学生による中間報告 NPO法人さなぎ達 レポート1
自分と実習先の基本情報
4年生女子
実習団体名 : NPO法人さなぎ達
【実習先志望動機】
普段接することのない人と関われる団体であったこと、福祉制度などに関心があったため。
【目標】
ドヤ街という自分にとって非日常的空間、又様々な背景を持った人が混在する中で本当に相手を理解しようとしながら対等な立場でコミュニケーションをとる力を身に着ける。その中で自分なりに考えたことを授業として受け身で過ごさずに自発的に行動をしていく。
実習の感想文
【1.楽しかった点】
さなぎ達の実習の中で楽しかった点は、ドヤ街に住む当事者のおじさんとのおしゃべりだった。はじめドヤ街に足を踏み入れた時はやはり周りの街とは明らかに別の空気観があり、構えてしまう気持ちがどこかにあった。ドヤ街に行くのは初めてではなかったが、自分のなかでまだ理解しきれていない気持ちと、そこに暮らす一人ひとりの生活が実際にどういったものなのか分からないことがたくさんあったからだ。しかしさなぎの家に到着し、そこにいた数人の方と会話を交わしていくうち、自分がいかに少ない情報の中で想像していたかを感じた。午前9時、寿地区のドヤ街にあるさなぎ達の拠点スペースには、ボランティアで当事者自らが運営に携わる。彼らは寄付により集まった衣服などの物資を調達にくる寿の人たちとコミュニケーションをとりながら記録などを行いながら過ごしていた。特に忙しいわけでもなく、ゆるゆると時がたっていく。椅子に座りながらたわいない世間話などをする時間が楽しく感じ、心地よい居場所つくりが成されていた。初めて会う私に対して興味を持って明るく話しかけてくれたことで、力が抜け自然な会話が生まれた。その一方でこの陽気なおじさんはどんな暮らしをして何を感じ生きてきた人なのだろうかと疑問も湧いた。さなぎ達のスタッフの話などを聞き、一概に生活保護受給者と言っても背景はそれぞれであるように思った。
【2.つらかった点】
そうして初対面の寿の住人達とのおしゃべりの中で、陽気な方も多く「どこから来たの?」「大学生?」など聞かれるのだが、私からは相手に対してどこまでどんなことを聞いてよいのだろうか、などと考えていた。初対面であれもこれも知ることはできないし、一方的にあれこれ知ろうとすることが私のいる目的でもない。けれど、お互いがお互いについて知ろうとしないうちは、どこかに壁が残ったままになってしまう。一人の人として向き合いたいが今一つ自分から壁を壊せないままにいたそんな時、一人のボランティアであり当事者である方とじっくり話す事ができた。そして、その方は自分のように当事者でもありさなぎ達のボランティアであるという二つの立場の人間がいることで両者の微妙な壁をなくしていきたいとおっしゃっていた。その考えや言葉にとても勇気つけられた。ボランティアや外から来た人が聞きずらいこと、踏み込んじゃいけないと思っていると、いつまでたってもそこに本当の意味でのコミュニケーションや人間関係は生まれにくい。そこで、その方は自らの過去やなぜ当事者でありながらさなぎ達の活動にかかわっているのか、自分以外の寿の人たちの気持ちや問題、寿の歴史に至るまで様々なことを当事者として私に語ってくれた。
【3.動機シートの達成】
コミュニケーションはとれたが、なかなか相手を理解するには時間が足りないと感じた。
たくさんの人がいて、それぞれ異なった背景を抱えて寿に暮らす方に対し、今の自分の経験では想像もつかない困難を抱えて生きてきたということであり、それに対しどう捉えていくのかが引っ掛かる点となる。すぐには答えの出る問題ではないため、じっくりコミュニケーションをとる必要があると感じた。
自発的な行動に関しては、問題はなかったと思う。さなぎの家で過ごしているときは時間を持て余してしまうくらいゆったりとしていた。そのなかで会話を楽しんだり、さなぎの家の資料を読ませていただいたりしていた。資料の中でわからないこと、疑問に思ったことなどはそこにいるスタッフやボランティアの方に聞くなどした。
【4.3を踏まえ今後挑戦したい事】
相手を理解しコミュニケーションをとるということは簡単なことではないと思う。限られた時間の中ではお互いを理解するなど到底無理である。しかし、だからと言ってあきらめた上で接しても何も生まれない。そこで、まずは自分が持っている小さな偏見、偏った情報や知識があることを感じ、認識した上で、それを取り払って相手を見ていく事ができるように取り組んでみようと思う。その為には、なんとなくコミュニケーション、会話をかわすのではなく、相手をよく見て、自分から心を開いていくチカラが必要だと思う。それがまだ未熟な自分にとっては想像以上に難しいことかもしれない。普段気の知れた関係の中だけで過ごしていると、心を開くことがどういう事なのかもよくわかっていないが、意識して挑戦してみたいと思う。相手と向き合うということ、受け入れるということは言葉にするとかんたんだが、実際には大人になるほどに困難になっていくものかもしれない。固定観念にとらわれてしまい、自分のフィルターがかかった中で物事を見てしまいがちだと思うので、自分自身でそういった部分も持ち合わせていることをまずは認識することから始め、徐々により良いコミュニケーション、距離の持ち方接し方を学びたいと思う。