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フランス文学専攻 (博士前期課程・博士後期課程)

MAJOR OF FRENCH LITERATURE

フランス文学、文化を斬新な視点から研究。

 フランス文学専攻は、かならずしも「フランス」や「文学」に縛られることなく、さまざまな対象やテーマについて自由で幅広い研究ができるところです。フランス語で書かれた文学の研究を中心としながらも、従来のアカデミズムの枠をこえた現代的な発想と視野と方法を重視しており、文学・文化の諸領域を総合的にとらえることによって、21世紀を積極的に生きるための知識と感性と創造力を養成することが目標です。
  「テクスト性」コースでは、中世から現代までのさまざまなテクストについて、実証主義とは一線を画したかたちで、文学テクストそのものの多角的研究をおこないます。テクストの内容や形式はもちろんですが、創造の諸条件、意味の生成、相互テクスト性など、あらゆる観点からの考察を目指しています。
  「モデルニテ」コースでは、20世紀フランスから世界に広まっていった新しい文学・芸術・思想の越境的研究を行います。いわゆる「フランス文学」にとどまらず、現代のあらゆる文化事象が研究の対象になりうるわけで、そうした研究においては、自分自身がこの世界をどう生きてゆくかも問われることになるでしょう。
 本専攻では、教授と学生 (卒業生なども含む) との密接な交流を重視しています。また留学制度もととのっており、8大学提携による他大学との単位互換制度もあります。そうした豊かな環境のなかで、学生ひとりひとりが将来への多様な道を切りひらいてゆくことこそが、われわれの願いです。

教育目標

博士前期課程
 フランス語圏やヨーロッパの文学・批評 (テクスト性コース) と芸術・思想 (モデルニテコース) に関する高度な教養と見識を身につけ、広く文化的な領域で活躍できる人材の養成

博士後期課程
 複合的な世界観に立った個々の文化研究を深め、日本語とフランス語での自己表現能力を身につけ、研究者として自立できる人材の養成

教授担当科目
氏名 主な担当科目 研究指導内容
朝比奈弘治 教授 19世紀フランス文学 フロベール、ゾラ、ヴァレス、ヴェルヌ、ロビダなど19 世紀後半の小説がおもな研究領域。同時代の挿絵や戯画、クノー、ペレックなどウリポ系の作家、翻訳論などにも関心がある。
石川美子 教授 風景論、自伝文学、現代批評 18世紀における「風景の発見」と「崇高」の概念をめぐる風景論。それにかかわる旅行記作品の分析。あらゆる時代の自伝文学と自伝理論。ロラン・バルトを中心とした文芸批評。
巖谷國士 教授 現代の文学・芸術、そして旅 現代のシュルレアリスムを中心に、各国・各時代の文学・美術・写真・映画・演劇・舞踏・モード・都市・旅など、さまざまな分野の研究をします。各分野のゲストを招くこともあります。
岩切正一郎 講師 フランス近・現代詩 とりわけボードレール以降、詩はどのような独自の表象システムをつくって「現実」を詩的価値へ変換してきたのかを研究しています。授業もそれにそった内容です。
小野正嗣 専任講師 現代フランス語圏の文学 カリブ海やアフリカ出身の作家たちがフランス語で書いた文学作品を対象に、植民地主義の歴史を視野に入れつつ、現代社会における移民問題などについても考察していきます。
慎改康之 准教授 20世紀フランス思想 ミシェル・フーコー、ジル・ドゥルーズなど、20世紀フランスを代表する哲学者たちの分析を行う一方で、映画や絵画等の芸術作品に対する哲学的アプローチを試みている。
杉本圭子 准教授 フランス近代小説・旅行記 19世紀のフランス小説および旅行記、とくにスタンダールの作品を中心に研究。大革命による社会の激変が男女の風俗や個人の価値観、歴史観にもたらした変容をテクストの中に探る。
田原いずみ 専任講師 フランス語学 フランス語を文法(時制、人称など)やその他(ヴァリエーション、フランコフォニー、フランス語史など)多様な側面から考察する。同時に、言語学の知識、分析法を身につける。
永井敦子 講師 シュルレアリスム シュルレアリスムの作品を、特にその今日的意義、あるいはマルローやサルトル、テル=ケルの人々など、同時代の作品との対比という観点から読んでいます。
西岡芳彦 准教授 フランス社会運動史 「社会史」の記述スタイルの具体的な事例として、ギゾーとラブルースをとりあげます。次に1871年のパリ・コミューンに関する原史料を読み、その内容を運動史の視点から分析します。
西谷 修 講師 フランス20世紀文学・思想 G・バタイユ、M・ブランショなどの研究から出発し、戦争論、世界史論、ドグマ人類学、生の閾の思想などを研究。近年はアメリカ論、経済思想批判なども扱うが、文学研究へのノスタルジーも。
長谷 泰 教授 フランス18世紀文学 古典悲劇の向こうを張った音楽悲劇というフランス特有のバロック・オペラと、その重要な要素バロック・ダンスを淵源とするいわゆるバレエの文学的側面=バレエ台本の研究。
湯沢英彦 教授 19・20世紀の文学・芸術 19世紀以降の文学・芸術・文化など、領域を横断的にさまざまな論点を扱う。「記憶」や「刻印」、あるいは「魂」や「身体」といった観点からモデルニスムの新たな読解を試みている。
Jacques Lévy 教授 現代文学・翻訳論・精神分析 フィクションにおける語りの分析、翻訳を通して考える言語表現の特異性、精神分析理論によって拓かれる言語論の可能性などをテーマに、文献の読み方とフランス語での論述や要約の方法を教えます。

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