学生による中間報告 NPO法人さなぎ達 レポート2
自分と実習先の基本情報
2年生女子
実習団体名 : NPO法人さなぎ達
【実習先志望動機】
普段生活していく中では路上生活者の考えや意見を聞くことはないが、生活の実態や、考えや意見を同じ日本人として知りたいと思ったから。また、食堂のお手伝いであれば、自分にもできるのではないかと思い、選ばせて頂きました。
【目標】
自分が社会にでていく上で必要なことだと思うので、価値観や世代の異なる人とのコミュニケーション能力を高め、自発性を持って行動することで、この経験を今後の自分の成長に繋げる。
実習の感想文
【1.楽しかった点】
「さなぎの家」という場所には、毎日寿町のホームレスの人が集まってくる。そこに来る人と一緒にお話しをしていくにつれて、自分のホームレスの人に対する見方や、考え方が以前とかわった。今までホームレスの人を見ると、汚いなぁ、なんで仕事をしないのだろう、なんで仕事をする努力をしないのだろうか、と思ってしまっていた。だが、実際ホームレスの人と関わり、話を聞いていて、今までの自分の考え方は違うんだ、と思った。私が話を伺った、とあるホームレスの人は、何度も色々な企業の面接に行ったが、持病などの影響で雇ってもらうことができず、面接で手ごたえがあり、次の面接に呼ばれたとしても、持病があると分かった瞬間に雇ってくれなくなる。その様な事が何度も何度も繰り返されると、もう仕事をしようという意欲さえなくなってくるのだ、と話していた。生活保護を受ければ生活することができる、企業はどこも雇ってくれない、そうなると、もう頑張る気力がなくなり、諦めてしまうらしい。だがそれに関して本人は何も悪いことをしているわけではないのだ。人間だから誰かに認めて欲しい、声をかけて欲しい、お話をしたい。特に趣味も家族も仲間も友達もいなく、ただ寿町で日々生活する、そんな毎日を送っていると、ふと仕事をしたいと思う。そして面接に行くが、また同じことの繰り返し、もうどうすることもできないのだと言う。さなぎの家に来て、お話をしたり聞いたりして誰かに声をかけてもらうこと、それが生きがいなのだと言っていた。それを聞いて、ホームレスの人を見て一概に汚いと思ったり、なぜ仕事をしないのか、と感じでいた自分の間違いに気づいた。自分は今親のおかげで大学に通うことができている。授業を受けることができている。幸いなことに病気もなく生活できている、それは本当に幸せなことであり、だがそれと同時に、今は両親のおかげで普通に生活を送ることができているが、この不景気の中、自分がホームレスになる可能性もあるのだ。さなぎの家に来る人は、必ず、「また来るね!」と言って帰っていく。話をしているときは、話をしたいことがたまっていたかのように、ずっと笑顔で色々な話をしている。みんな話すととてもいい人なのだ。職員さんに「みんな家族も仲間も友達もいなく、話し相手がいなくて寂しい思いをしているから、お話相手がいるだけで嬉しくなってしまうんだよ」と聞き、このさなぎの家でお話をする時間を自分自身も大事にしたいと思った。さなぎの家に集まる人々とたわいのないお話をしている時間がとても楽しいと感じることができた。私のできることは、さなぎの家に来るホームレスの人の話を聞いてあげることしかできないが、それが少しでも力になり活力になるのなら、全力で話を聞いてあげたいと思った。
【2.つらかった点】
初めて寿町に行った時は、寿町の環境や町の様子に驚いた。何度も寿町に行くにつれて、だんだんと慣れてきたが、正直、初めて寿町に行った時は桜木町の近くにこんなにも汚くて臭い街があったのか、と思ってしまった。初めて寿町に行った日に、”ドヤ”という、日雇労働者向けの簡易宿泊所見学させて頂いた。その宿は、ここで寝泊まりすることができるのかと思うほど小さな部屋で、高い建物なのに階段しかない、そんな”ドヤ”に衝撃を受けた。寿総合労働福祉会館の館内見学に行った時には、館内にホームレスの人がたくさんいて、尿の臭いがすごく、虫もたくさんいて、気分的に参ってしまった。この地区の6,300人ほどの住民のうち、85%が生活保護受給者。さらに60歳以上が6割を占めるという高齢者が多い地区。自分の住んでいる町とのギャップに驚き、臭いや、雰囲気や、路上に寝ているホームレスをみて、初めはここでやっていけるか不安だった。だが、寿町はいわゆる「ドヤ街」という非日常的な場所ではなく、高齢者のひとり暮らしとそれにともなう孤独や貧困という日本の問題点を抱えた場所だと感じた。近年の日本における格差の拡大、非正規雇用者の増加、止まらないデフレ、少子化・・・。決して自分たちと無縁の世界ではない。さなぎ食堂に300円の定食も安いと思うが、考えてみれば普通のスーパーでも300円ほどの値段のお弁当が販売されている。そして一泊2,000円は、月6万円の家賃と同じそう考えると寿町は決して特別な場所ではなく、近未来の日本が凝縮された町なのではないだろうかと思う。
【3.動機シートの達成】
価値観や世代の異なる人とのコミュニケーション能力を高めることは、さなぎの家で色々な方と関わっていく上でできていると思う。だが、まだ自発性を持って行動することはあまりできていない。さなぎ食堂の方でも、職員さんに教わりながら、自分のできることに挑戦していきたい。そしてこの経験を今後の自分の成長に繋げていきたい。
【4.3を踏まえ今後挑戦したい事】
たくさん来るホームレスの人の中でもまだお話を伺うことのできた人は少ないので、残りの1ヶ月間、もっともっとたくさんの人と交流していきたいと思った。そして、色々な人とお話をしてコミュニケーションをとり、その人自身がおかれている状況について本人の考えや意見も少しずつ聞いていけたらと思う。そしてさなぎ食堂では、これからも職員の方々に色々なことを教わりながら、協力して、自分のできることを精一杯頑張っていきたい。