国際学研究科は、複眼的視野をもった、世界に通用するジェネラリストを育成する、という国際学部の土台の上にあります。その上で本研究科は、国際的視野を持ったプロフェッショナルを育成することを目標とします。人類の直面するさまざまな地球的諸問題に対して果敢な知的挑戦の場となるよう、国際性・学際性・普遍性を柱とした大学院教育を展開しています。カリキュラムは従来の学問体系にとらわれず、研究科生の多様な問題意識に応えるべく問題中心型のものを設定しています。
博士前期課程では、「日本・アジア研究」「平和研究」および「グローバル研究」が3本柱であり、これがさまざまな問題を分析する際の視座にもなっています。学際性を特徴とする本研究科だけに、複数の教員の指導によって、学域にまたがって履修する機会も豊富です。また研究指導においても、担当教員の他に専門の異なる複数の教員が同時に指導をおこなっています。教員スタッフは研究業績豊富な著名な教授はもちろん、外国籍の先生や国際社会で実務経験ある先生など実に多彩で、学生のどのような問題意識にも対応できる陣容です。真の国際化に貢献しようという人の研究意欲に応えるために、NGO・NPOなどでの海外インターンシップ・プログラムも充実しています。
さらに本研究科では、「社会経験者入試」制度を設けています。この制度は社会・職業人経験にもとづき、その分野を専門的に深めようとする社会人や生涯学習を希望する意欲的な社会人のために、大学院の門戸を開放するものです。
氏名 |
主な担当科目 |
研究指導内容 |
大岩圭之助 教授 |
文化創造論 |
経済のグローバル化とそれに伴って拡大する諸問題に対し、文化人類学はどのように扱うことができるか。さまざまなインターフェースに注目しながら、地域研究への新しいアプローチを試みる。 |
原 武史 教授 |
政治社会思想史 |
近現代日本の政治家や宮中側近の日記、手記を通して、大正天皇や貞明皇后、昭和天皇の思想と行動を探り、近代日本を作り上げてきた政治社会の思想の特徴を学ぶ。 |
天野史郎 教授 |
芸術文化論 |
ヨーロッパにおける視覚認識について、その歴史をたどりつつ、その理解を深める。 |
竹尾茂樹 教授 |
比較文化論 |
近代化以降の日本社会の分析を主として、外側から試みた成果が相当な蓄積になってきている。これを批判的に読解し、検討・考察を進めていく。 |
R.Seward 教授 |
コミュニケーション論 |
Communications studies from the perspective of social network analysis and relational data -- focus on contacts,ties and connections in a global context. |
大木 昌 教授 |
国際文化論 |
文化を総合的に学ぶために、従来の狭義の文化ではなく、全体社会の中で位置づけ、文明史(論)的観点から検討する。 |
末内啓子 教授 |
国際政治経済論 |
国際政治経済論の議論とアプローチを理解し、リサーチへの応用を準備する。 |
秋月 望 教授 |
東アジア政治・外交史 |
近代化のプロセスとしての世界秩序観の変容を取り上げる。その題材として、東アジアにおける「万国公法」(国際法)の受容と拒絶の実相を把握する。 |
孫 占坤 教授 |
国際関係法 |
民族問題に関する理論的理解、とりわけ、(1)社会主義と民族問題との関係、(2)国際関係における分離問題の位置づけを受講者に理解していただくことは本講義の目標である。 |
熊本一規 教授 |
環境と政策 |
ごみ、リサイクル政策についての視座を養う。 |
涌井秀行 教授 |
アジア政治経済論 |
本コースは、現代アジアの政治経済を検討することである。「アジアの政治経済の展開・実証分析」にとどまらず、理論的な分析も併せておこなう。 |
江橋正彦 教授 |
開発経済論 |
東南アジア諸国の戦後の経済発展過程をたどり、開発問題の鍵となる要因について考える。また、日本と東南アジア諸国の経済関係を分析し、日本の役割を考える。 |
司馬純詩 教授 |
比較制度経済学 |
ミクロ経済学的手法をマスターして、社会的背景と市場構造の分析をグローバル化進展中の中国と日本を軸に行う。 |
合場敬子 准教授 |
ジェンダー研究 |
課題文献を通して、ジェンダー概念の諸相を把握できるようになること。 |
柴田 有 教授 |
平和の思想 |
まず文化の存在と意義について基礎的な理解に達することを第一の目標とする。さらにそこから、文化の多様性と調和の問題に取り組み、検討を進めていく。 |
吉井 淳 教授 |
国際経済法 |
修士論文の作成を最終目標にして、研究課題の設定、研究計画の立案、先行研究資料の収集と検討を行う。さらにこうした一連の研究活動を通じて、専門性を身に付ける。 |
高原孝生 教授 |
軍縮と平和 |
今日の軍縮問題の基本枠組みを理解する。 |
勝俣 誠 教授 |
アフリカ政治経済論 |
