フランス文学科

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French Literature

ヨーロッパへの越境、そしてフランスの過去と現在を旅するために

約30カ国もの国々で公用語として使用され、国際連合の公用語の一つにも選ばれているフランス語。そのフランス語を習得しながら、〈日本〉でも〈アメリカ〉でもない〈フランス〉という国の文化・芸術の歴史や、それを支える独特な感覚のあり方を学びます。さらに〈ヨーロッパ〉の尽きることのない深さへと、あるいはアフリカやカリブ海に広がる〈フランス語圏〉の新たな生命力へと、その探究を大きくのばしてゆくこともできます。授業では、中世の吟遊詩人の声も響けば、宗教や革命をめぐる議論もあり、そして何よりも、文学や思想の豊かで鋭いことばや、美術や映画の斬新なイメージとの出会いがあります。〈フランス〉という窓から開ける世界は実に多様で驚きに満ちています。そのユニークな世界に飛び込んで、かけがえのない宝を見つけてもらえることを期待しています。

学びの概要

たいていの新入生にとって、フランス語は初めて習うことばでしょうし、フランス文化に関しても、ごく断片的な知識しか持っていない人がほとんどでしょう。いわば「ゼロ」からのスタートで、本当に大丈夫だろうか、と不安になるかもしれません。でも心配は無用です。未知の言語や文化、その歴史をゆっくり学んでゆくことは、実に新鮮な経験であることがすぐに分かるはずです。その面白さに気づいてもらうために、経験豊富な教員スタッフが学生一人ひとりに対して丁寧に道案内をします。そうして「卒業論文」というゴールに向けて、はじめは迷いながら、でもだれもが確実に走り出してゆきます。

カリキュラムの特徴

まず1年次では、フランス語を週5回の授業できちんと学んでゆきます。フランス人教師による会話の授業もあります。授業中に教師陣から繰り出される「フランス語」はまさしく話題満載で、これこそが生きた「フランス入門」となります。2年次では、週4回の授業でフランス語の基礎を固めるとともに、個別的なテーマを掘り下げて研究する授業も開講されます。そのなかでもとくに「基礎研究」は、3年次より始まるゼミ (演習) への準備的な授業として、多種多様で興味深い専門分野への道を開いてくれます。

専門科目のユニークな編成については「カリキュラムのポイント」を参照していただくとして、ここでは本学科の特徴をなすゼミと卒業論文について簡単に触れておきましょう。フランス文学科のゼミでは、教員スタッフの一人ひとりが、それぞれの専門分野について演習形式の授業を行います。3年次生と4年次生は、全員がゼミに参加。また卒論も必修です。学生たちは、ゼミでの議論や卒論執筆の過程で、自分の発想をいかに表現し人を説得するかという、社会に出てから最も必要とされる能力を磨くことになります。基本的な表現能力の向上にも、本学科は大きなポイントをおいています。

最後に留学のことにも少し触れておきましょう。フランスへの留学制度として、夏休みを利用したパリへの短期留学、そしてリモージュおよびエクス・アン・プロヴァンスへの1年間にわたる長期留学が用意されています。フランスで実際にフランス語を話し、生のフランス文化に触れることは、きっとこの上なく貴重な体験となるでしょう。

カリキュラムのポイント

2011年度から、専門研究科目が大きく変わりました。フランス文学科では、1年次、2年次でフランス語の基礎を習得したのちに、3年次から専門的な勉強が始まります。どの授業を受ければ何が身につくのかということをよりわかりやすくするために、専門研究科目群を「テクスト性」と「モデルニテ」という2系列に分け、さらに「言語文化系」、「文学系」、「思想系」、「芸術系」という、合計4つのコースを設けました。

「テクスト性」系列には、ことばに対する感性を磨くための科目がおかれています。「言語文化系」コースに用意されているのは、言語そのものを対象として徹底的に学ぶための授業。「文学系」コースでは、小説や詩を講読することによって、人生や社会、自己や恋愛などを深く考察していきます。

「モデルニテ」とは、「現代性」を意味するフランス語。ここではフランスおよびフランス語圏における多種多様な文化事象について学びます。「思想系」コースで扱われるのは、社会やメディアに関するアクチュアルな問題をはじめ、歴史、哲学など。「芸術系」コースには、映画や美術、音楽などを論じるために必要な知識を身につけるための授業がおかれています。

履修に際しては、2系列4コースのうち一つのコースの科目のみを選択することも、すべてのコースから少しずつ履修することも可能です。厳密な意味でのコース制とは異なり、いったん選んだらそれにずっと縛られるというわけでもありません。好奇心が旺盛でいろんなことを同時に学びたい人は、それぞれのコースから自分の興味に応じて自由に選択することができます。つまり、一つの専門分野を極めたい人にも、さまざまな事柄に広く興味がある人にも、同時に満足してもらえるようにとつくられたのが、フランス文学科のカリキュラムなのです。

