明治学院大学 横浜市民講座「 顔 」
2003年度 明治学院大学横浜市民講座(企画:教養教育センター付属研究所)
概要・テーマ:顔
「顔」あらゆるものの表徴です。「顔」をとおして、その人あるいはそのものの内実が表現されていることはいうまでもありません。例えば、「物思いに沈んだ顔」「顔に出る」「顔を出す」「顔が広い」「顔が売れている」「このあたりではちょいとした顔だ」「顔をつぶす」「顔に紅葉を散らす」などなどの言葉がそれを表しています。これは日本語の世界だけではなくアラビア語の世界でも同様です。アラビア語の顔は「ワジュフ」ですが、ワジュフの他の意味に「前面」「表面」「家の正面」「一日の、または世紀の始まり」「見解」「論旨」「名誉」「尊敬」「威厳」「一派の長」「顔を得た(信用・尊敬を得た)」「神の顔のために(神の御意にそって)」「顔が黒くなった(不名誉な行為をした)」などの意味があります。
これらのように顔はものの内実・本質・状況の象徴的形なのです。イエスや仏陀の「本当の」顔を求めて多くの芸術作品が創作されたのもこのことを示しています。反対にイスラームが「顔」の造形を禁止するのは、「顔」が誤信・誤解に陥る危険があるからでしょう。
本講座は、私たちにとって「顔」はどのような意味をもち、どのようにそれは機能してきたかを様々な角度・分野から捉えて「顔」の機能を再認識しようとするものです。
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