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北京大学「フィールドスタディー(C)」実施報告

教員による「フィールド・スタディ(C)」報告 : 宋立水 

プログラム終了前夜の記念写真

2007年度の「フィールドスタディC」は、経済学科14名の学生と引率の教員1人で、8月31日~9月14日の15日間で行われた。今年度のプログラムは北京大学との共同運営のもとで、北京、西安、成都、上海などの四つ地域で実施された。北京滞在中、北京大学側から提供された中国経済、政治、企業、文化等諸問題についての特別講座を受け、さらに、国有企業首鋼、外資系の現代自動車、北京郊外の農村、スーパーマーケット・デパート、旧市街区等についての見学・調査を行った。さらに、オリンピック開催とその経済効果についての講座を受けた後、オリンピック主会場「鳥の巣」とその隣接施設の建築現場を見学しました。オリンピック開催による前後10年間に渡る中国経済社会に与える影響についての勉強を通して、オリンピック主催国に対しての意義についてよく理解できたと思う。

西北地方の西安と西南地方の成都の訪問を通して、中国の地方都市経済事情についての理解を深めさせた。西安と成都の経済繁栄及び都市の発展レべルは、予想外のものでした。消費水準については、既に持っていた東西格差のイメージを大きく崩れさせた。学生たちが、北京と西安成都との同類商品(例えば、スーパーを中心とする以外に、マンションなど不動産の平均)価格についての調査を通して、東西間の格差は名目1人当たりGDPで示された数字より大きく下回ることとなる印象を受けた。なお、西安と成都滞在中に、周辺の小さい町と農村を観察する機会もあった。その観察から得た印象を全体的に言えば、東西に地域格差は都会間の実質購買力格差それ程大きくはないが、寧ろ都会と農村間の格差は割合大きいと言う印象でした。ただ、成都で四川省内の農村から出稼ぎにきた女の子達(インタビューの3人は別々の県の出身者)へのインタビューによれば、農村の生活は農業税がなくなって以来、かなり楽になり、都会ほどの物及び娯楽の消費はできないが、生活的には困ることが感じていないそうです。都会への手稼ぎの動機については、農村の両親の生活を助けるよりは、とりあえず大都会に行って見たい、見識を広げたい、自分の為に貯金をしたい、都会での見識を得た将来田舎に戻って中に自分のビジネスもやりたいということは、主な動機だそうである。

なお、西安と成都では、地元の有名大学の教授により、西部開発及び西北地域経済と西南地域経済について講義していただき、とても勉強になったと思う。

深刻な環境問題について、訪問先の各地域では、宣伝活動及び対策を積極的に取り組んでいる印象を強く受けました。人々に話題及び関心事になったことから判断すれば、環境破壊を代価とした経済成長方式についての転換はこれから本格的に始まるではないかと思われる。

上海は中国経済発展の縮図のような存在でした。上海の滞在はただの一日ぐらいでしたが、受けたインパクトは大きかった。二週間の中国現地考察の体験もあったことで、比較視点の中国経済と中国社会についての直感的な認識はある程度が形成し、さらに多くの問題意識も形成できたと考えられる。

なお、北京、西安、成都、上海滞在中、故宮博物館、宜和園、万里の長城、廬溝橋、兵馬俑、大雁塔、樂山大仏、パンダ保護センター、都江堰、三星堆遺跡、武候寺などの世界歴史文化遺産・名所遺跡をも見学しできた。

急速的に経済発展を遂げていた中国社会のも一つの顔、つまり、依然として近代社会との距離を離れている部分も学生達が予行観察していた。それは、近代社会の生活環境で慣れた学生達にとっては、とても違和感を覚えていた。それは、ひとことで言えば、近代社会の秩序ということである。中国は依然、自給自足的な個々の存在をもととした農業社会の価値観から、近代への移行途上であり、その移行は、GDP或いは近代工場の屋敷、近代的な道路、建物のように短期間に建設できることと違い、比較的な長い時間がかかると思う。学生達が共感したもう一つの問題は、中国の都市化の建設は、途上国とのイメージからかなり離れたが、都会部のインフラの整備面を見れば、やはり先進国との格差が大きいということである。例えば、地下鉄などの公共交通機関の未発達による交通渋滞、町の下水処理の遅れによる異臭、道路などの劣化、ゴミ処理管理の不十分などなどは上げられる。

