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フィリピン「フィールド・スタディ(B)」実施報告

教員による海外フィールドスタディ報告 : 原後雄太 

国立公園での記念撮影

2003年度秋学期のフィールドスタディ(B)は、学生7名の参加のもと、フィリピンのパラワン島・ボホール島・セブ島を中心に2週間にわたって実施した。持続可能な観光資源の開発を推進するパラワン島では、地元の環境保全団体によるコーディネートのもとで、環境政策に関する州・市政策当局者への聞取り調査を行い、森林再生や農村開発にかかるプロジェクトを視察したほか、世界最大の地底川やマングローブ林へのエコツアーを行った。

ボホール島では、土壌・水資源保全財団(SWCF)のコーディネートのもとで、森林管理と持続可能な農業について学習し、NGO・住民組織への聞き取り調査を行うとともに、森林地帯へのトレッキング・沢登り・洞窟探検などを体験した。セブ島では、水と海洋資源の管理に関する学習を中心に、NGO・政府機関への聞き取りを行い、水源地の踏査、ラムサール条約指定の渡り鳥中継地となる海浜地域の踏査とバードウォッチング、海洋保全公園でのダイビングなどを体験した。マニラ市では、科学技術省の事務次官への聞取り調査や、ストリートチルドレン・孤児・性的虐待を受けた子供たちの保育施設の訪問・交流を行った。

4泊にわたる農村地域でのホームステイ体験は、住民たちとの心暖まる交流の機会となった。とくにホボール島ナンオッド村では、自治会主催による交流会による大歓迎を受け、学生たちも歌や踊りを披露し、深夜まで大盛況となった。今回のフィールドスタディは、プログラム内容が変化に冨み、比較的少人数の参加者のまとまりもよく、印象的な体験学習の連続で、自然と人々の心の豊かさに心洗われるフィールドスタディとなった。

実施プログラム: 2004年2月14日—2月27日 

2月14日 (土) 午後 成田発 マニラ着
2月15日 (日) 午前 06:00 マニラ発
07:15 プエルトプリンセーザ着
07:30 バジャオホテルチェックイン・朝食
09:00 オリエンテーション
10:00 パラワン郡庁計画局訪問・ヒアリング
午後 14:00 パラワン市庁計画局訪問・ヒアリング
16:00 農林産物・製品マーケット視察
2月16日 (月) 午前 07:00 朝食
08:00 カンジス・バクンガン村農村開発プロジェクトの視察・ヒアリング
10:00 小農民世帯ヒアリング
午後 12:00 農民世帯との昼食会
14:00 農村開発活動の視察・踏査
森林管理プロジェクトの視察・管理施業の体験実習
2月17日 (火) 午前 07:00 朝食
08:00 カンジス村訪問
09:00 農作業等の体験実習
午後 12:00 農民世帯との昼食会
14:00 農村開発活動・農作業の体験実習
2月18日 (水) 午前 06:30 朝食
07:30 ルリー島訪問・海洋資源管理の学習・ヒアリング
11:30 昼食・チェックアウト
午後 13:30 プエルトプレンセーザ発 セブ島着
16:00 セブ島発 ボホール島タグビララン着
17:00 オリエンテーション
2月19日 (木) 午前 07:00 朝食
08:30 オリエンテーション
09:30 ラジャシカトゥナ国立公園視察・保護地域管理の学習活動・ヒアリング
午後 ラジャシカトゥナ国立公園にて保護地域管理の学習活動・ヒアリング
2月20日 (金) 午前 07:00 朝食
08:30 オリエンテーション
09:30 ボホール島チョコレートヒルス地帯゙視察・ヒアリング
午後 13:00 ラボック川河川流域視察・ヒアリング
2月21日 (土) 午前 07:00 朝食
08:30 マングローブ林植林事業の視察・ヒアリング
午後 13:00 漁業資源保護地域の視察・ヒアリング
2月22日 (日) 午前 08:00 ボホール島近郊の海浜地域の訪問・自由行動
午後 08:00 海浜地域での自由行動
2月23日 (月) 午前 07:00 朝食
08:00 ボホール島発 セブ島着 オリエンテーション
午後 13:00 自由行動・セブ市内観光
2月24日 (火) 午前 07:00 朝食
08:30 グバ村地域・土壌保全プロジェクトの視察・ヒアリング
午後 13:00 グバ村地域・アグロフォレストリープロジェクトの視察・ヒアリング
2月25日 (金) 午前 07:00 朝食
09:00 ラムサール条約指定海浜地視察・バードワッチング
午後 海洋保全公園の視察・ダイビング
2月26日 (土) 午前 07:00 朝食 09:00 マニラ市ヴィルレニー財団訪問
午後 14:00 ストリートチルドレン・孤児等の保育施設の訪問・交流
2月27日 (日) 午前 自由行動
午後 14:55 マニラ発
20:10 成田着

