ならではのサポーティブな環境が研究活動の支えに

私は、他大学で東南アジアの地域研究をしていたところ、突然難病を発症してしまいました。難治性疾患の当事者の側になる経験を経て、福祉国家といわれる国での難病に対する制度についての源流を見つめてみたいと、それを可能にする大学院を探しました。明治学院は、社会事業、社会福祉のコミットメントへの伝統が長く、難治性疾患当事者の研究活動にウェルカムな環境が整っていました。担当教員の稲葉先生をはじめ、教員の方々やスタッフの方々それぞれに研究環境への整備にご尽力いただき、私の研究は明治学院でなければ成立しなかったように思います。博士前期課程では、自分が関心のある歴史社会学や医療社会学はもちろん、ジェンダー論、地域社会学、計量社会学など幅広いクラスで視野を広げるとともに、「難病」対策と公費負担医療の形成についてというテーマのもと、自身の研究に取り組むことができました。当事者だからこその知見を生かして今後も研究を重ね、先行研究の少ない「難病」という分野においての研究者となりたいと考えています。

修了後の進路

進学(博士後期課程へ)、大学教員(専任教員および非常勤講師)、地方公務員、小学校教員、経営コンサルタント、文筆業、社会調査会社など

研究科ごとの修了後の進路(過去3年間の実績)

教授担当科目

氏名主な担当科目指導内容
浅川 達人 教授 社会構造論研究 都市の社会・空間構造に関する社会科学の諸理論に基づきつつ、現実の社会問題の解決に寄与できる知見を得るための実証研究を行い、研究成果を社会に還元することが目標である。
石原 英樹 教授 社会意識に関する調査研究 後期近代の社会意識の変容について考える。特に親密性、コミュニケーションなど他者とのかかわりにおける困難について調査データを用いて明らかにする研究をサーベイする。
稲葉 振一郎 教授 社会倫理学研究 政治哲学・法哲学・厚生経済学を中心に、現代の規範的社会理論をサーベイする。
岩永 真治 教授 都市と地域社会研究 都市社会や地域社会に関する社会学の議論を新旧の古典や文献から学び、グローバリゼーション、市民権、まちづくり、文化的多元性、ユーラシア大陸の統合等をテーマに、研究を深める。
加藤 秀一 教授 性現象論研究 性と生殖にかかわる諸現象をめぐって人びとが織りなす実践を記述・理解するために、社会学的および哲学的概念装置を参照しながら考察する。
坂口 緑 教授 市民社会論研究 人はどのようにして市民になるのか。教育の公共性、国内外の生涯学習政策、コミュニタリアニズムの思想をおもな考察対象とし、市民社会について歴史的、理論的研究を行う。
佐藤 正晴 教授 メディア社会学研究 日本のマス・コミュニケーションについて放送・出版・広告の観点から学ぶ。アジア・太平洋戦争以降の日本の大衆文化・ポピュラー文化・娯楽・芸能等を取り上げる。
澤野 雅樹 教授 犯罪社会学研究 ピエール・ルジャンドルのドグマ人類学を中心にして、近代に何が起こり、何を引き起こし、変容させているのか、これらの問題を具体例を交えながら検討する。
柘植 あづみ 教授 医療と身体研究 個人は医療や生命科学とつながって生きている。子どもを産む、病気がある、障碍がある、年をとる、死ぬことなどについてインタビューなどの質的な調査から生きることを検討する。
野沢 慎司 教授 家族社会学研究 現代家族へのネットワーク論的アプローチを基礎から学び、「家族・コミュニティ問題」への応用を試みる。家族に関わるさまざまな現象を取り上げて、既存研究の知見を批判的に検討していくことが目標である。
藤川 賢 教授 環境社会学研究 環境社会学における調査の方法と報告、理論研究への接合について修得することを目標とし、先行文献を確認しつつ、新しい研究の可能性を追求する。全体でのディスカッションを重ねつつ進める予定である。
水谷 史男 教授 社会学方法論研究 社会学の研究に必要な方法論、とくにさまざまなタイプのフィールドワーク・社会調査法が拠って立つ社会科学方法論について、数量化の理論や、現象学的方法など、具体的に検討する。
渡辺 雅子 教授 宗教社会学研究 日本宗教の異文化布教の実態について、各国の事例を検討し、社会学的視点から異文化布教の課題に接近する。また、異文化における質的調査の方法について学習する。
石原 俊 准教授 歴史社会学研究 広義の日本を中心に、マイナー化された人々をめぐる社会変動・構造変動を、「国民」「人種」「発達―未開」「先進―後進」といった枠組みへの批判的視座を確保しつつ検討する。
半澤 誠司 准教授 文化産業論研究 文化産業とはいかなる産業であり、どのように捉えるべきか。古典的な研究からも学びつつ、批判的視座よりも主に経済活動的視点から、文化産業の本質と意義を検討する。
元森 絵里子 准教授 子どもと教育研究 子どもや教育にまつわる常識をどう検証し問い直していくかについて、理論的検討や歴史的アプローチを用いて多角的に考えていく。

入試情報