激動する現代社会において、ますます専門化しつつある学問には、旧来の境界を超えた結びつきと総合性が求められています。国際学部は人文・社会諸学科にまたがる専任教員を擁し、複雑化する現代社会を解明する授業を通して、学生一人ひとりが自ら物事を考える力を養うと同時に、その人格的成長を促します。自由な知的好奇心と根拠に基づいて論理的に意見を述べる力、そして他者、とりわけ弱い立場にいるものを思いやる心を持ち、外国を理解し異文化の人々と共に働く意欲に満ちた学生を期待しています。
国際学科での学習の第一の柱は、演習を通じた双方向的な教育です。1年次から、基礎的な学習スキルを学ぶ基礎演習を履修し、2年次からは、平均10人強の演習に所属し、教員と、そして学生同士で議論しながら学習を深めます。特定のテーマを集中的に学ぶ特別演習も開かれます。
もう一つの柱は、校外での体験です。半数以上の演習が、2週間程度の校外実習を実施しているほか、専任の担当者のもと、学外の機関と提携して行われる、海外インターンシップ・プログラムも提供しています。
1年次には、基礎演習や40人前後で実施される基礎科目を通じて学習の基盤を構築します。2年次以降は、平和研究、環境問題、多文化社会、比較文化、国際・比較経済、比較法政の6つの専攻のいずれかに重点を置きながら、学習を進めます。それと同時に、地域研究系科目を3つ以上履修することで、特定の地域への深い理解や、地域横断的な視野を身につけることが可能です。
講義を通じた学習と並行して、2年次から始まる演習では、特定のテーマについて、掘り下げた学習を進めていきます。そして学習の総仕上げとして、4年終了時には卒業論文を執筆します。
国際学科の卒業生には、文字通り国境を越えて活動している人が少なくありません。また、国内の職場環境もますます国際化する傾向にある今日、卒業生にはさらに活躍の場が開けています。就職の職種は、情報技術関連、マスコミ、クリエイティブ系、そして非営利団体(NPO)など広範囲にわたっております。公務員や教員の道に進む者もあり、また、大学院に進学する卒業生も毎年10名程度あります。
| 教員氏名 |
主要担当科目 |
授業内容 |
秋月 望 AKIZUKI, Nozomi |
東北アジア地域研究 |
朝鮮半島を中心とする東アジアについて、近代外交史を中心に考察します。また、現在の韓国・朝鮮半島の社会や文化、日本との関係などについても考えていきます。 |
天野史郎 AMANO, Shiro |
ヨーロッパ芸術論 |
ヨーロッパ文化におけるものの見方を、文学、美術、思想の読解を通して、デカルト的視覚の生成を検証し、視覚がヨーロッパ近代において支配的感覚となる過程を考察します。 |
岩村英之 IWAMURA, Hideyuki |
国際金融論 |
毎日の円ドル・レートは、天気予報と同様にニュース番組の定番です。為替レートが私達の生活に及ぼす影響を、経済学のみならず政治経済学の視点も交えて考察していきます。 |
江橋正彦 EBASHI, Masahiko |
東南アジア地域研究 |
東南アジア諸国の経済発展と経済社会の構造変化、日本と東南アジア諸国の関係について考えます。東南アジアを舞台に開発問題を多角的に考えることが中心テーマとなります。 |
大岩圭之助 OIWA, Keinosuke |
文化人類学 |
環境問題などの文明史的な危機が意味するものを、人類学の方法によって理解しようとします。またスロー、スモール、シンプルの3つをキーワードに、危機を越える道を探ります。 |
大川玲子 OKAWA, Reiko |
イスラム教文化論 |
その教義や儀礼、思想、歴史、文化を基礎から論じ、現在の国際情勢を理解する土台を提供します。同時に日本文化やユダヤ教・キリスト教と比較し、その特徴について考えていきます。 |
大木 昌 OKI, Akira |
文化交渉史 |
異文化が接触したときに発生する諸問題 (拒絶、受容、再解釈) などの問題を、理論的な枠組と、ファッション、スポーツ、絵画、音楽など、具体的事例の双方から考えます。 |
岡部 光明 OKABE, Mitsuaki |
日本経済論 |
日本経済の構造、変動、そして課題を総合的に取りあげ、日本経済の体系的な理解を試みます。また論理的思考力と政策発想も同時に習得できるような授業を目指します。 |
勝俣 誠 KATSUMATA, Makoto |
南北問題 |
グローバル化現象とともに南の地域での貧困や環境破壊も進行しています。過剰開発・破棄に悩む「北」と「南」の間にどのようなより公平かつ持続的な関係を築くのかを考えます。 |
熊本一規 KUMAMOTO, Kazuki |
環境生態学 |
ごみ問題、農業問題、水問題、地球温暖化等の現状・問題点・解決のポイントを説明するとともに、環境問題を理解・解決するうえで重要な自然科学の基礎知識を紹介します。 |
司馬純詩 SHIBA, Junji |
経済原論 |
