港区民大学講座(白金キャンパス)
「ヘボンと近代日本」2005年度後期 港区民大学講座
(担当:キリスト教研究所)
本講座では、明治学院大学のルーツであるヘボン塾(1863年)の創始者であり、明治学院初代総理であったヘボンの人と思想を共に学んでゆきます。それによって同時代の日本および世界も照射されることでしょう。
ヘボンといえば、ヘボン式ローマ字で一般によく知られていますが、それが記された『和英語林集成』の編纂はヘボンの功績の最たるものといえましょう。ヘボンの功績は医療方面にも顕著であります。近代日本の医療技術に与えた影響は多大なものがありました。教育方面でもヘボン塾は女子教育の嚆矢でもあります。女性を一個の人格を有した者として教育するという考えはそれまでの日本にはなく、キリスト教によってもたらされたエートスでありました。ヘボン塾から女子部が独立してミス・キダーの学校(1870年・現フェリス女学院)が生まれます。
また、ヘボンは日本語聖書訳の翻訳事業にも中心的な役割を果たしています。かの太宰治をして「聖書一巻によりて、日本の文学史は、かつてなき程の鮮明さをもって、はっきりと二分されている」(「Human Lost」)と言わしめたごとく、聖書が日本文化に与えた影響は、決して少なくはないでしょう。
教会形成においては、特に横浜の指路教会堂の設立と運営に尽力しました。1892年1月に教会堂は完成しますが、その年の10月に33年間の日本への貢献の日々を終え米国に帰ります。その生涯はまさに「他者への貢献」DO FOR OTHERS でありました。
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