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コラム「キャンパスCLINIC」

「一三七億年の物語」から

白金通信2014年12月号

 C・ロイド著「137億年の物語」はテレビでも同名シリーズが放映され、本を読んだ方もいると思います。歴史書でもあり科学書でもあり、読み易く書かれています。ビッグバンで宇宙が誕生してから137億年、地球誕生から46億年経っています。太陽系のなかで地球は水と大気で被われ、生命が生まれるために、太陽からの距離や大きさが適度な条件を満たし、小惑星と衝突して月ができたことなど多くの奇跡が重なって出来た惑星なのです。

地球時計
 地球の歴史を24時間時計で表したとき、藻のような原始生物が生まれたのが30億年位前の午前4時でした。1個の細胞から分化・進化して二足歩行をする人類の始まりは約500万年前で、地球時計はすでに午後11時57分、現代までわずか3分しか残っていません。そして文明というものが遺跡や文字など何らかの形で後世に残されるようになったのは約5000年前で、地球時計は深夜零時まで残り0.1秒にまで来ています。ただ、そこからの歴史は文化の発展・科学の進歩が目覚ましいものであると同時に、侵略と戦争の繰り返しと言わざるを得ないでしょう。民族戦争や宗教戦争であったり国家間の戦争であったりと理由は様々です。

宇宙船地球号
 人類がサルから分化してヒトとなったことはヒトが地球上で唯一特別な存在ではなく、地球という宇宙船の乗組員の一員であることに変わりはないのです。実際に500万年たってもサルとヒトのDNAは数%しか変わっていません。文明が始まったころ地球上の人間の数は数千万人だったのが、200年前に10億人となり、今では70億人を超えています。人口増加とともに森林を伐採し、土壌・海洋・大気汚染が拡がり、数億年かかって溜まった石油を2百年足らずで使いきろうとしているのが現状です。ちなみに地球の寿命はあと50~80億年と言われます。まだまだ宇宙船地球号で暮らしていかなければならないとしたら、生活習慣病予防も含めて、現代の生活は一度立ち止まって考える必要があるのではないでしょうか。人間は単に「パンツをはいた猿」でなく「考える葦」であってほしいものです。



校医 永田茂之