学生による履修報告 : 川島千明
私たちは15日間に渡り、北京、西安、成都、上海と、4つの都市を訪れ、調査しました。この4つの都市はそれぞれ異なった雰囲気をもっており、その背景には、それぞれ異なった歴史や文化があることがわかりました。
まず北京に向かう飛行機の中から感じたことですが、同じ飛行機に乗っていた中国人のひとは、話す声が大きい、と感じました。日本の国内線の飛行機の中だったら、みんな他の人の迷惑にならないように小声で話します。なので、大声で会話をしている中国人に、早速カルチャーショックを受けました。それから、着陸前に立ち上がって荷物をとっていたり、荷物ゲートのすぐ近くで自分の荷物が来るのを待っていたりする姿に、中国人はせっかちな人が多いのかな、と国民性の違いを感じました。
そしていよいよ到着した北京は、先生が以前から言っていた通り、黄砂の影響でほこりっぽい感じがして、のどに異変を感じました。
北京に着いて衝撃を受けたのが、中国の交通ルールです。日本と変わらない大きな道路なのに、信号が絶対的に少ないし、信号があっても厳密に守るわけではありません。それから、すぐにクラクションを鳴らすので、クラクション禁止の道路標識もありましたが、それもあまり守られてはいないようです。歩行者も、赤信号で普通に渡ってしまうし、自動車のドライバーもそれを黙認しています。自動車の車道と歩道の間に、自転車とバイクのための車道があるのにも驚き、さすが自転車の国中国だな、と実感しました。しかし、近代化のためなのか、私が中国に来る前に想像していた、車道が自転車でいっぱい、という光景はあまり見られませんでした。道路を走っている車は、黄砂の影響なのかみんなほこりまみれで異様な感じだったし、上を電線でつながれているバスも、日本では見られない光景でした。中国で見た交通事情は、ずっと日本で生活してきた私には理解できないことも多々ありましたが、中国の人々の中の暗黙の了解で成り立っているようです。
また、大きな道路沿いや繁華街には、吉野屋、IKEA、マクドナルド、ケンタッキー、イトーヨーカドーなど、日本のお店や、日本によくあるお店が多く見られました。この点を見ると、日本の企業がいかに中国に進出しているか、そして中国人が日本人と同じような生活を送っていることがわかります。同じ吉野屋や、ケンタッキーでも、価格設定は日本よりも中国のほうがやや安めでしたが、スターバックスは、日本とほぼ変わらない価格設定でした。日本とかなり物価の異なる中国では、スターバックスの商品はけっこう高いものなのではないでしょうか。町を歩いていて、スターバックスのコーヒーを手に持っている人は、中国人よりも、観光客と思われる白人の人の方が多かった気がします。
飲食店やファーストフードの他にも、トヨタやホンダといった日本の自動車メーカーや、松下電器やパナソニックなどの電器メーカーも至る所で見られました。北京には日本で言う秋葉原のような電気街があって、そこでも日本のメーカーの宣伝広告や、日本のモデルの巨体広告を発見しました。スーパーや、デパートのようなところでは、ドラえもんや、スラムダンク、クレヨンしんちゃん、ジブリ映画などの日本のアニメのビデオやDVD、伊藤由奈、YUI、安室奈美恵など日本人歌手のCDや、Ray、ViVi、minaなど日本の女性ファッション雑誌も数多く見られました。このどれもが、日本よりも価格設定は安く販売されていました。しかし、イトーヨーカドーで販売されていたドラえもんやポケットモンスターなどのビデオは、パッケージの絵が本物ではなく、イトーヨーカドーのような大手スーパーでもニセモノが販売されていることに驚きました。そして、中国では、ニセモノ商品がとても身近なものとなっていることを改めて実感しました。
今の北京は2008年の北京オリンピックムード一色で、あらゆるところにオリンピックグッズや、オリンピックをカウントダウンする掲示板がありました。この2008年に行なわれる北京オリンピックに向けて、今北京では様々な改革が行なわれており、このオリンピックが莫大な影響を与えることは間違いありません。オリンピック開催地では、オリンピック開催前7年と、開催後3年の、計10年間近く影響が続くといわれています。たった16日間のオリンピックのために、とても大きな影響が及ぶのです。悪い影響としては、大気汚染や水質汚染などの環境問題や、交通渋滞などの問題です。北京では、オリンピック開催による大気汚染防止のために、自動車の規制を試験的に実施しました。自動車のナンバープレートの偶数車と奇数車を交互に規制し、4日間で150万台近くを規制することに成功しました。しかしこの規制を実施することはないそうです。一方、良い影響としては、北京オリンピックに向けて町並みをきれいにしたり、道路を舗装したりと、環境を改善する政策が行なわれることです。また、中国の人口はとても多く、北京市内からだけでもかなり多くの人々がオリンピックを見に来て席が満席になることが予想されるので、赤字になることはありません。むしろ大きな黒字になり、北京市に大きな経済効果をあたえることは明確なので、これは北京市にとって大きな利点となります。
