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コラム「キャンパスCLINIC」

妬み!?

白金通信2017年04月号

 4月、満開の桜の美しい時期ですね。ご進級、ご入学おめでとうございます。

人生の交差点
 
「なぜ、あいつの方が成績が良い」、「一緒に入ったサークル、あいつの方が先輩に持てはやされている」など、他人が良い想いをすることに対し、妬ましい気持ちになることは、そう珍しいことではないでしょう。
 人が集えば同じ学校、習い事、会社など共通の場が生まれます。同じ場所にいればみんなが同じ方向に向かっている錯覚さえ生じます。だから自分より前に進んでいるような人に対しても妬みも生まれるのでしょう。でも、本当はそれぞれ違う人生、違う方向に向かって歩んでいるはず。学校、サークル、バイト、一緒に過ごす期間は確かに長いです。ですが、ちょっと広めの交差点のようなものかもしれません。そもそも、たまたま出くわした場所で、他人と比較する必要がないのかもしれないですね。 

妬みの気持ち、見つめよう
 
妬みの気持ちは、実は自分を知る上でとても重要です。自分の心底に潜む「自分が何を望んでいるのか」が表面化するからです。試合で活躍したい自分、人気者になりたい自分、そんな自分の想いが浮き彫りになります。さて、ここからの考え方が重要。比較の対象を、他人ではなく自分自身にすること。違う人生を歩む他人と比べるのではなく、同じ人生を歩んでいる数ヶ月前の自分と現在の自分の進歩の度合いを比べてみてはいかがでしょうか。1ヶ月前の自分の平泳ぎよりタイムが刻めた、そんな感じ。陸上十種競技の元日本チャンピオンでタレントの武井壮さんが、以前ラジオでこんなことを言っていました。「毎日自分史上最高が目標」。

自分らしく
 
昨秋、仕事の空き時間に、浜松町駅からほど近い旧芝離宮恩賜公園に入りちょっと奥に歩いていくと、十月桜という樹に花が咲いていました。春の満開の桜と比べると、ポツポツと少し地味ですが、まるで自分を見失わずに咲いているかのよう。その姿は、健気で可愛らしいだけでなく、どこかとても誇らしく映りました。大学生活という広い交差点、そこには出会いもあり、影響を受けたり与えたりというかけがえのない相互作用も生まれることでしょう。妬む気持ちも大事に、自分の道を見つけられればいいなと願っています。



高野知樹(心理相談担当校医)