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台湾プログラム海外フィールドスタディー実施報告

教員による海外フィールドスタディ報告 : 西原博之 

海外フィールドスタディの参加者は、国際経営学科2年生の6名であった。一行は2月21日に成田より台湾へ渡航、台北国際空港に到着してリムジンバスで移動し、昨年開通した台湾新幹線に乗り継いで古都・台南に3日間滞在した。4日目は工業港湾都市である高雄を経由して台北に向かい、台湾師範大学国語教学センターの宿舎に滞在、3月5日に帰国した。

今回のフィールドスタディの主な目的は、台湾・華人経済圏の経済・経営環境、その背景となる文化、人々の価値観を理解することである。

旅程では、台湾最大の食品メーカーの統一企業公司(プレジデント)社。その関係会社であり、宅急便、セブンイレブン、スターバックスコーヒーなど、外資系企業と提携し、主としてサービス業を展開する統一超商公司など、現地企業を訪れた。他方、高雄では台湾最大級のショッピングモール「夢時代」に進出した日系企業を数社訪問、台北ではSOGO百貨店のデパ地下にあるスーパーの日本直輸入青果コーナー、野村総合研究所、台湾で鉄道車両を生産している台湾車輛公司を訪問し、企業幹部や現場の担当者らに台湾の政治経済やビジネス活動にまつわる話をうかがった。そこでは、日系企業の多くが台湾を重要な拠点として認識していることが理解できた。

台湾の消費者は概して「ニッポン」ブランドへの信頼が厚く、農産物を含め、日本製や日本産に対する信頼は高いだけでなく、多くの台湾人は、世代に係わらず日本人への親近感を持っているといわれる。今回のフィールドスタディにおいて、台南にある南台科技大学の社会人学生、台北の師範大学、東呉大学の教職員、学生バディとの交流を通じてそれを実感することができた。

なお、今回のフィールドスタディでは、ハードなスケジュールが連日続いたものの、台湾での飲食は、フルーツなども含め、B級グルメをうならせる美味しいものが少なくなかったことから、心身ともに充実した2週間を送ることができた。

実施プログラム: 2008年2月21日—3月5日 

2月21日 (木) 午前 14:00 成田空港出発(BR2197)〈エバーエアライン〉
午後 17:00 台北国際空港(桃園)到着-(リムジンバス)-高速鉄道桃園駅(新幹線)-高速鉄道台南駅着 
2月22日 (金) 午前 台湾食品メーカー、統一企業公司訪問
午後 台湾南部サイエンスパーク、園内展示、考古学博物館参観、台湾ランタンフェスティバル見学
2月23日 (土) 午前 奇美実業(CHIMEI)・博物館訪問
午後 南台科技大学訪問、学生との交流。安平埠頭、徳記洋行跡等見学
植民地時代建物見学、赤嵌楼近郊の夜市散策
2月24日 (日) 午前 台南-高雄へ移動
ショッピングモール、「夢時代」見学。モール内日系進出企業、北海道百貨、ニトリなど訪問
午後 高速鉄道台南駅発-高速鉄道台北着(新幹線)
台北、師範大学宿舎到着
2月25日 (月) 午前 中国語講座(1)
開始式
関連資料配布、師大スタッフ、学生(バ゙ディ)の紹介
午後 師大スタッフ、バ゙ディによるキャンパス、施設、生活環境、付近案内
2月26日 (火) 午前 中国語講座(2)
午後 講義「華人ビジネスと風水思想」
2月27日 (水) 午前 中国語講座(3)
故宮博物院見学。東呉大学訪問
午後 東呉大学学生と交流
講義「総統選挙直前の台湾の現状とその課題」士林夜市見学
2月28日 (木) 午前 自由行動(木柵動物園)
午後 太平洋SOGO百貨店デパ地下訪問
日本直輸入青果販売現場見学(台北東区頂好市場)
2月29日 (金) 午前 中国語講座(4)
鼎泰豊(ディンタイフォン)訪問、中華点心(小籠包)作り実習
午後 統一超商公司(スターバックス、宅急便、セブンイレブン、楽天外資提携企業)訪問
3月1日 (土) 午前 自由行動
午後 自由行動
3月2日 (日) 午前 自由行動(九イ分)
午後 自由行動
3月3日 (日) 午前 中国語講座(5)
午後 野村総合研究所・台北支店訪問。IT市場(光華商場)参観
3月4日 (火) 午前 中国語講座(6)
台湾鉄道台北駅-新豊駅
午後 台湾車輌公司 鉄道車両製造現場見学(新豊)
3月5日 (水) 午前 中国語講台湾師範大学修了式
師範大学出発-桃園
午後 台北国際空港発15:00-19:00(BR2196)
<エバーエアライン>成田着、解散

