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北京大学対外交流センターにおける短期教育プログラムの報告

教員による海外フィールドスタディ報告 : 宋立水 

麗江で8つの少数民族の若い子と記念写真

科目名「フィールドスタディ(C)」(「中国経済現地研究」)は、2002年度春に開講した最初のFSとして、明治学院大学経済学部と中国の北京大学国際交流センターとの協定関係に基づいて、経済学部と北京大学と共同運営で行われました。科目の実施プログラムは、授業の目的に従い、北京大学とともに作り共同運営をする。海外の大学と協定を締結し学部の科目を共同運営し学生に提供するこの授業は、明治学院経済学部が進めてきた現場教育と学部教育国際化の試みである。

2004年度の「フィールドスタディ(C)」(「中国経済現地研究」)は、7月29日~8月12日の15日間に行われ、15名の学生が参加した。プログラムは北京、云南、上海との三つの部分からなった。北京でのプログラム実施のため、学生が北京大学のキャンパスに滞在し、北京大学側から提供された中国経済、政治、企業、少数民族等諸問題についての特別講座を受け、中国の政治経済社会について勉強した。その上に、企業、農村、市場等についての見学・調査を行い、農民の家庭訪問を行った。北京大学滞在期間中、北京大学の学生との交流、及び北京大学で学ぶ多国・地域の留学生の交流の日々であった。北京でのログラムを終えた後、経済発展が遅れた中国の西南地域の雲南省に入った。プログラムには雲南大学の訪問、少数民族の家庭訪問、少数民族文化博物館見学、蝋燭染め家庭工場見学、市場視察、少数民族の舞踊鑑賞、名所遺跡見学などからなった。云南では学生が少数民族と日々接することもできた。近代産業が少なく、少数民族が多く、文化が多様的で、自然環境が豊かである云南での考察は、学生に多くの感動を与え、経済開発と環境と文化についての諸関係を考えさせた。低所得で豊かな云南での考察を終えた後、再び中国の経済先進地域の上海に入る。上海滞在の1日半の間に、上海浦東開発区を見学し、また蘇州開発区と区内の工場を見学するができた。04年度の「北京-雲南-上海」のプログラムを通して、学生たちを中国の経済発展における格差問題を考察し、そして、開発が遅れた西南地域経済開発過程の中で、少数民族の文化伝承と経済開発、西南地域の環境保護と経済開発等々の課題について色々な刺激を受けながら考えさせた。ちなみに、北京、云南、上海滞在中、万里の長城、故宮博物館、宜和園、麗江古城、獅子林等々の世界歴史文化遺産をも見学できた。

15日間のスケジュールはとてもハードであった。学生諸君がお互いに協力し、お互いに励ましながら積極的で真剣にプログラムに参加した。さらに二週間の海外共同生活を経験した参加者の間には強い絆が形成し、フィールドスタディ参加者同士の交流は始まった。そして彼らが中国で知り合った(中国人以外の外国人も含む)新しい友人との交流も始まった。

実施プログラム: 2004年7月29日—8月12日 

7月29日 (木) 午前 成田発
午後 北京着
7月30日 (金) 午前 北京大学始業式
円明園見学
午後 世界文化財宜和園見学
7月31日 (土) 午前 1限 中国語
2,3限 中国研究講座1
午後 市場調査 : スーパー、デパートへ個人調査
8月1日 (日) 午前 大学ビジネス現場見学
万里の長城見学
午後 万里の長城見学
明十三陵見学
8月2日 (月) 午前 前門市場見学
天安門見学
老舎茶館にて昼食
午後 故宮博物館見学
王府井で解散、自由行動
8月3日 (火) 午前 1限 中国語
2,3限 中国研究講座2
午後 日系企業調査見学
8月4日 (水) 午前 1限 中国語
2,3限 中国研究講座3
午後 盧溝橋、日中戦争記念館見学
8月5日 (木) 午前 北京発
昆明着
午後 昆明市内見学
8月6日 (金) 午前 雲南大学訪問
中国研究講座4
午後 国連指定自然環境保護地、石林見学
8月7日 (土) 午前 昆明から大理へ移動
大理古城見学
午後 三塔寺、胡蝶泉、喜州民居見学、三道茶試飲等
8月8日 (日) 午前 大理から麗江へ移動
麗江古城四方街見学
午後 古城博物館、玉泉、麗水金沙民族舞踊見学
8月9日 (月) 午前 玉竜雷山、雲杉坪自然保護区見学
午後 白沙壁画、玉峰寺文化財見学
フリー研究
8月10日 (火) 午前 上海へ移動
午後 上海市内、浦東開発区見学
個人研究調査
8月11日 (水) 午前 蘇州へ移動
市内古文化財庭園見学
午後 蘇州工業園見学
8月12日 (木) 午前 北京大学より修了証書授与
フリータイム
午後 北京発
成田着