経済エネルギーによる市場拡大・技術革新で地域・民族・国家に分かれた世界の人々は生産・消費・汚染を含め一体化しつつあります。市場経済原理を通して世界と日本を見つめます。 |
末内啓子 SUEUCHI, Keiko |
国際政治学 |
国際政治を広義にとらえ、国家だけではなくNGOも含む行為体、経済社会や文化をも含むイッシュー、複数の国際政治観を、国際政治や理論の変遷との関係で再検討します。 |
孫 占坤 SUN, Zhan kun |
国際関係法 |
国際連盟規約、不戦条約、国連憲章、ハーグ条約、ジュネーブ条約等を通じて、戦争の位置づけや国際人道法の問題点等、「戦争と平和」に関する諸制度を検討します。 |
高橋源一郎 TAKAHASHI, Genichiro |
現代文学論 |
明治に誕生した日本近代文学は百年の時を生き延び現代文学となりました。いまも生成変化しつつある故に評価の困難な「現代文学」の読解を通じ、「現代」の意味を探ります。 |
高原孝生 TAKAHARA, Takao |
平和学 |
この世に争いが絶えないことを、どう理解したらいいのか。なくてもすんだはずの悲惨を少しでも減らす方途はあるのか。「平和」を考えるための基本的視座を追究します。 |
竹尾茂樹 TAKEO, Shigeki |
比較文化論 |
我々のもっている「文化」とは何だろう? 生活の中の文化、地域の文化、世代や男女間さらにアジアの地域との共通性と違いを具体的に見ることを通して「自文化」を検証します。 |
田中桂子 TANAKA, Keiko |
応用言語学 |
言語習得、言語教育、社会言語について知識を習得することを通じて、自己を表現するだけではなく、世界を解釈する「グローバルな視野」を養うことを目指します。 |
土屋博嗣 TSUCHIYA, Hiroshi |
日本語教授法 |
日本人教師が外国人に日本語を教える際に必要となる日本語学及び外国語教授法の知識を扱います。教具・教材の使用法、教師と外国人学習者との関係の作り方なども考えます。 |
田 暁利 DEN, Gyori |
地域経済論 |
1980年代より中国の経済構造は急速に変貌し、島嶼型経済と大陸型経済併存の状況が次第に顕著になり、成長地域と停滞地域の分解も急拡大しました。こうした問題を検討します。 |
戸谷 浩 TOYA, Hiroshi |
歴史学* |
歴史の固定化したイメージを脱し、歴史を学ぶことから何が見えてくるのか、歴史を通してどのように社会と向き合うことができるのかなどを考え、「社会を斬る眼」を養ってゆきます。 |
浪岡新太郎 NAMIOKA, Shintaro |
比較政治学 |
投票などの一般的な「政治参加」において十分に考慮の対象とならず周縁化されてしまう人(たとえば移民など)が、どのようにしたら十分に「政治参加」できるのかを考えます。 |
原 武史 HARA, Takeshi |
政治思想史 |
主に日本を中心に、東アジア全体にも目を配りながら、前近代から近代にかけての政治思想の変遷を探ります。現代の皇室の動きに対しても、その思想的背景を明らかにしてゆきます。 |
半澤朝彦 HANZAWA, Asahiko |
国際関係論 |
中東、東アジア、アフリカ、国連、開発、アメリカ「帝国」といったトピックをシステマティックに学びます。歴史的視野、分析力を養い、自分の意見を形成する訓練をします。 |
平山 恵 HIRAYAMA, Megumi |
社会開発論 |
過去や現在の社会発展を方向付けている要因 (近代化、市場、公共政策、援助等) を分析します。その上で、「望ましい社会」像ひいては日本や自分自身のあり方を考えます。 |
宮本幹夫 MIYAMOTO, Mikio |
比較経済史 |
市場経済の発展は資本主義という経済システムを形成していきます。資本主義はどのようにして成立・発展していったのか。各国・各地域のそれらを比較しながら学びます。 |
森本 泉 MORIMOTO, Izumi |
地誌概説 |
第三世界に特有なものとして認識されがちな貧困や環境破壊などの問題を、グローバルな問題として、すなわち我々との関係において認識し、考えていくことを目指します。 |
涌井秀行 WAKUI, Hideyuki |
国際経済論 |
冷戦そしてポスト冷戦の時代をどう捉えるのか。それは資本主義対「社会主義」両体制間矛盾・対抗とその終焉の意味を考えることにあります。政治=経済の方法で考察します。 |
和氣一成 WAKE, Issei |
専門外国語 |
グローバル社会で活躍し、多文化の人々とチームをくみプロジェクトを完成させたり問題を解決したりする高度な英語力とコミュニケーション・スキルを目標としています。 |
イノ, ジョン.H. INO, J.H. (客員教授) |
Special Seminar |
現代の倫理の問題を、グローバルな視点から検討します。特に、情報テクノロジー、バイオテクノロジーおよび医療の間に生じている新しい倫理上のディレンマについて考察します。 |