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サンフランシスコ「フィールド・スタディ(D)」実施報告

教員による海外フィールドスタディ報告 : 服部圭郎 

経済学部 : 服部圭郎専任講師

私の「フィールド・スタディ(D)」の授業は、対象となる都市・地域経済活動の実態と、その背景にある都市・地域環境を実際その場に身を投じることによって、全身体的に捉え、大学のキャンパス内での講義と現実(フィールド)との関連性を考察する契機とするものと位置づけている。

私の「フィールド・スタディ(D)」の授業は、対象となる都市・地域経済活動の実態と、その背景にある都市・地域環境を実際その場に身を投じることによって、全身体的に捉え、大学のキャンパス内での講義と現実(フィールド)との関連性を考察する契機とするものと位置づけている。

また、後半のデービス市では指導教官もあまり明るくないセントラル・バレーの農業問題に関して、多くの人に会って話を聞くことによって、そして現場を実際視察することによって、その課題を分析することになった。見知らぬ土地、あまり明るくない分野での課題であったこともあり、学生達は自らの無知、無力を痛切に自覚し、そのため、謙虚に人々の言葉に耳を傾け、真摯にその問題を理解し、考察することとなった。学生達のレポートは、今までの考え、イメージと現実とのギャップを理解したことによるショックが多く語られていたが、その文章の中には、新しい知識を吸収し、また無力を感じつつも、主体性をもって、問題を捉えようと考えることの充実感に満ち溢れていた。謙虚であることが、自らの汚れた視界を明るくし、より物事を理解するうえで重要であるということを学生達は理解したのである。

このフィールド・スタディで学生達は多くの知識を学んだ。しかし、そのような知識より、自らが積極的に問題を捉えようとして、厳しい条件の中で、いろいろと理解しようと奮闘したそのプロセスこそが、今後の彼ら、彼女らの人生の貴重な財産になっていくと考える。この分析をするという主体的作業は、すなわち自分のことを知ることである。丸腰の状態で、フィールドという多くの情報に満ちている場に相対することによって、自分というフレームワークを拡張させ、広い視野で物事を考察する方法論を修得してもらえたのではないか、と考えている。フィールド・スタディの日程をこなし、帰路に向かう空港での学生達が、一回りも二回りも大きくなっているように見えたのは、決して私の思い過ごしではない。

実施プログラム: 2003年9月1日—9月16日 

9月1日 (月) 午後 16:15 全日空008便 成田発
9月1日 (月) 午前 10:15 サンフランシスコ国際空港到着
9月2日 (火) 午前 サンフランシスコ市内見学 (ユニオン・スクエア、フィナンシャル・ディストリクト地区を訪問)
午後 フィッシャーマンズ・ワーフとハイド・ストリート桟橋を訪問
9月3日 (水) 午前 オークランド博物館、チャイナ・タウンを見学
午後 (1班、2班) ジャックロンドン・スクエアとフェリー・ビルディング見学
(3班) 低所得者用建築を視察。低所得者(ホームレス)の実態や、住宅供給という政策の重要性を知る。
9月4日 (木) 終日 (1班) ミッション・ベイ再開発地区、ユルバ・ブエナ・ガーデンス、サンフランシスコ都市再開発公社見学
(2班) プレシディオ国立公園見学
(3班) チャイナタウン、ミッション地区見学
9月5日 (金) 終日 (1班) フィッシャーマンズワーフ、ギラデリー・スクエア、地元の都市デザイナー佐々木さんへの取材
(2班) カリフォルニア大学バークレイ校のデュエイン教授による講義を受講
(3班) ヘイト・アシュベリー地区の訪問
9月6日 (土) 午前 班ごとにレポートを作成
午後 カリフォルニア大学バークレイ校で班ごとに研究発表
9月7日 (日) 午前 デービス市へ移動
午後 自由行動
9月8日 (月) 午前 カリフォルニア大学デービス校にて、イサオ・フジモト教授による講義を受講。カリフォルニアのセントラル・バレーにおける文化的多様性、移民達による協力による農業の経営などを学ぶ。
午後 デービス市役所への訪問。デービス市の都市計画、コミュニティ計画、特に省エネルギーへの工夫に関して話を聞く。
環境共生型コミュニティであるビレッジ・ホームズの視察
家族経営農業同盟(Community Alliance with Family Farms)を訪問して、カリフォルニアの農業に関して学ぶ。
9月9日 (火) 午前 ユース・イン・フォーカスという移民の子供達を対象とした社会復帰プログラムを手掛けているジョナサン・ロンドン博士からの講義を受ける。
午後 サクラメントにあるフリーダム・バウンドを訪問し、人種問題、スラム問題などの状況を知る。
カリフォルニア自治体委員会に訪問して、リバブル・コミュニティのプロジェクトに関する話を聞く。
9月10日 (水) 午前 N St Coop というコハウジング (あるブロックの家を買って、すべて塀をとり、庭や台所などを共同所有する試みをしているプロジェクト) を訪問。
午後 デービスのファーマーズ・マーケットの訪問。ここは、単に野菜を売るだけでなく、人々が集い交歓する公共空間として設計されていることを理解する。
9月11日 (木) 午前 カリフォルニア地方研究所を訪問し、カリフォルニアの農業を始めとした地方社会の問題点に関して学ぶ。
午後 アスパラガス農場、トマト農場、クルミ農場を訪問
地元のテレビ局の取材を受ける。
9月12日 (金) 終日 デービスからヨセミテ国立公園へバスで移動
9月12日 (土) 終日 ヨセミテ国立公園の大自然を堪能する。
9月14日 (日) 終日 自由行動
9月15日 (月) 午前 11:55 全日空007便 サンフランシスコ空港発
9月16日 (火) 午後 14:55 成田着

学生によるレポート 

PHOTOレポート 

ミッション・ベイの都市再開発の在り方に関して、サンフランシスコ再開発公社のナチェス氏の説明を受ける。日本との違いを考察する。

カリフォルニア大学バークレイ校で研究成果を発表する学生達。コメンテーターの先生達の前で、ここぞとばかり頑張る学生達。

 

成果発表の後は、サポート・スタッフの人達と打上げ。

カリフォルニアの農地を見学。その広大さと、効率性、そして多くの農業従事者がメキシコ移民である事実に驚く。

 

カリフォルニア大学デービス校のイサオ・フジモト教授が、デービス最後の晩にて総括の言葉を述べてくれた。「英語もよく出来ないのに、アメリカまで勉強に来るなんて見上げた根性だ。エライ」

最終日では、ヨセミテでのアメリカの環境保護政策の先端を知ると同時に、その雄大な自然に感動した。