アフリカの大地に息づく暮らしに焦点を当て、村民の立場にたった「開発(カイホツ)」とは何かを研究する。この視点から「南(途上国)」を考える。 |
土屋博嗣 教授 |
日本語教育論 |
日本語教育の初級教科書で扱われている文型を取り上げ、日本語学における研究成果を整理し、比較検討する。演習形式で行い、研究成果をまとめ、教育的見地から文型の用法を整理していく。 |
熊井茂行 教授 |
ラテンアメリカ研究 |
先スペイン期中央アンデスを中心に国家の形成について検討する。ことインカ期にいたる時期を中心とする。 |
戸谷 浩 教授 |
中欧・東欧研究 |
西欧史、オスマン史、ロシア史等との関連の中で、中・東欧史を位置づけてゆくことを目指します。 |
森本 泉 准教授 |
南アジア研究 |
南アジアの特に自然環境について理解を深める。 |
T.Gill 教授 |
マイノリティ研究 |
This course will be conducted in English, and will offer an introduction to the basic theories of British-style social anthropology. |
阿部 望 教授 |
ヨーロッパ政治経済論 |
本講義の目標は、欧州連合(EU)における経済問題とその政策について、体系的に検討することである。特に現代注目されている経済問題(環境問題、雇用問題、社会問題など)に焦点を当てて研究する。 |
平山 恵 准教授 |
NGO論 |
グローバル化によって世界中に引き起こされている諸問題に注目し「公生」な社会づくりに関わる、第三世界及び先進国のNGO,NPO,CBO(Community Based Organization)の動きを考察する。 |
高橋源一郎 教授 |
日本文学・文芸評論 |
社会科学を学ぶものにとって、もっとも必要なものは「批判的知性」である。では、それはどうやって身につくのか。現代日本を代表する「批判的知性」中沢新一の著作を通してそれを検討したい。 |
橋本 肇 教授 |
生命科学論 |
バイオテクノロジー応用利用における有用性と危険性の理解を深める。 |
岡部光明 教授 |
グローバル・ファイナンス |
国際経済はグローバル化、情報化、途上国の発展、地域統合化など大きな変容を遂げつつある。こうした新しい環境の含意とそこでの公共政策のあり方を多面的に検討する。 |
半澤朝彦 准教授 |
国際関係論 |
世界秩序の形成に大きな役割を果たしたイギリスの歴史を詳細に分析する。英語原書を用い、毎回の英文レポート、期末の英文論文の作成が義務。また歴史学の基本的手続きである厳密な史料批判の手法を学ぶ。 |
M.G.Watson 教授 |
比較文学 |
Introduction to the theory and parctice of comparative literature,with readings from the works of Auerbach,Curtius,Barthes,Genette,and Steiner. |
網谷龍介 教授 |
比較政治学 |
比較政治学の基本的な考え方・分析方法を修得する。特に統治機構間の関係と政党に関する理解を深める。 |
大川玲子 准教授 |
イスラム思想論 |
イスラーム教の持つ独自の価値観「ジハード」を理解し、現状分析の基礎とする。 |
A.Vesey 准教授 |
仏教文化史 |
This course will examine the impact of Buddhism on history of 19th and 20th century East Asian - Western cultural interactions |
田 暁利 専任講師 |
中国政治経済論 |
現代中国の経済成長、所得分布、社会的・政治的安定性という三つの現象の相互関係を明らかにし、中国経済・社会・政治の未来像を深く理解することは本研究の指導内容です。 |
浪岡新太郎 専任講師 |
政治社会学 |
投票などの一般的な「政治参加」におけるマイノリティとしての移民が、どのようにしたら充分に「政治参加」できるのかを「アイデンティティ」の観点から考える。 |
田中桂子 准教授 |
Comparative Education |
This course addresses questions about global multilingualism by exploring the nature and scope of language-related issues,focusing on language politics and policies across countries in the world. |
岩村英之 専任講師 |
国際金融の政治経済学 |
国際マクロ経済学とゲーム理論を用いて、広義の金融政策をめぐる国際/国内政治過程とその経済的帰結の相互作用を描写する理論モデルをレビューする。 |