学生による履修報告 3

 

学生レポート 3 

 フィールドスタディにおける最大の収穫は「自分の意識の低さ」に気がつくことが出来たことである。まず、最初にそれを感じたのが、北京大学の学生との交流である。彼らと交流する上で、自分に足りないものが徐々に見えてきた。まずは英語力不足を含むコミュニケーション不足。つぎに自分の知識の狭さ。自国の日本のことにでさえ知らないことが多く、改善する必要性を強く感じた。
 コミュニケーション能力については自分の考えを相手に伝えることに関しては、意識して日々行っているつもりでいた。しかし、自分の考えを持つということはその問題を深く理解し、それに対して自分の知識を背景にしている必要がある。僕が日々行っていたのは薄っぺらな知識をもとにしたその場での意見に過ぎない。などと北京大学の学生と話していることで考えさせられた。このことはぜひゼミのディスカッションに活かしていきたい。
 北京大学という外国の優秀な学生と交流することが出来たことは自分の周りの世界を広げるきっかけになれた。

 中国には自分が考えていた常識が通用せず、納得しがたいことがたくさん存在した。
 その中で、日本との様々な違いを実感することが出来た。
 分りやすいところで言えば、食文化の違い。特にみんなも苦しんだであろう北京での食事は、味付けが濃く、脂っこいものであった。北京の後半からは体調を崩す人が続出した。
 さらに露店ではサソリやムカデなどのいわゆる「ゲテモノ」系の食べ物もあった。
 運転の荒さも気になったところである。僕が見たところ、中国では少しでも早く進むために車線をこまめに変更していた。天津に向かう道ではそのせいで一車線内に2台の車が入ったりしており、乗っていて不安で、効率も悪く感じた。その他に接客の態度など細かいものは多く存在した。
 しかし、観察していて文化の違いや、疑問を感じたところまではよかったが、僕はこのフィールドスタディで大切なことを見落としていることに気がついた。
 後半に先生に言われて気がついたのだが、それがなぜ異なっているのかというのを考えてはいなかったのである。フィールドスタディに行く際に、自分の中で周りをよく見て、自分の中で疑問を持つように心がけてはいたものの、疑問だけ残して理解しようとしていなかったのである。
 これはフィールドスタディだけでなく日常で実践していくことで自分を鍛え、自分の可能性を広げられるのであろう。
 そういった意味合いで「自分の意識の低さ」と向き合うことが出来た。このことは自分のこれからの人生の役に立てていきたい。
 実際に中国に行ってみて、僕たちが学んだ中国の現状を実際に見ることができ、さらに新しい発見にも出会えた。
 まず、嫌でも目に入るのは貧困層の人々である。乞食やものごい、観光地近くの物売りの数は数え切れないほどのものであった。彼らの一部でも中国の人口に含まれていないのであれば、実際の人口は12億どころではなく莫大な数になってくる。そのような人々がいることは知ってはいたがこれほどの数とは思わなかった。
 またそのような人々がいる一方で富裕層と言われる人々も存在するようだ。話を伺った伊勢丹にもVIPルームなどがあり、その存在を感じられた。

 その影響で中国の市場では水一つを見ても値段には大きな差があった、中国のミネラルウォーターは2元ほどで売っていたのに対し、エビアンなどは15元で販売されていた。
 同じ水で約8倍もの値段の差は日本では考えにくいものである。また、この安い物価の中で、サーティーワンアイスクリームやスターバックスコーヒなどが日本で販売している値段とほぼ同額で営業されていることに驚いた。
 伊勢丹の松本さんの話では中国のマーケットは両極端で中間層が少ないという話を伺ったが、まさにその断片をみたように上の2つの店はその高い値段にかかわらず大変混み合っていた。
 また、格差という面では教育の格差もやはり非常に大きいようだ。中国に行く前には若い人の大体は英語を話せるなどと聞いていたが、いざお店などで話してみても全く伝わらず、ひどい時には理解できずに笑われる始末であった。もちろん僕たちは中国の一部しか見てはいないが、北京大学の学生と比べてしまうとその格差は明らかに存在している。

 道路の混雑のため天津は今回あまりゆっくりと見ることは出来なかったが、バスの中から見ているぶんには田舎町で、「スラム街」のようなところも存在していた。僕は世界有数のエコシティを目指していると聞いていたのでそのギャップは大きいものであった。
 その後、スマートシティの完成形の模型を見たが、現在の状況から見てとても2020年までに完成するとは思えないものであった。
 実際に訪れて、天津が目指す理想と現実のギャップもとても大きいように見受けられた。

 今回フィールドスタディで中国へ行き様々な場所を訪れた。万里の長城や天安門、その他の城はどれをとっても広大なものでスケールの違いを体感した。それはおそらく全てのことに言えることで北京市という一つの都市を見ても様々な場所や人、文化が混在している。そのため一部の事実や情報に踊らされることなく、全体から冷静に見ていくことの重要性を今回の旅で学ぶことが出来た。

 今回のフィールドスタディではお世話になりました。これからのゼミでもよろしくお願いします。