心理学専攻 (博士前期課程・博士後期課程)

MAJOR OF PSYCHOLOGY

現代社会の要請に応える、確かな専門能力を持った人材を養成。

 心理学専攻博士前期課程は、現代社会の要請に応えて、「こころを探り、人を支える」ことのできる人材養成に力を入れています。そのために、心理学の基礎領域の研究、および高度な実践家の育成をめざしています。
 こうした教育を行うために、発達心理学、障害児・者心理学、臨床心理学、精神医学、社会心理学、生理心理学等のほかに、実習を重視したカリキュラム編成をしています。
 博士前期課程は、教育・発達心理学コースと臨床心理学コースの2コースとなっています。「教育・発達心理学コース」では、基礎領域の研究者、教員、障害児・者の指導者、子育て支援従事者、成人・高齢者支援従事者等の専門家の養成とスキルアップをめざします。このコースの修了者は、学校心理士、臨床発達心理士の受験資格や教員専修免許 (高等学校「公民」、特別支援学校) を取得することができます。「臨床心理学コース」は、「 (財) 日本臨床心理士資格認定協会」の臨床心理士養成のための指定大学院 (第1種) となっています。このコースの修了者 (3月修了者) は、修了年の秋に臨床心理士資格試験を受験することができます。
 さらに、本専攻では、社会人入試制度も行っています。
 博士後期課程は、「教育・発達心理学分野」および「臨床心理学分野」をカリキュラムの柱とし、それぞれの分野における研究者および実践家の指導者の養成をめざします。2つの分野における特別演習科目に加え、特別講義科目を修得することにより、学生の個別専門的な研究に偏らない広い研究的視野の形成をねらいとしています。これらの博士後期課程担当教員はすべて博士号を有する専任教員を配置し、充実した研究指導を行っています。

教育目標

博士前期課程
 幅広い心理学的素養を基盤にし、支援の場で活躍できる実践力のある人材の養成又は、後期課程に進み研究職を目指すために必要な研究能力を持つ人材の養成

博士後期課程
 個人への支援及び地域社会への支援を実行できる実践家の指導者の養成および、基礎的研究、実践的研究、さらに両者を総合する力を持つ研究者の養成

教授担当科目            
専任教員 主な担当科目 研究指導内容
藤崎眞知代 教授 発達心理学特論 少子高齢化・情報化社会での子どもの発達と人とのかかわりについて、臨床発達心理学、及び生涯発達心理学に関する国内学の知見に基づいて学修し、育児・保育現場における発達支援のあり方について考察する。
山崎 晃 教授 臨床発達心理学総論 基礎系心理学、臨床発達心理学の修得をめざす博士前期課程1年生を対象に、臨床発達心理学に関する基礎的事項を学修し、実践論文の読み方・書き方等を学ぶ。
花田安弘 教授 生理心理学特論 海馬と学習記憶の関連について、海馬の構造や、破壊実験、記録実験などの論文を検討することにより、理解することを目標とする。副次的目標として、英語論文読解力の向上をめざす。
岩男卓実 准教授 心理学研究法特論 Hayes著「Doing Psychological Research」の輪読を通し、抽象論ではなく、心理学研究を実際に行う際に必要となる質問紙法・観察法など具体的知識を身につける。
金子 健 教授 特別支援教育学特論 障害のある児童・生徒を対象とした、特別支援教育の理念と実際について学修し、理解をめざす。その上で、その課題について検討・考察を行う。
緒方明子 教授 障害児・者心理学特論 障害児・者と家族あるいは支援者が現在の日本社会で生活する中で必要とする支援の内容と支援の在り方について知り、考察することを目的とする。
小林潤一郎 教授 障害児医学特論 知的障害の病理に関する知識を学び、障害の特性や基本症状が学校生活にどのような制約を与えうるかを理解する。知的障害のある児童・生徒に対する特別な教育的支援、心の健康支援の方策と課題を考察する。
宮本聡介 准教授 社会心理学特論 社会生活を営むわれわれ人間の認知的特徴を、社会的認知を基盤とした理論、モデルから理解し、これを社会問題の解決にどうやって応用できるか、その可能性を探ってゆく。
阿部 裕 教授 精神医学特論 精神医学の概念や方法論を、心身医学や臨床心理学と比較しながら学習する。続いて、種々の精神疾患の歴史と概念、精神症状、発症要因、診断、治療、経過、予後などを学び、理解を深める。
井上孝代 教授 臨床心理基礎実習 面接のプロセスに沿って求められる基本的な技法を「マイクロ・カウンセリング技法」を参考に学びあう。「共感」の意味を理解し、「聴く」スキルの習得し、また、インテーク面接の方法、面接の進め方を学ぶ。
金沢吉展 教授 臨床心理学特論 高度専門職業人としての臨床心理士について、その職能と社会性についての理解を確立することをねらいとする。
佐野直哉 教授 臨床心理面接特論 慢性統合失調症(精神分裂病)や境界例(Borderline)の個人心理療法などへの臨床心理面接における様々な力動を理解し臨床心理面接の特殊性を学び、知識や技法を修得する。
清水良三 教授 学校臨床心理学特論 学校という教育の場そのものを、一つの臨床事例と捉えるという視点を学び、その際の臨床心理学的見立てと援助の方法について理解する。
杉山恵理子 教授 グループ・アプローチ特論(集団療法) 集団心理療法の理論と実際について理解し、それを基礎としてさまざまなグループアプローチの基本的技術に触れ、グループ運営上の自己課題を発見することを目標とする。
市川珠理 准教授 投影法特論 投影法の習熟には、技法・理論に加えて、事例を通しての学習と臨床経験の中での研鑽が必須。ロールシャッハテストを主とする投影法とアセスメントについて学び、今後の学習の基礎を築くことを狙いとする。
岡田和久 准教授 臨床心理実習 心理療法や心理査定の能力、職業倫理、自らの精神保健を保つ力、他職種との連携能力など、基本的心理臨床能力を育てるための、学内外での臨床心理実習を指導する。
田中知恵 准教授 産業心理学特論 産業・組織場面での人間行動を心理学のアプローチにより明らかにすることを目的に、モチベーションやリーダーシップなどのテーマについて、研究論文や資料を基にその理論と成果を紹介する。
野末武義 准教授 家族心理学特論 臨床実践でクライエントの問題を理解することに役立つ、家族心理学的・家族療法的知見について学ぶ。家族の心理的世界・相互影響関係、さらに家族を取り巻く社会システムなど、多角的かつ統合的に考察する。
野村信威 専任講師 老年心理学特論 生涯発達心理学の視点から、成人期から老年期の正常な老化過程と異常な老化過程の鑑別、とりわけ認知症の心理学的理解を深め、その支援技法についても学習する。

明治学院大学の教育理念 Do for others