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コラム「キャンパスCLINIC」

生理痛と上手につきあう

白金通信2010年12月号

一年の早さに驚かされます。
もう師走、また寒いシーズンの到来ですね。

 健康支援センターには年間を通して白金横浜両キャンパス合わせて約4500人から5000人の学生の利用がありますが、その利用者のうち約200人が生理痛(月経痛)を訴える女子学生です。
 そこで今回は、生理痛について少しお話ししたいと思います。血の気が失せた顔、苦痛に身をよじるようにして健康支援センターに来られる女性に先ず確認するのは、生理痛です。吐き気がなければ鎮痛剤を服用していただきベッドで湯たんぽをお腹に抱えて休んでいただきます。ほとんどの人は一時間程で痛みも和らぎ元気になって帰られます。このようなケースの多くは機能性の生理痛と呼ばれ、原因となる病気などはありません。思春期から二十代前半に多く見られ、子宮内膜がはがれる時に子宮収縮を促すプロスタグランジンという物質(これはは出産の陣痛を促す物質でもある)の分泌が多いと痛みもひどくなります。下痢を伴う人も少なくありません。鎮痛剤にはその物質の分泌を抑える作用がありますから、ぎりぎりまで痛みを我慢しないで早めに鎮痛剤を服用することをお勧めします。
 ひとことで生理痛といっても機能性のものと器質性のものがあります。前述したように鎮痛剤を上手に服用して日常生活を過ごせるようであれば概ね機能性のものと考えます。それに比べ、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が原因となり、ひどい症状がでるケースは器質性の生理痛です。機能性の場合が思春期から二十代前半に多く見られるのに対し、器質性は二十代後半から多くみられるようになり、鎮痛剤の効果が薄く、痛みが数日続いたり、時には生理期間以外にも痛みが生じることもあります。器質性の生理痛の疑いのある方は早めに婦人科を受診することをお勧めします。
 高校生の頃、波のように押し寄せる激しい生理痛で授業に集中できないほどつらい思いをしたことがありましたが、放課後テニス部の練習に参加し走り回るうちに、ふっと気づくと痛みはどこかへ消えていました。  じっと静かにしていることが必ずしも良いとは限りません。軽い運動、ストレッチなどでうっ血を改善させることも痛みを軽減させることに有効です。

 そして寒い時期はホカロンなどで下腹部を温め、ソックスを履くなどして下半身を冷やさないことも生理痛の対処法です。
 寒さ厳しい時節ですが、生理痛と上手につきあって、さわやかに過ごしましょう。


保健師 佐野幸子

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