次に訪れた西安は、かつて長安と呼ばれ、全国の政治、経済、文化の中心であった都市です。西安に到着したとき、北京よりも寒いと感じました。町の印象は、北京よりも田舎という感じがして、ホームレスのような人も多い気がしたので、少し怖い感じもしましたが、西安の人は北京の人よりも愛想が良い感じで親切だし、英語が通じるので好印象でした。そして食事も美味しかったので私は好きです。
西安といえば、兵馬俑が有名です。西安の兵馬俑は最も有名な兵馬俑で、秦の始皇帝の陵墓の周辺に埋納されたもので、世界遺産に指定されています。そんな兵馬俑を実際見てみると、すごい迫力で、すごい数の兵士と馬に圧倒されてしまいました。こんな数の兵士が皇帝のお墓を守っていると思うと、本当に皇帝というのは偉大な存在だったのだな、と改めて感じます。しかも、あれらの兵士の俑にはどれ一つとして同じ顔がないことや、かつて秦の敵国が存在した東方を向いて置かれていたことを思うと、素晴らしいというか、怖いくらいです。あの数だけでも十分すごいのに、あれはまだほんの一部で、まだ掘り起こされていない兵馬俑がたくさんあると聞きました。掘り起こしてしまうと、どんどん変色したり、劣化したりしてしまうので、完璧な保存技術が確立されるまでは掘り起こさないそうです。はやく完璧な保存技術が確立されて、もっとたくさんの、もっと迫力のある兵馬俑を見られる日が来るといいな、と思います。
次に訪れた成都は、四川省にある、パンダのふるさととして知られる都市です。成都大熊猫繁育研究基地には、保育器に入った赤ちゃんパンダや、パンダの幼稚園、大人のパンダなどたくさんのパンダがいました。木登りが得意だと調べたとおり、パンダはみんな木の上にいたし、1日16時間寝る、というのも納得できるくらい、みんなずっと寝ていました。木を登るのはとてもすばやくて器用に登っていたのに、木を降りるときはすごく動きがゆっくりで、ぎこちない感じで、本当に木から降りるのは苦手なのだな、と実感しました。こんなのんびりした感じのパンダですが、飼育員の人がいると、飼育員の方へ近寄っていく姿を見て、意外とパンダが賢いことを知りました。基地にいたパンダはみんな、とてもかわいかったです。ずっと楽しみにしていたパンダを見られて、大満足でした。
最後に訪れた上海は、とても都会的で、全然中国にいる感じがしませんでした。上海のシンボルともなっている、アジア一高いテレビタワーや、日本の会社が建設している森ビルなど、東京よりもはるかに高い高層ビルが立ち並んでいました。上海は、地震が起きないから、ガラス張りの超高層ビルが建てられるのです。それから、なんと言っても上海の夜景は本当に綺麗でした。ライトアップされたテレビタワーやビル群、フランス風の建物などすべてがキラキラしていて、素晴らしい景色でした。新天地といわれる所では、欧米風の飲食店に、白人のお客さんがたくさんいて、中国にいるということを忘れてしまう程でした。
今回の中国の旅で驚いたことの一つに、中国はとても環境に配慮していることがあります。私は、実際に中国に来る前は、中国は環境にも気を使わないし、大量の車やバイクのせいで空気が黒く見えるくらい汚いのではないか、というイメージを持っていました。しかし実際は、車の排気ガスの面でも、中国人が乗っているバイクはみんな電気で動く充電式で、ガソリンを使わないから排気ガスが出ないため、大気汚染防止になっていました。実際、走っているバイクを見ても排気ガスは出ていなかったし、空気もきれいで、むしろ日本よりも環境に気を使っているのではないかと思うくらいでした。排気ガスのほかにも、最初は少し驚きましたが、ホテルのシーツやタオルを毎日洗わないことも、環境への配慮として素晴らしいことだと思います。
実際中国に行ってみて、中国の雰囲気、生活、水、空気、食事、言葉、テレビ番組、歴史など様々なことを経験し、感じることができました。とても濃い、有意義な15日間を送ることができて、とても良かったと思います。この経験を、これからの大学生活のなかでも生かしていけたらいいな、と思います。