学生による履修報告 1
フィールド・スタディを終えて感じたこと
今まで海外に一度も行ったことがなかったので、フィールド・スタディを利用して海外に行ってみよう。そういう理由で私はフィールド・スタディに参加することを決めました。しかし、場所が中国だったということもあり、はじめはあまり気が進みませんでした。なぜなら、北京オリンピックの前くらいから、日本では中国のイメージを下げるような報道が多くなり、そのほかにも、冷凍食品問題の報道の影響もあって私自身、中国に対してあまり良い印象を持っていなかったからです。
しかし、実際に中国を訪れてみると、確かに交通マナーの悪さなど良くない点も目に付きますが、それ以上に中国という国が、今まさに急成長し続けているのだということをさまざまな場面で実感しました。北京や上海のような中心的な都市では、人々が行き交い、人々の活気に溢れ、日本にはない、中国人の力を感じました。また、現在も地下鉄や高速道路などの建設が進んでいたり、街のいたるところでも建設中の建物を見ることができ、今世界中で叫ばれている金融危機の影響などまったく受けていないかのようでした。なかでも最終日に、ビルから眺めた上海の景色はとても印象的で、私の想像をはるかにしのぐ高層ビルの多さに、上海は今世界中で一番発展しているのではないかと、思ってしまうほどでした。また、このような高層ビルが建ち始めたのは90年以降だと聞き、その成長のスピードの速さにさらに驚きました。来年開催の万博に向けた建設もあちこちで進んでいて、上海のこれからがとても楽しみです。
企業見学で訪れた真空技術の会社では、中国の技術力の高さを実感するとともに、得意分野を活かした製品開発や、日本など、他国の良いものはしっかり取り入れるスタイルや、これからの世界を見据え、ニーズに合ったエコな太陽電池の開発を進めている点など、この企業の良い点から企業が成功するためのヒントを学ぶことができ、とても良い刺激になりました。
韓村河では、まずその大きさに圧倒されました。国営の農村という日本にはないものなので、農村がどんどん大きくなっていくプロセスや、農村としてしっかりと成功を収め、村民の一生涯の生活が保障されている点など、日本も学ぶべきところがたくさんあると思いました。
このように実際に中国の各地を訪れ、中国の発展をまのあたりにして私が感じたのは、中国はしっかりと国がおかれている現状を理解し、自分たちになにが足りないのかを考え、それをふまえて世界に目を向け、世界の良いところを見つけそれを国内で取り入れていて、そして自分たちがもともと持っている良いところと、外国から学んだ良いところをうまく合わせるということで、より良いものが生まれるのだと感じました。この柔軟な中国の政策こそが、現在の中国の急成長へと繋がっているのだと思いました。
これに対し日本は、先進国としての自分たちのやり方に変なプライドを持ち、メディアは最初に述べたように、中国の良くないところばかり報道し、私たちがフィールド・スタディを通じて感じたような、リアルな中国の現状は伝えようとしません。このまま現実を見ようとせず、中国の揚げ足を取るようなことばかり続けていては、気づいたときには、その足はもう手の届かないほど高いところに行ってしまって、私たち日本は取り残されてしまうのではないかと思いました。日本も今までのように自分たちのやり方に固執するのではなく、中国のように柔軟な考え方で、世界を見つめ直し、中国を始めとする他国の良いところはしっかりと認め、それを国の政策へと反映し、中国のような不況に負けない国づくりをしてほしいと思いました。
もう一つ、フィールド・スタディで深く印象に残ったのは、日中戦争記念館を訪れたことです。日中戦争のきっかけとなった盧溝橋事件について、日本で歴史の授業で教えられた内容と、今回日中戦争記念館で教わったことが違ったことに驚きました。もし、中国側の言い分が正しいのなら、日本はしっかりと誤りを認め、教科書の内容を訂正するべきだと思いました。そして、かつて同じ日本人が、中国人に対して行なった卑劣な行為の数々にとても悲しい気持ちになりました。靖国神社参拝についても、日本軍が中国で行なったことを考えると、やはり問題があるなと改めて思いました。私たちが二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、過去の悲しい歴史から目をそむけることなく、事実として心に刻み、今ある友好的な関係を幸せに思い、その関係がこれからもずっと続き、さらに良い関係を築いていってほしいです。そのために何か私にできることがあれば積極的に取り組みたいと思います。また今回、万里の長城や故宮、頤和園、黄山や宏村などの古い村といった、中国の歴史的な美しい場所をたくさん見学しましたが、そのような貴重な建造物や文化財が、おろかな戦争のせいで失われなくて本当に良かったと思うとともに、平和の大切さも再認識しました。
このように今回のフィールド・スタディで私は、日本にいるだけでは決して経験することのできない貴重な経験をたくさんすることができました。それはこれから先の私の人生にとって、確実にプラスになることだと思うので、本当に今回フィールド・スタディに参加できて良かったと心から思っています。何にも代えられない素敵な経験をさせていただいて、本当にありがとうございました。