学生によるレポート : 本間ひかり 

夢のような時間

「夢のような時間」。一緒にフィールドスタディを共にした6人の仲間は、日本に帰ってきた今、フィリピンに滞在した時のことをこう言う。そして、私も心から行ってよかったと改めて思う日々が続いている。

2004年2月14日から二週間にわたり、我々の夢のような時間は始まった。今回のフィリピンにおけるフィールドスタディは、森林政策・農村世帯の土地利用方法・社会開発の理解、そしてNGOによるエコツアーの実施が主な目的であった。具体的に言えば、山に登り、フィリピンの失われていく森を目の前にし、現地の植林の様子や、方法を知るということ。また、NGOや農業世帯を訪問し、現在行われているプログラムや、農業をより良いものへするための工夫、未だ残された課題などを理解するということ。

更には、ストリートチルドレンのケア施設の子供たちと交流し、施設の方の話を聞くことにより、無くならないストリートチルドレンの現状を学び、何故なくならない問題なのかを考えるという内容であった。そこには、黒板を使い、スライドを見て、学ぶといった普段の授業環境とはまるで違い、実際に赴き、自分の目で見、自分の耳で聞き、疑問を直接現地の人にぶつける事ができる形、いわゆる体感し、学べる環境があった。

そしてこのフィールドスタディを語る上で、決して欠く事のできない体験がもうひとつある。それは、パラワン島とボホール島で二泊づつさせてもらった村でのホームステイだ。そこで4日間だが、一緒に生活することで、我々は人の本当の優しさや笑顔を感じ、共に通じ合うものを見つけることができた気がする。村で出会った人々をはじめ、フィリピンでお世話になった人との出会い全てが、気持ちの良いものであり、別れの時、皆の目から湧き出た涙が、その象徴だったに違いない。

こうして、フィールドスタディという一つの経験から、7人にとって7つの大きな感動が生まれた。そして、この感動は、夢のような時間という記憶で今なお、それぞれの心の中で輝き続け、これからの人生におけるかけがえのない宝物となったことだろう。

最後に、充実した二週間であり、財産となったフィリピンへのフィールドスタディの計画をし、連れて行って下さった原後先生、また、フィリピンで出会った全ての方々に、深く感謝致します。

PHOTOレポート 

パラワン島、カンディス村でのホームステイ
フィリピンでは最小単位のコミュニティーのことをバランガイという。村の子供達はとても愛想がよく純粋ですぐに仲良くなれた。

パラワン島・地下河川国立公園
フィリピンの世界遺産の一つで全長約8キロの地底川が広がる。とても神秘的だった。

 

国立公園での記念撮影
一緒に行動を共にした村の人達とはたくさんの貴重な思い出ができた。

マングローブ保護地域の見学
汽水域(淡水+海水)に広がるマングローブ林の保護地域をボートで見学した。住民組織やNGO団体の支援によって植林活動が行われている。

 

土壌・水資源保全財団(SWCF)
NGO団体、土壌・水資源保全財団(SWCF)SWCFの新プロジェクトを視察した。現地コーディネーターとスタッフとの記念撮影。

ボホール島、ナンオッド村でのホームステイ最後の夜
夕飯後、私たちはカルチャーショーに招待されて大歓迎を受けた。村の人々がフィリピンの伝統的舞踊を見せてくれて私たちも沖縄の歌、「島唄」を歌い皆でおおいに盛り上がる。子供達と縄跳びやダンスを楽しみ夜は更けていった。

 

オランゴ島野生生物保護地域でのヒアリング
夏が終わり渡り鳥が北上していく時の中継地点である。97種もの鳥が発見され、バードウォッチングをした。

セブ島での市内観光
熱心なカトリック信者でにぎあうサントニーニョ教会。この後は皆でショッピングを楽しんだ。

 

パワワン島・カンディス村での山歩き
豊かな緑が広がる村で植林地帯を見たり、民家をホームステイしながら視察。フレッシュココナッツジュースも飲んだ。