芸術学専攻 (博士前期課程・博士後期課程)

MAJOR OF ART STUDIES

時代に合った柔軟な発想、広い視点を培う専門領域を学ぶ。

 芸術学専攻は、音楽学コース、映像芸術学コース、美術史学コース、芸術メディア論コースの4専修からなります。学生は、それぞれの専門における研究を深めて行くと同時に、専門以外の領域にも視野を広めながら研鑽を積むことができます。
 例えば、映画、ヴィデオなどの映像芸術は、言うまでもなく、美術、そして音楽と相互に極めて深い関係にあります。ですから、いかなる専門的な研究も、関連する諸芸術への幅広く柔軟な視座なくしては成り立ち得ません。既存のジャンルの概念を越える例も数多く見出される近年のアートシーンの活況は、このような広い視野からの研究の必要性と必然性を強く裏付けています。
 本学の芸術学専攻は、各コースに極めて高い水準の講座が用意されているという点で、大変にユニークな専攻です。その総合的な広がりと深さは、芸術学の専門的な研究を志す者にとっては、最も理想的な環境を提供するものであるとも言えるでしょう。
 第一線で国際的な活動を行う教員たちによる多彩な内容の科目の履修を通し、豊かな知識に基づきながら、芸術を自由にとらえ、考えることのできる幅広い視野を持った人材の育成を本専攻では目指しています。
 卒業後の進路としては、研究・教育職はもとより、このような柔軟性を生かした様々な職種が挙げられます。美術館、博物館の学芸員、ホール、劇場の芸術監督、プロデューサーなど、企画・制作の現場を率い、支える仕事、さらに加えて、放送・出版関係などのメディアに関わる仕事も考えられます。

教育目標

博士前期課程
 芸術と真摯に向き合い、様々な文化的・社会的コンテクストのなかで芸術をとらえ、享受する感性を有する人材の養成

博士後期課程
 専門的な研究領域における研鑽に加え、各分野におけるエキスパートとして、専門知識と芸術的感性のバランスを重視し、現代のアートシーンに適応する柔軟な感性を持ち、さらに我が国の学界はもとより、国際的なステージにおいて、リーダーとなる人材の養成

教授担当科目
氏名 主な担当科目 研究指導内容
樋口隆一 教授 音楽学演習 バッハ研究を例に、音楽研究の方法論を身につける。国際音楽資料目録(RISM)のデータベース入力マニュアルの日本語版を作成する。論文執筆のための研究発表に基づく質疑応答。
岡部真一郎 教授 音楽学演習 20世紀音楽/同時代音楽に関する多角的な視座を養うことを目標とする。
石川陽一 講師 音楽学特殊講義 中世からルネサンス期にかけての音楽理論、作曲技法ならびに作品の様式に対する理解を深めることを目標とする。
井上さつき 講師 音楽学特殊講義 モーリス・ラヴェル研究。
林淑姫 講師 音楽学特殊講義 日本近代音楽の生成過程における音楽と思想の問題を把握する。
四方田剛己 教授 映像芸術学演習 1968年と映画の関係について学ぶ。映画と歴史、記憶について思考する。
齋藤綾子 教授 映像芸術学演習 映画理論の原書文献を精読し、理論の理解を深める。
門間貴志 准教授 映像芸術学演習 映画を民族表象の観点から分析し、映画研究における幅を広げる。
石坂健治 講師 映像芸術学特殊講義 地政学的に膨大な広がりをもつ「アジア映画」にアプローチするために有効な方法論とは何か。文献と作品の間を往還しながら討議する。
小松 弘 講師 映像芸術学特殊講義 修士論文を書くための方法と実践について映画史研究を通じて深化させる。
鈴木杜幾子 教授 美術史学演習 西洋近代美術からあるトピック(例:「身体表現」「美術とジェンダー」等)を学び、講義と文献購読によって学んだのち、それを応用して各自の関心に沿った発表を行う。
大原まゆみ 教授 美術史学演習 近代を中心とする西洋美術史について、個別テーマを切り口とし、文献講読や学生発表を通して理解を深める。
山下裕二 教授 美術史学演習 個別の作家研究を通じて、日本美術史の方法論を体得する。
塩谷 純 講師 美術史学特殊講義 細川護立の調査研究。
笠原美智子 講師 美術史学特殊講義 現代美術や現代写真とはどのようなものか。多角的に考えながらその役割と意味を探る。
岡本 章 教授 芸術メディア論演習 舞台芸術の上演における身体と記憶の問題について理論的に探る。
長谷川 一 准教授 芸術メディア論演習 メディア論を実践と理論の両面から学ぶ。とりわけ、身体性・物質性・運動に着目し、そこに生起する媒介性や「芸術」との関係について、さまざまな角度から検討する。

明治学院大学の教育理念 Do for others