学生によるレポート : 飯田麻衣子 (参加者を代表して) 

フィールドとは、研究室でない“現場”のことである。資料や言葉では表現出来ないものが、そこにはある。あらゆる感覚が、我々を刺激させる。そして我々は成長する。

フィールド・スタディ(C)では、中国現地研究を行った。出国前の、中国に対してのイメージはどうであったろう。広い、MADE IN CHINAの文字もよく目にするし、経済的に盛ん、成長している国、歴史がある、料理が美味しそう、ラーメン、・・・。実際のところは、どうであったろう。これらのイメージと現実との違いと知り、我々は大いに驚嘆し、他国を知ることで自国を知った。自分たちの位置を知った。

我々は、首都北京、雲南省、上海に足を運んだ。

北京では、一週間、北京大学で過ごした。日本語を専攻している在学生の方々に案内され(彼らには大変お世話になった)、見学した世界遺産、大学での通訳付きの講義により、大変有意義な日々を過ごすことが出来た。有名な万里の長城に登ることも出来た。講義では必然性があった計画経済から市場経済へ、漸進的に変化していることを学んだ。「道徳あるものは、本を読む人」という、教育の重要さを習った。それぞれの先生方の、様々なアプローチの仕方が、我々の学習意欲を掻き立てたと感じる。

雲南では、麗江、昆明、大理を見学した。特に印象的であったものは、麗江の町並みだった。見上げるほどの風車、家の周りに並ぶ野菜(雲南では野菜が大変美味しかった)、池には鯉が泳ぐ。非日常を思わせる、緑溢れた作り物でない美しさが存在していた。ここではとにかく移動が多かったが、あらゆる世界遺産を目にすることが出来た。百聞は一見に如かずとはこのことだ。

最後に向かった上海では、東京を思わせる近代都市であった。そこでは成長している自動車産業について、関係者の方に話を伺った。また、シルク工場の見学をした。西洋風の建物も並んでいた。高さ304.1メートル、88階建ての展望台に登ることも出来た。エスカレータに乗って、9秒で到着してしまうハイテクさに驚嘆した。

この二週間で、中国というひとつの国に、多くの顔を見ることが出来た。文化・伝統に感動を覚える一方、貧富、経済発展、科学技術等の、地域格差も肌で感じた。これらを現地で感じ、帰国してからは考えていこうと思った。研究課題がここで確立された。事物の真の姿は何か、探り見極めること、それを続けてゆくことが重要である。フィールド・スタディは、我々人生の、捨てられぬ踏み台となったと確信する。

PHOTOレポート 

英仏連軍によって焼かれた円明園の廃墟にて

北京大学キャンパスで香港などから留学生達と交流後の記念写真

 

北京大学留学生専用宿泊施設勺園賓館のロビー

広い天安門広場にて

 

万里の長城にて

人気の高い国際政治学者藩先生の特別講座を受ける

 

云南の石林

大理で白族民族衣装を着ている学生と現地の白族少女達と

 

農民の家庭を訪問し、餃子を作る学生

セブ島での市内観光
麗江で8つの少数民族の若い子と記念写真