西岡芳彦

プロフィール

私は1957年に栃木県今市市(平成の合併で現在は日光市)に生まれました。中学卒業まで地元で育ち、高校時代は宇都宮まで電車で通いました。大学生になってはじめて東京暮らしを始めましたが、巨大な東京になかなかなじめず、いまだに東京都民という自覚はあまりありません。1983年から1986年までパリに留学して、「諸国民の春」と形容される1848年革命を勉強しました。文書館で裁判資料を読んで、当時バスティーユ広場界隈に居住していた民衆が革命にどのように関わったかを調べたのです。

その後、1871年の「パリ・コミューン」と言われる事件で、民衆が具体的にどんなことを考えていたのかを研究するようになりました。現在もこの研究を続けています。2010年の5月から2011年の1月までフランスで裁判資料を繙く機会がありました。パリの第12区の区議会や警察や民兵組織の動きを具体的に知ることができました。

2011年度は、3年生のゼミでは、Jacques Rougerie, La Commune de 1871 を読みます。クセジュ文庫に収められている一冊で、専門家が一般人向けに書いた本です。この本を手がかりにしながら、参加学生と一緒にこの事件がどんなものだったかを考えたいと思っています。わかりやすい説明を心がけていますが、学生からの思いがけない質問を期待しています。それによって私の方も勉強になるからです。もちろん私の方から学生に問うこともありますよ。積極的に討論が行なわれる雰囲気になることを望みます。

4年生のゼミでは、Arthur Arnould, Histoire populaire et parlementaire de la Commune de Paris を読みます。この本はコミューンの中央評議員の一人としてこの運動に積極的に参加した人物が事件後に書き上げた本で、彼が何を考えていたかを知ることができます。彼の熱い語り口を感じながら、運動の展開をたどります。ゼミに参加する学生には、この本の勉強を通して自分の卒論のテーマを見つけ出してほしいと思います。一人ひとりが面白い力作を仕上げてくれることを期待しています。