このような専門科目とは別に、3、4年次対象の「フランス語科目」も設置されています。フランス人教師を中心に授業が構成されており、聞く力、話す力、書く力をさらに養っていきます。また、新聞や雑誌を読む授業、料理やスポーツに関する話題をとり上げる授業もあります。こうした科目を履修しながら、自分が所属するゼミの担当教員と相談して卒業論文のテーマを決定し、それに沿って研究が進められていくことになります。

そしてその卒業論文では実際にどのようなことが書かれているのかについて、少しだけご紹介しておきましょう。たとえば言語文化関連では、「フランス語の進化」、「多言語諸国家におけるフランス語の優位性」など。文学関係では、「宮廷恋愛の文学」、「アルベール・カミュとその二面性」など。歴史や社会に関するものとしては、「消費社会論」、「髪型から見る近代フランス女性たち」など。芸術を扱ったものとしては、「モネ・水の風景」、「クラシック・バレエへの挑戦」など。このような多彩なタイトルが、フランス文学科の自由かつ専門的な教育の成果をみごとに物語っています。


卒業後の進路

編集、出版、広告、印刷以外にも、翻訳や情報処理、あるいは航空会社やファッション業界へ進んでいます。その他、中学・高校の教員になる人、大学院に進学して研究を続ける人、また、フリーライターや漫画家、ダンサー、フランスに留学してパティシエになった人、そしてワインのソムリエなど、フランス文学科の自由な雰囲気を反映して、卒業生の進路も多彩です。

フランス文学科教員一覧
教員氏名 主要担当科目 授業内容
朝比奈弘治
ASAHINA, Koji
演習 (近代文学) フロベール、ヴェルヌ、ゾラなどの小説をいくつか選び、みんなで議論しながら読んでゆきます。「異世界への旅」「都市と文学」「子どもの世界」などテーマは毎年変わります。
石川美子
ISHIKAWA, Yoshiko
演習 (自伝と風景論) さまざまな時代の自伝や、旅をめぐる作品を読んでゆきます。現代批評の観点を取り入れつつ、「自己を語ること」「風景の概念の誕生」などについて考えます。
小野正嗣
ONO, Masatsugu
現代の文学 アフリカやカリブ海地域出身の作家や芸術家の魅力的な作品を紹介していきます。フランス語世界の多様性に触れながら、植民地主義と文化の関係についても考えます。
齊藤哲也
SAITO, Tetsuya
現代芸術 シュルレアリスムを中心に、20世紀フランスの文学・美術を研究します。小説や絵画のみならず、科学や技術が可能とする、あたらしい知覚のあり方について考えていきます。
慎改康之
SHINKAI, Yasuyuki
現代思想論 フーコー、ドゥルーズなど、20世紀フランスの哲学者たちの思想を手がかりに、現在の私たちが日常において直面する具体的な問題について考える術を探求します。
杉本圭子
SUGIMOTO, Keiko
近代の文学 スタンダールをはじめとする小説や旅行記を題材に、大革命後のパリと地方の人間模様を概観します。「嫉妬と文学」「文学の中の出会い」「決闘の文化史」などをテーマに掲げます。
田原いずみ
TAHARA, Izumi
現代フランス語の諸相 フランス語史、フランス語圏諸国間のつながり、フランスの方言・地方言語、フランス語文法論などのテーマを掲げ、様々な視点からフランス語やフランス語圏文化の理解を深めます。
西岡芳彦
NISHIOKA, Yoshihiko
歴史記述論 「社会史」の記述スタイルの具体的な事例として、ギゾーとラブルースをとりあげます。次に1871年のパリ・コミューンに関する史料を読み解きながら、社会史的に分析します。
長谷 泰
HASE, Tai
17・18世紀文学 音楽、文学、演劇、舞踊など、雑多な要素からなるフランス・バロック・オペラの独特のありようをもとに、その現代的意義の可能性について台本を精読しながら考えていきます。
ペシャール・ドミニック
PESCHARD, D.P.V.
フランス語科
教育研究
話せるフランス語をめざしたフランス語の実践的トレーニングを行います。実践をつうじて、外国語教育法について考えていきます。仏検2級合格のための指導も行います。
水落健治
MIZUOCHI, Kenji
キリスト教の
基礎*・ラテン語
ギリシア思想とキリスト教との対比を念頭に置きつつ、近代の抱える諸問題 (自然科学・神の死) を手がかりに、世界や人間について宗教と哲学との接点の諸問題を扱います。
湯澤英彦
YUZAWA, Hidehiko
演習
(ベルエポック期の文化)
19世紀から20世紀へという、時代の大きな転換期における文学・芸術の諸問題を扱います。とくに「記憶」や「身体」という観点からさまざまな文化現象を検討します。
レヴィ・ジャック・アンリック
LEVY, Jacques Henrik
現代翻訳論 言語哲学、言語学、記号論、精神分析など、様々な分野に言及しながら、文学作品の翻訳をめぐる諸問題を取り上げ、フィクションを論じる方法について考えていきます。

*印があるものは、明治学院共通科目です。
2011年4月1日現在 (50音順)

2012年度入学試験制度一覧



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