学生による履修報告 4
学生レポート 4
はじめに
私は第二外国語として中国語を学ぶようになってから、様々な面において中国という国に惹かれ始めた。地理上近くに位置することもあり、人種的には我々日本人に一番近いように思うが、国としては政治体制も異なれば経済、文化、人々の性格も異なる。こんな身近なようで身近でない国はあるだろうか。そこで言語だけでなく、中国を含む東アジア経済について学ぶことを決めた私は、ゼミに入り今回中国へとフィールドスタディに行くに至った。3年前に観光で北京に訪れた時とは違い、今回はフィールドスタディとして中国の4都市を回るにあたり、主に中国の物価について焦点を当て調査することにした。以下、調査内容および調査結果、感想を述べることとする。
調査内容および調査結果
中国には地域格差が存在するということは知っていたが、漠然と格差と言ってもどのようなものなのか深く考えたことはなかったので具体的にどのように格差が表面上に表れているのかを観察した。北京大学の学生と交流した際にも、中国経済の話になるとまず地域格差が大きいことを挙げていた。そこで、成都で訪れたイトーヨーカドーと上海で訪れたSUPER BRAND MALL、中国と日本の果物の値段を比較することにした。
この表から都会の上海に比べ、内陸の成都は比較的物価が安いことが分かる。上海のSUPER BRAND MALLの方が品数が豊富で、国内産と輸入品では価格が大きく異なっていた。ドリアンやランブータン、マンゴスチンなど、日本のスーパーではあまり見かけない果物が多々あり、中国のスーパーは果物の種類も豊富であった。これらの大きなスーパーには中国産に続きトロピカルフルーツの産地であるタイ産のものが多かった。店頭に並べられた輸入品は比較的値段が高いが、タイ産のフルーツにおいては、国内産とあまり変わらない値段で売られていた。この調査において一番驚いたのは西瓜の価格である。成都、上海の日本円に換算した値段と、日本で売られている西瓜の値段を比較して分かるように、中国では西瓜が低価格で売られていた。北京大学の学生によると、中国は西瓜と桃の名産地でもあり、旬の7~8月は低価格で売られているそうだ。どの中華料理屋でもデザートとして出でくるのは西瓜で、北京で滞在したホテルの朝のバイキングにも毎日西瓜が並べられていたのは、西瓜の物価が安いからなのではないかと思った。この西瓜の価格の安さの要因は、旬であることと、5月に報道された江蘇省での膨張促進剤を使用した西瓜の「爆発事件」による安全性への懸念から価格が低下したのではないかと推測する。
このように、物の価格を比較すると、地域によって違いがあることが見て取れるが、街並みからはあまり地域格差を感じることがなかった。成都は北京や上海に比べて、田舎のイメージがあったが、夜は建物の電飾が目立ち、街ゆく人は北京の人たちよりもおしゃれであるように感じた。地域によって国民所得が異なっても、国民所得の低い地域で物価が安ければ、生活水準は地域によって大差はないのだと思った。日本は地域によって物価が大きく異なるなどの地域格差はないが中国では地域格差が拡大している。私は中国の地域格差解消の妨げとなっている一つとして戸籍制度が挙げることができると思う。現在の戸籍制度の基本となる「戸籍管理条例」が制定されたのは1958年。この制度は国民を農村戸籍と非農村戸籍に分け、農村に生まれついた人間は大学入学などごく一部の例外を除いて一生農村で暮らすことを強制するものである。当時は生産力が乏しく、モノやサービスは極端な供給不足であった。都市機能も貧弱だったため、人口の自由な移動を許すと国の基盤が崩壊しかねないとの判断が根底にあった。経済発展に伴う人口移動がスムーズになされないので、人的資源の有効活用の大きな障害になっているのだと思う。戸籍制度に関する改革が可能となれば、地域格差を小さくすることができるのではないかと思った。
おわりに
今回フィールドスタディを通して各地を回り、自分の体で中国を見て感じてきたことにより、今までよりも中国を身近に感じることができた。日本では考えられないことに多々出くわしたりもしたが、世界では日本が中心なわけではなく、それぞれの国にはそれぞれの文化、やり方があるのだということを強く感じた。日本の常識は必ずしも世界で通用するということはないし、これからのグローバル社会において、いかに柔軟に世界に溶け込むかが重要なのではないかと思った。成都伊勢丹の方がおっしゃっていたように、まずは現地のことをよく知ることが大切であると思った。日本人の中国に対するイメージはあまり良いとは言えないが、実際に現地で中国人と触れ合ってみると親切な人やフレンドリーな人にたくさん出会うことができたし、これからもっと中国語を学んで、中国に関わっていきたいと思った。
参加者が多い中、様々な場所で様々な経験をさせてくださった宋先生をはじめ、ガイドさんたちに感謝いたします。ありがとうございました。