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学生による中間報告 ラフール レポート2

自分と実習先の基本情報 

2年生男子

実習団体名 : 青葉区地域子育て支援拠点 ラフール

実習の感想文 

 報告を始めるにあたって、参加動機と実習先を選んだ理由を述べます。今まで様々なボランティア団体やNPOに参加してきたという経験が、今回の社会参加実習受講の大きなきっかけになりました。経験してきたどのボランティアにもその現場特有の問題やスタッフそれぞれのボランティア観があり、活動拠点が増える事で聞ける話や接する人に広がりが生まれ触れられるボランティア観も増えます。また、社会からのニーズに対して応えているNPOという組織は、社会問題へのフォーカスという基盤があるので他分野でも必ず結びつく点があります。構造が複合的な「社会問題」を捉える上で他分野からのアプローチは非常に大切です。新たな分野からの知見が自分に生まれることは問題を捉える上で重要で、この経験は自分に新しい視点や知識を生むきかっけになるのでは、と思い受講に至りました。
 実習団体に子育て支援団体の<ラフール>を選んだ理由は、子供に関わる仕事に興味があったことに加え、今まで自分が「子供」や「母親」を媒体とした「子育て」に焦点をあてた活動をしたことがなかったからです。この機会に知らない分野に触れてみたいという思いが強く、今回子育て支援拠点ラフールを選びました。
 参加に際しての目標は2点挙げました。まず一つ目は、「自分がすべきことは何かという問いを常に念頭に置き行動することで、自発性を身に着け現場で役立つスタッフになる」ということです。もう一つは、「ワーカーの方や親子の方、様々な人と携わり自分の既成の価値観を取り払うことで「子育て」に対する考え方の多様性を知り、背後にある複合的な問題を捉え解決をサポートする」です。
 実際に実習をした事で見えてきたのは、ラフールは子育て支援を広義の意味で捉えている組織だ、ということです。子供の世話を手伝うだけでなく、「子育て」という環境を総括して捉えた、家族の拠り所となる活動を展開しています。例えば、施設には「みんなの広場」というオープンスペースがありそこでは世代の異なる親子が交流する事ができます。入園前の未就学児という時期は子育ての中で閉鎖的になりがちな時期です。親子で交流する事が出来る場所があることで母親同士のコミュニティが生まれるのに加え、世代が違う親とも関わりが持てることで情報や悩みを共有することができるようになります。また、お悩みボードという、他の母親の方に対して匿名で悩み相談することができるツールもありました。
 これも子育ての「内側」に入ったラフールの支援のひとつだの形だと思いました。ラフールは子供、親、といった単体のみで捉えるのではなく、その時のニーズに合わせて敢えて小分けに捉えたり、親子を総括して捉えたりしています。遊び場、相談室、ボランティア、講演会、、、、など、求められていることへの多様な応え方があります。この受け幅の広さが携わる人の拠り所になっているのだな、と思いました。
 広場では子どもたちと遊ぶことだけでなく、たくさんの母親の方から話を直接聞くことも出来ました。これは、「子育ての多様性を知る」という目標を成す上でとても重要な経験になったと思います。
 実習に対しては、月並みの言葉になりますが「非常に大変だがその分やりがいがある」といった感想を持ちました。言葉でのコミュニケーションがほとんど出来ない未就学児との意思の疎通はなかなかうまくできず、表情や身の振り方から判断できるようになるまではどうしたらいいか戸惑うことが多くとても苦労しました。どのように接するのがベストなのかは、相手によって変わってくるので、相手を許容する態度や臨機応変なスタンスの取り方などを再考する非常に良いきっかけにもなりました。子どものお世話も楽しいのですが、普段あまり聞く機会のない子育てについて母親の方から直接お話が聞けるのも活動の楽しみの一つでした。広場での仕事は大変でしたが、慣れてくると周りを見渡す事ができるようになり、実習を重ねるにつれて視野を広く持てるようになっていったと思います。
 中間発表までを振り返ってみると、目標に関しては少し頑なになりすぎたかなという点がいくつかありました。活動場所である広場は流動的に人が流れ、その流れに合わせてスタッフが求められることも変わっていく場所です。自分がするべきだと思った事とスタッフとして求められている事が違ってくる事もありました。その差異をできるだけ埋める為にも、今何が求められているのかという事をより客観的に考えた上で自発的に動くことが必要だと思います。反省を活かす為にも、自分のすべき対応の仕方というのをもっと噛み砕いて考えてみようと思いました。今回までの実習と中間発表を踏まえ、残りの実習は自発的に動くということに留意しつつも、その瞬間瞬間でのニーズに応えられるように柔軟に動いていきたいと思います。
 実習で見えてきたことだけが全てではなく、子育ての背景には、育休制度上の問題や性役割による伝統志向の名残など、多くの社会的課題が残されている事に加え、未就学児という限定的な時期に特化した問題もあります。このような社会的課題を解決するためには、他人ごとではなく自分を取り巻く環境として捉える事が必要です。必要性が求められるものの背景にどのような構造上の問題があるのか。それを捉える姿勢を持ち続けなければ、ボランティアやこの授業のような取り組みはその場しのぎの活動に終始してしまうと思います。
 実習の意義は、その場の活動だけで終わる事ではなく、解決策を問い続けるという意識を持ち続けることで問題と携わっていくことなのだと思います。他分野だとしても、社会問題への意識を自分の中に根付かせる事が解決への一歩目になるのではないでしょうか。
 最終発表に向けて、スタッフとして現場の役に立つという事を基盤に据えた上で、どれだけ問題に踏み込んでいけるかが課題になると思います。前半は目の前の仕事をこなすことに手一杯になってしまったので、残りの実習では中間発表までの経験を活かし、今以上に視野を広めていく事で新たな課題の解決や当初の目標達成に近づける努力をしていきたいと思います。また、実習だけ終わらせるのではなく育休制度や伝統志向の問題に取り組んでいく事も今後の課題にしていきたいと思います。