ハードなスケジュールを組んだ15日間の現地考察では、学生達が中国の社会・経済・文化の多様性、複雑性について、様々の体験を通じて理解を深めた。これらの普通の観光旅行では絶対得られない貴重な体験は、学生達には、今後の学生生活にとっても或いは中国社会と経済と文化への理解を深めることにとっても、重要な刺激材料になり、ひいては世界の経済についての理解を深めるための貴重な刺激材料となると信じており、もちろん、学生を引率した我々教員にとっても、様々な刺激を受けながら考えさせられる貴重な機会でもあった。

なみに、中国滞在中の9月10日、中国の教師節(教師の日)に、学生たちからのプレゼントを戴きました。さすがに、学生達の調査の能力の高さに驚きました。彼らはスーパー調査の時に中国の教師節に関する知識(教育者孔子の誕生日を記念し、教育者に尊敬を表すため、1980年代に政府が定めた祭日)を得たそうです。嬉しいと感動を覚えた出来事でした。この場を借りて、学生の皆様に心から感謝の意を申し上げます。

本学部のフィールドスタディでは成都の方々に大変お世話になりました。
2008年5月12日 中国西南部四川省で発生した大地震に際し、被災者の方々に慎んでお見舞い申し上げます。

実施プログラム: 2007年8月31日—9月14日 

8月31日 (金) 午前 14:55成田出発 CA926便
午後 17:30北京到着後 北京大学へ
9月1日 (土) 午前 北京大学始業式 北京大学学生と交流 学内見学
午後 講座:北京について 頤和園見学
9月2日 (日) 午前 特別講座:「中国の政治体制とその改革」
午後 故宮博物館見学 王府井商業エリア見学
9月3日 (月) 午前 太極拳、特別講座「中国の企業改革について」
午後 国有企業を見学、カルフールにて調査
9月4日 (火) 午前 中関村バイオテクノパーク考察
午後 万里長城、明十三陵神道見学、農民家庭訪問
9月5日 (水) 午前 日中戦争記念館考査 文化財廬溝橋見学
午後 外資系企業見学調査 夜、サーカス鑑賞
9月6日 (木) 午前 08年オリンピック進行状況報告
午後 08年北京オリンピック主要会場考察
9月7日 (金) 午前 北京から西安へ移動
午後 博物館見学
9月8日 (土) 午前 世界文化遺産兵馬俑
午後 省政府を訪問調査、「西部経済」について夜に「?唐楽舞」鑑賞
9月9日 (日) 午前 世界文化遺産大雁塔、西安古城見学
午後 西安-成都 (16:35発18:05着CA4202便) 自由調査
9月10日 (月) 午前 成都-樂山、世界文化遺産樂山大仏見学
午後 世界文化遺産凌雲寺見学。樂山-成都へ
9月11日 (火) 午前 成都-広漢、パンダ自然保護区考察
午後 世界文化遺産三星堆考察。広漢-成都へ、夜に「川劇」鑑賞
9月12日 (水) 午前 成都-都江堰、世界文化遺産都江堰を考察
午後 世界文化遺産考査後成都に戻り市内考察
9月13日 (木) 午前 成都から上海へ(09:00発11:30着)
午後 上海浦東開発区考察
9月14日 (金) 午前 上海市内商業施設を考察
午後 15:30出発 CA919便 19:15成田到着・解散
9月21日 (日) レポート提出日 (e-mail添付提出)

学生によるレポート 

PHOTOレポート 

始業式記念写真:北京大学にて

国家博物館前にて

 

竣工直後の国家大劇場にて

懐旧ファションショー、故宮博物館にて

 

農民の家庭料理って旨い

北京から西安へ、約26時間の列車体験

 

長城に行かず、「好漢」にならぬ

世界文化遺産大雁塔にて

 

四川省のパンダ保護センター

四川省三星堆遺跡博物館

 

四川省樂山市:世界文化遺産樂山大仏がここに居る

紀元前の水利施設:世界文化遺産都江堰にて

 

上海浦東で建設中の世界最高の森ビル

成都の飲食店で四川大学日本語学科の学生と知り合う

 

プログラム終了前夜の記念写真