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北京大学「フィールドスタディー(C)中国現地報告」実施報告

教員による海外フィールドスタディ報告 : 宋立水 

北京オリンピック主会場見学

2009年度フィールドスタディc実施報告

1、フィールドスタディcの狙い

ローバル化による国際的な相互依存環境下にある経済社会で発生する様々な複合的経済問題の起源、変遷、特質と解決必要性を多層的多元的に理解し、それらの解決に対して主体的に関与できる人材を養成することは、今日の大学教育に対する社会的要請である。

それを答えるために、伝統的経済学の積み上げ方式による体系的教育方法を見直して、体験学習を重視し、現場志向、リアリティー志向に基づく問題発見と問題解決模索を目指した経済学教育を行い、理論的論証に偏った知識の詰め込み教育とは異なる新たな教育方法を導入する必要があると考える。フィールドスタディ(現場観察、現地研究)科目は、このような背景も下で、2002年から導入した。フィールドスタディ科目の設立は、現場での問題発見、現場での問題意識、現場での問題構築、現場での仮説構築などを通して、学生たちの問題検証・仮説検証のための経済学理論への追求動機を刺激し、経済学理論学習の効果を高めることを期待したい。

フィールドスタディcは経済学部と北京大学との間の協定により、北京大学と共同運営する教育科目として2002年からスタート。履修して成績合格と判断される学生は、2単位を取ると同時に、北京大学側から教育プログラム修フィールドスタディcプログラムの内容は、毎年変わるが、プログラムの三つの構成要素は一貫して変わらない。その三つの要素とは、中国の政治、文化、経済の中心とする北京での考察、自然環境及び文化と経済が多様で、発達した北京・上海など沿海大都会と異なる様相の内陸地域(考察地域は年毎に異なる)での考察調査、経済と文化の国際化の度合いの高い上海及びその周辺地域での考察調査。このような構成によって、学生たちに、できるだけ多様性的な中国についての理解を深めさせていきたい。

2、2009年のプログラム実施内容

2009年度のプログラムは北京―安徽省(屯渓)―江蘇省(無錫)―上海という構成で、二週間の日程です。プログラムには、各地の工場と農村調査及びマーケート考察の他に、歴史文化遺産の見学と大学生との交流を含まれていた。

地域間格差、都会農村間格差については、中国社会の大きな課題となっていたことにつては、よく知られている。その実態を考察するために、内陸の安徽省から経済が豊な江蘇省への移動は、約10時間をかかってバスで行うプログラムを作った。山々を通る長い道で皆さんは大変疲れたが、車窓から目に入った美しい自然風景に点在した村々の民家の殆ど(9割ほど)は、意外に新築または建築中の三階建てか、二階建ての別荘のような奇麗な建物ばかりで、驚きました。名目所得上の地域間格差と都会農村間の格差が統計的に見れば依然高いとは言えるがで、内陸農村の経済実態として、もはや貧困貧という表現では、もう適切ではないかと言う印象を強烈に残した。

今回調査した北京、安徽省、江蘇省の三箇所の村が、それぞれの特徴はあるが、豊な村であることは共通であった。そして、その豊かになった要因は、農業の上に、観光業か、または製造業、あるいは建築業の発展によることがよくわかった。農業の生産性は比較的に低いため、農村の所得向上は農業以外の生産性高い産業の発展を必要とすることが、学生たちはよく理解できた。北京郊外の韓河村の場合は、村の人々は当時、共産党中央の指示に抵抗し、人民公社の解体をさせずに、市場経済の波に乗って、公社を企業に変身し、農業の集約化、機械化、専業化を実現する他方、製造業と建築業を興して成功し、村全員の定年養老、育児教育の無料化、住宅の別荘化を実現した。安徽省と江蘇省の二つの村が、水に囲まれたため、1000年以上の歴史風貌を保つことができた。村の住民は、歴史という資源の価値を利用し、住みながら観光産業の振興を通して、豊かさを手に入れ、歴史文化と現代文明を融合させた。上記の三つの村は社会経済学的に観察し調査する価値が非常に高い事例だと考えられる。学生たちがとても刺激された調査となったと感想を述べて、現代の中国経済の理解を深めるには長い歴史背景もさらに知る必要があることと痛感しています。

新型インフルエンザ流行懸念で、予定された半導体関係の工場1社(太陽電池製品で世界第3位のサンテック)と食品工場(燕京ビール)1社の調査は、出発前に中止となったが、北京大学側の調整によって鉄鋼工場などを含めた工場調査は実現でき、中国の製造業の現状についての理解を深めた。特に、太陽電池産業で世界第3位のサンテックの調査ができなかったが、北京ある薄膜太陽電池製造工場の調査はとても印象に残りした。環境保護対策及び省エネルギーに関しての各々の工場の積極的な取り組みと経済危機の中での中国政府によるこれらの新規産業への政策支援などの実態を、調査でよくわかりました。

現地考察の期間中、訪問地域の世界文化遺産とか中国の歴史遺跡名所の見学もでき,現地の人との交流も出来たことによって、経済事情だけではなく、中国の社会と広く直接に接したりすることが出来て、とても良い経験をし、さまざまな刺激を受けられた。二週間のフィールドは「自分の大学生活と人生にとてもためになった」ということは、参加者皆さんの共通の感想です。

(文責:引率教員宋立水)

実施プログラム: 2009年8月31日—9月11日 

8月31日 (月) 午前 成田空港 14:55-17:30(CA926)(13:00空港集合)
午後 北京大学19:30着
9月1日 (木) 午前 始業式
北京大学生案内により大学見学
午後 学生の案内で近くの世界文化財宜和園、円明園を見学
9月2日 (金) 午前 日中戦争記念館見学、文化財廬溝橋見学
午後 オリンピック関連施設見学
9月3日 (土) 午前 企業調査見学(北京太陽電池製造企業)
午後 明清繁華街前門見学、故宮博物館見学、王府井商業街見学
9月4日 (日) 午前 企業訪問(北京現代自動車公司、北京燕京ビール工場)
午後 中関村市場調査
9月5日 (月) 午前 世界文化遺産「万里長城」を見学
午後 798芸術区見学(注目されている現代文化芸術の発信地)
9月6日 (火) 午前 世界文化遺産宏村調査見学
午後 世界文化遺産宏村調査見学
9月7日 (水) 午前 世界文化と自然遺産黄山見学
午後 世界文化と自然遺産黄山見学
9月8日 (木) 午前 明清時代から続いている屯渓旧市街を見学調査
午後 歴史のある徽墨製造工場見学
屯渓から江蘇省無錫市へ移動
9月9日 (金) 午前 無錫市内にある世界第三位の太陽電池製造工場見学
無錫から上海移動
午後 農村の調査
9月10日 (土) 午前 上海市内南京路市場調査、上海博物館見学
午後 旧フランス租界見学、日系商業施設伊勢丹調査、上海夜景
9月11日 (日) 午前 上海証券取引所、浦東金融区見学
午後 午後の便で浦東空港から成田へ(17:00前後到着便の予定)

学生によるレポート 

PHOTOレポート 

北京オリンピック主会場見学

世界自然文化遺産ー黄山(飛来石前)

 

世界記録誕生のコース前

らん江南の江蘇省にある千年村

 

工場調査1

工場視察2

 

安徽省南部の山区にある農民の新しい家が道路の両側に点在

安徽省の山村にある古い家とその隣の新築

 

安徽省の古い山村

安徽省にある千年歴史の村