学生による履修報告 

台湾は、日本にとって距離的に『近い』だけでなく、文化や他の面においても『近い』のである。約4時間あれば台湾に行くことができるし、帰りは偏西風にのって3時間ほどで日本に着いてしまう。 また、かつての台湾が日本の統治下にあったことは周知の事実であるが、その当時の日本が台湾に対して過酷な行いを強いた面もあった一方、インフラ整備や教育など台湾近代化の礎づくりに尽くしたという一面もあって、台湾の人々は親日的だ。特に日本が大好きな若い世代は『哈日族(ハーズーツゥ)』と呼ばれ、街をゆく若者の格好は日本のそれと変わらない。周りを見渡せば日本語で書かれた看板が数多く見かけるし、店に入ると日本語で話しかけてくれる店員もいる。コンビニでは日本でお馴染みのお菓子や飲み物がそのままのパッケージで売られていたり、雑誌コーナーにはCanCamやViviなどのファッション雑誌が置かれていたりと、まさに日本のパラレルワールドといった感じだ。

しかしそうは言っても、そこにはちゃんと台湾らしさがあって、不思議な感覚をおぼえる。その代表とも言えるのが夜市(ナイトマーケット)である。屋台や食堂、洋服・アクセサリーショップ、果てはドラッグストアなど、欲しいものは何でも揃う場所なのだが、夜になると活気にあふれ、アジア独特のエキゾチックな雰囲気に包まれる。

歴史的な背景から台湾は中国と似たようなところだと思っていたが、決してそうではないことが、現地で二週間を過ごして感じることができた。

企業訪問で訪れた野村総合研究所では、台湾の政治経済について教えていただき、台湾をマクロ的な観点で捉えることができた。近年、台湾経済は長期にわたり安定的な成長を続けているという。世界に誇る半導体やLCDなどの情報電子工業が台湾経済を支えているからだ。2006年の経済成長率は5%弱で、経済規模は世界第22位の位置にある。しかし、その成長率を実感している人は少ないという。力のある企業が次々と海外へ進出し、“産業の空洞化”が進み、国内でうまくお金が回っていないのだそうだ。今後、台湾は半導体やLCDに続く新たな産業を発達することが求められるという。

地球温暖化が世界規模で危惧される中、台湾では環境ビジネスとして注目される太陽電池産業も成長し、日本を追随している。また、他の法整備や政策などにおいても、多くの面において日本で導入を検討、実施されていることが、台湾でも注目されているという。

二週間の滞在を通して、多くの人々や様々な文化に触れ、台湾を理解するだけでなく、台湾にとっての日本を知る貴重な機会となり、そして日本人としての責任を痛感するきっかけとなった。

PHOTOレポート 

台湾食品業界大手・統一企業公司にて

台南のランタンフェスティバルにて、ランタン数は世界最大規模といわれる

 

南台科技大学の荘勝雄先生と、高雄・「夢時代」ショッピングモールにて

台湾師範大学国語教学センターでの中国語の授業風景

 

通称「台湾の渋谷」、台北・西門町の街並み

故宮博物院は多くの中国歴史文化に触れることができた

 

東呉大学の学生と、台湾の政治問題などについて議論

太平洋SOGOにて、デバ地下で日本直輸入青果の評判などをうかがった

 

「千と千尋の神隠し」のモデルにもなった場所、台湾北部の九イ分

台湾車輌公司にて、完成したばかりの車内を見学

 

修了式の後、台湾師範大学の学生と一緒に

海外フィールドスタディの最終日、航空会社の待合コーナーにて