アメリカ東海岸「フィールド・スタディ (D) 」実施報告
教員による海外フィールドスタディ報告 : 服部圭郎
グラウンド・ゼロでの記念撮影
フィールドスタディは最近、流行りである。多くの大学でキャンパス外の実習を積極的にカリキュラムに導入している。しかし、経済学部で、ゼミ生ではなく通常の学生対象に、一年間で5つものフィールドスタディのプログラムを提供しているのは明治学院大学だけである。これは凄いことである。このフィールドスタディを担当している講師は3名ほどおり、私は年間で2つを担当しているが、なかなかハードであり、行うたびにそうでなくても少ない髪の毛が随分と抜けてしまう気がする(おそらく気だけはあるまい)。
これだけハードなフィールドスタディを何故、明治学院大学の経済学部は提供しているのか。それは、学生達が今まで受け身でしか学習してこなくて、主体的に自らが疑問を持って社会問題などに取り組む姿勢が欠如しているからである。社会に出て、受け身で情報を「消費者」のように常に得られることが出来ると思ったら大間違いであるのだが、そのような問題意識が学生達には欠如している。しかし、フィールドに実際出てしまえば、そこには教科書もテスト問題もない。自分でそのフィールドを分析して、何が問題なのかを考えなくてはならない。ここがフィールドスタディの講義の醍醐味であると私は考えている。そのような意義を理解しているために、私は髪の毛を犠牲にしてでも引率するのである。
今回はワシントンDCのそばにあるメリーランド大学の学生達と共同して8日間ほど研究を行った。学生達は当初は英語での議論、講義に大きく戸惑ったが、メリーランド大学の学生達の献身的な協力により、お互い多くのことを学びあうことができた。学生に与えられた研究テーマは「住宅」、「コミュニティ」、「都市」の3つであった。学生達はワシントンDC周辺にあるプロジェクト事例をともに視察し、多くの考察と議論を行った。最終日には「エアゾーン」という大人が50名ほどは入れる巨大な気球を二つの大学の学生達が共同してつくりあげ、その「エアゾーン」に張り付けたポスターによって研究成果を報告した。その後、ニューヨークに行き、ニューヨークでもハーレム、ウィリアムズバーグといったコミュニティやワールドトレードセンター跡地といった都市再開発プロジェクトに訪れた。また、ブルックリン・カレッジのシャロン・ズーキン教授の講義にもお邪魔させていただくなど有意義な英語づけの2週間を過ごせた。
実施プログラム: 2004年9月3日—9月17日
| 9月3日 (金) |
日本発 ワシントンDC着 |
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| 9月4日 (土) | 終日 | 都市再開発視察(インナーハーバー、フェデラル・ヒル・コミュニティ、リトル・イタリー、グリーク・タウン) |
| 9月5日 (日) | 終日 | アンナーバー視察 |
| 9月6日 (月) | 終日 | ワシントンDCの文化施設 (ダンバートン・オーク、チャイナタウン、ユニオン・ステーション等) 視察 |
| 9月7日 (火) | 終日 | マルガリータ教授によるゲートウェイ地区への視察 |
| 9月8日 (水) | 午前 | 市民参加の視察 |
| 午後 | 東アジアコミュニティのシンポジウム | |
| 9月9日 (木) | 午前 | アメリカの歴史、世界銀行、IMFへの視察 |
| 午後 | 東アジアコミュニティのシンポジウム | |
| 9月10日 (金) | 午前 | コミュニティ視察 |
| 午後 | 東アジアコミュニティのシンポジウム | |
| 9月11日 (土) | 午前 | ワシントンDC発 |
| 午後 | ニューヨーク着 | |
| 9月12日 (日) | 終日 |
休息日。 セントラル・パークを訪問 MOMA、メトロポリタン博物館へ |
| 9月13日 (月) | 終日 | 都市計画局訪問 |
| 9月14日 (火) | 午前 | ニューヨーク大学ブルックリン校にてズーキン教授の講義 |
| 午後 | 街へ出て視察 | |
| 9月15日 (水) | 午前 | ハーレムのコミュニティ・プロジェクト |
| 午後 | ローワーマンハッタンのシリコンアレイ | |
| 9月16日 (木) | ニューヨーク発 | |
| 9月17日 (金) | 日本着 |
PHOTOレポート
初日はお互いを知り合うために、自分達の「家」「コミュニティ」「都市」を説明した。
エアゾーンをメリーランド大学の学生と作成する。
エアゾーンの空気が抜けないようにテープで強化する。
エアゾーンを膨らませて、その中に入る。
最終日にはメリーランド大学の学生達からTシャツをもらって記念撮影する我々。
ニューヨークのハーレムの街を歩いた。朝の光がまぶしい。
グラウンド・ゼロでの記念撮影
ブルックリン橋でイースト・リバーを渡った。
コニー・アイランドの砂浜を歩く我々。
ニューヨークではブルックリン・カレッジで都市社会学の権威シャロン・ズーキン教授の講義に出席した。
ステットン・フェリーからウォール街のスカイスクレーパーを見る。
最終日はニューヨーク・メッツの試合を観に行った。