学生による履修報告 1
学生レポート 1
まず北京について振り返っていきたい。フィールドスタディの最初のプログラムは北京大学との交流で、むこうの学生による案内で北京大学を見て回った。北京大学はとても広く校内にはたくさんの観光客がいた。子供を連れた家族が多くいたがこれは子供を北京大学に連れてきて実際に見せることによって受験に対するモチベーションを高めさせることが目的だという話を聞いた。また私たちの班のパートナーは英語、日本語がとても堪能で学力の差を痛感した。ただ自由時間などで街に出るとお店の店員さんなどに基本的な英語が通じないことが多々あり、中国国内には大きな教育格差があると身を持って知ることが出来た。3日目の北京大学の先生による日中関係の講座では今の若い世代の人たちは上の世代に比べると互いに友好的な関係を築けているということを聞き、日中関係の将来は明るいものなのだと少し安心した。中国は反日感情が強いと日本人のほとんどが思っていると思うが今回の12日間で反日を感じることは一度も無かったし強い反日感情を抱いている人は中国人のほんの一部なのだと思った。日本で過ごしていると中国人=反日と思ってしまいがちだがそれは間違いでもっと広い目で物事を見ることが必要だと感じた。
天津のスマートシティの視察では博物館に行き中国の経済開発の状況を学んだ。スマートシティは2020年までの完成を目指しているらしい。博物館のミニチュアの完成後の街はかなり発展しているきれいな街並みであり現在の天津とは少し差があったが中国の経済発展能力を考えれば2020年までの完成は可能なはずだ。ぜひ完成後にまた一度訪れてみたい場所である。天津への行きと帰りは激しい渋滞に巻き込まれた。車線は日本よりも多いのにあれほどの渋滞が起こるのはやはり交通量自体が日本よりも多いからなのか疑問に思った。
日中戦争の記念館では日本の行ないについて反省させられた。今まで歴史の勉強で日中戦争について勉強したことはあったが表面的なことでここまで深く学んだことはなかったので被害の実情や真実を知れて良かったと思う。
北京現代の自動車工場の見学では事細かな説明を受けることができ大変勉強になった。そこの工場では従業員が9000人いてそのうちの100人は韓国人であり、それぞれがベルトコンベアの流れ作業のなかで与えられた仕事をこなしていた。身長によって仕事場が変わることもあるというのは驚きだった。現在は一時間に66台の車が完成されているがさらなる生産の増大を目指していると聞いた。
次の成都で最も印象に残ったのは伊勢丹の松元さんのお話だ。日本での出店の仕方の違いや中国人の社員に対する教育の問題点、今後の課題について詳しく教わった。中国経済の発展に伴って給料も高騰し約15%も上昇しているというのは今後の経営にも響いてくる問題だ。海外で日本企業が闘うには日本の「強み」と「弱み」を知った上で柔軟にマーケットと向き合うことが必要と言っていたことが大変印象的だった。また教室で学んだことや人の話を鵜呑みにしないで自分で直接感じたことを大切にすることが重要ということを聞いたが、それこそ、このフィールドスタディで感じたことを大切にしたいと思った。イトーヨーカ堂にも行ったが伊勢丹よりもかなり多くのお客さんがいて中国での成功の様子が伺えた。
私は事例研究で四川大地震について調べていたので四川地震の跡地に行けたことも良かった。事例研究で調べた内容ではおおむね四川は見事な復興を遂げたということだったが実際にはまだまだ地震の傷跡が残っていた。特に地震で半壊した橋やがれきで埋もれた道を見ていかに四川大地震が強力なものであったかが伺えた。現地の人に四川の以前の写真を見していただき目の前の光景と見比べたが写真の様子とはまったく違う光景が広がっていて本当に衝撃的だった。また四川の人々は日本人とは違い地震というものの存在を知らなかったため、大地震がきたときは世界の終わりだと思い自ら命を絶った人も多数いたらしい。現地に行かなければ四川は見事な復興を遂げたということで理解を終えていたと思う。実際には大きな傷跡がまだ残っている状態であるし、こういった現状を知れたことは良かった。
最後の上海は高層ビルが多く建ち並び大変きれいな街並みであった。日本でいう銀座のような通りもあったのだが大通りを一本外れると古い建物が並んでいたりしてまだまだ発展途上の国なのだなと感じた。ジェトロの訪問では対中国貿易についてお話を伺った。中国の成長率は急激でやはり世界においても重要なポジションに位置しているし、日本も中国との関係を重視していくべきであると思う。ただ中国の偽装品といった貿易においての問題点が多々あることも事実だ。この問題点を乗り越えていければますます日中間の貿易は双方に利益のあるものになっていくはずだ。
この約2週間を日本とはまったく違う環境、文化のなかで過ごすというのは一生に一度あるかないかの経験である。交通や食事など日本とは違うということで苦労した面もあったがそれを含め自分の考えを広げることができたフィールドスタディであった。また世界遺産の万里の長城や故宮のスケールの大きさには本当に驚いた。これらで見た数々の光景はこの先忘れることはないだろう。この2週間の経験は一生の財産になったし、この中国で学んだ知識や経験をこれからの人生で活かしていければいいと思う。