フランス文学科  /  大学院  /  2013年度の担当教授と講義内容

2013年度の担当教授と講義内容

博士前期課程

演習Ⅰ
石川 美子
【講義概要(春・秋学期)】作家が、発表した初期作品を、べつの代表的作品へと練り上げてゆく模索過程について考える。たとえば、ユルスナールは、最初期の小作品「デューラー風に」を、30年以上後に『黒の過程』として完成した。その試行錯誤について考察する。つまり、作家における「作品から作品へ」の移行・推敲についての研究である。春学期は、ユルスナールのほかに、アゴタ・クリストフ、ロブ=グリエ、プルーストなどの作家、秋学期は、キニャール、ジッド、バルトなどの作家をあつかう予定である。
演習Ⅱ
朝比奈 弘治
【講義概要(春・秋学期)】テーマは、文学(とりわけ恋愛小説)における出会い。2人の人物の出会いは、恋愛(あるいは友情、争い・・・)の出発点というだけでなく、あらゆる物語を始動させる原動力である。授業では19世紀の作品を中心にさまざまな小説の出会いの場面を読み、作品のなかでの位置づけや物語の構造を考えてゆく。
演習Ⅵ
湯沢 英彦
【講義概要(春・秋学期)】20世紀前半の芸術理念の諸相を検討する。今年度は Denys Riout著 Qu’est-ce que l’art moderne ? (Foilo Essai, 2000) の第2部 «L'attrait du réel (リアルなものの魅力)»のなかから、下記予定に記したような論点をとりあげ、「リアルなもの」とのかかわりが作品制作にどのような新しさをもたらしたのかを検討していゆく。なお、Denysの「リアルなもの」に関する議論は、20世紀初頭の「抽象芸術」との対比において展開されていて、授業ではまず、カンディンスキーを中心に「抽象芸術」についての概観からはじめてゆく。
演習Ⅷ
慎改 康之
【講義概要(春・秋学期)】ミシェル・フーコーのコレージュ・ド・フランス開講講義を講読しながら、「言説」の物質性および出来事性について考察します。
特殊研究Ⅱ
長谷 泰
【講義概要(春・秋学期)】この講義を、大学院での通常の講義や参加者各人の専門的研究の枠をはずれた場(オアシス)にしたい。よって、特別のテーマやテクストをあらかじめ与えることはしない。参加者の読みたい(知りたい)テクスト(文学とはかぎらない)をひとつ、あるいは複数、徹底的に読みこなし、しかもその速読のコツを会得し、そこから、たとえ各自の専門分野外のテクストないしはテーマであっても、自己の土俵に引きいれて、それぞれの準備している論文の思考材料に接続しうるだけの応用・発想力を養うための実践的な場にしたい。要するに、基本的な読む力の養成(それがなければ、テクストに即した新たな視点や論点もおのずと発想されてくることはない)、医学なら基礎医学にあたるもの、それが通常ならざるこの講義の内容である。
特殊研究Ⅳ
有田 英也
【講義概要(春・秋学期)】作家の自叙伝には主題、形式、読者の期待という点で、どのような特徴があるのだろうか。この授業は最初の数回は講義、以後は講読となり、期末レポートを課す。ジャン=ポール・サルトルの自伝『言葉』を精読するとともに、先行する自伝的テクストおよび自伝以後のインタヴューと比較しながら、ジャンルとしての「作家の自伝」とサルトルの著作における自伝の意義について学ぶ。
特殊研究Ⅴ
岩切 正一郎
【講義概要(春学期)】Ionesco (1909-1994)の戯曲 Voyage chez les morts (1980)を読む。夢のなかで、ジャンは母を求めて死者の国へおもむき、死んだ一族の者たちと人生の精算をしようとする。死者たちもまた、生前とおなじ憎悪にとりつかれているのだった。地獄巡りであり実存的探求でもある、イオネスコ演劇の集大成ともいえる作品を分析、解釈する。テクストにシーンの番号はないが、授業計画では、プレイヤード版に従って、景番号を付す。
【講義概要(秋学期)】BeckettのFin de partie (1957)とSartreのLes Séquestrés d’Altona (1959)をテクストに、カタストロフ、幽閉、そしてそこから出て行くことについて考察する。
特殊研究Ⅶ
巌谷 國士
【講義概要(春学期)】「シュルレアリスムの歴史的・国際的研究1」。シュルレアリスムについて、またシュルレアリスムとかかわりのあるさまざまな時代・地域の文学・芸術・文化について、多角的に研究する。参加者が各自テーマを立てて発表し、それにもとづいて討論と講義をおこなう。小旅行や美術館・図書館の見学や映画・演劇などの観賞を通じて、できるだけ幅広い視野と知識と理解力・構想力の獲得をめざす。今期はまず美術と「遊び」をテーマとする。
【講義概要(秋学期)】「シュルレアリスムの歴史的・国際的研究2」。春学期と同様の方法と形式によって、さらに多様なテーマをとりあげ、個人および相互間の研究を深めてゆく。合宿や展覧会見学・映画観賞などのほか、随時アーティストや研究者などをゲストに招び、体験と視野をひろげる。
基礎研究Ⅰ
田原 いずみ
【講義概要(春学期)】語彙、文法、構文、文体など様々な視点からフランス語の特徴を理解し、また翻訳作業を通じて日本語と比較した時に見えてくるフランス語の特徴について考察する。
【講義概要(秋学期)】フランス語の時制体系についてのフランス語で書かれたテクストを輪読しながら時制を様々な角度から考察する。特に時制に関わるアスペクト、ムード(法)の問題、各時制の特性、“語り”に用いられる時制の特徴を中心に扱う。
基礎研究Ⅱ
杉本 圭子
【講義概要(春学期)】19世紀フランスの女性の風俗について、小説や評論を読みながら学ぶ。邦語文献、フランス語文献の抜粋をプリントで読み、コメントしあう形で進める。中級以上のフランス語力が求められる。
【講義概要(秋学期)】男女間の「嫉妬」をテーマに、おもに19世紀以降の文学の中でこの普遍的な人間感情がどのように扱われてきたか、具体的な作品をいくつか選んで考察する。手順としては、ラ・ロシュフコーら、モラリストの著作やスタンダール『恋愛論』(1822)などの作家による恋愛論の中に、「嫉妬」の定義や分析をさぐり、その後小説や演劇において嫉妬という感情がどのように脚色されてきたかをみる。シェークスピア、ラシーヌの演劇からはじめて、スタンダール、バルザック、モーパッサンを経て、プルーストへと至る予定。
基礎研究Ⅲ
小野 正嗣
【講義概要(春・秋学期)】 現代の文学/現代フランス文学を参照のこと。
基礎研究Ⅳ
齊藤 哲也
【講義概要(春学期)】絵画と映画と写真。これらの視覚芸術が交錯する「ハイブリッド」な作品を今年度の講義テーマとしてとりあげます。基本的に講義形式ですすめていきますが、毎回、授業の最後にレポートを提出してもらいます。
【講義概要(秋学期)】1920年代でも、30年代でもなく、1960年代に活動したシュルレアリスムの画家たちに焦点を当ててみます。基本的に講義形式で授業をすすめていきますが、毎回、授業の最後にレポートを提出してもらいます。