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フランス文学専攻 (博士前期課程・博士後期課程)
MAJOR OF FRENCH LITERATURE

フランス文学、文化を斬新な視点から研究する

フランス文学専攻は、かならずしも「フランス」や「文学」に縛られることなく、さまざまなテーマや対象について自由で幅広い研究のできるところです。フランス語で書かれた文学の研究を中心としながらも、従来のアカデミズムの枠を超えた現代的な発想と視野と方法を重視しており、文学・芸術・思想の諸領域を総合的にとらえることによって、21世紀を積極的に生きるための知識と感性と創造力を養成することが目標です。文学に関しては、中世から現代までのさまざまな作品について多角的な研究を行います。テクストの内容や形式はもちろんですが、創造の諸条件、意味の生成、相互テクスト性など、あらゆる観点からの考察を目指します。そして芸術や思想に関しては、20世紀フランスから世界へと広まっていった新しい潮流を中心に、越境的に研究します。いわゆるフランス文学にとどまらず、あらゆる文化事象が現代的視点からの研究の対象になりうるわけで、そうした研究においては、自分自身が現代世界をどう生きてゆくかも問われることになるでしょう。本専攻では、教員と学生(修了生なども含む)との密接な交流を重視しています。また留学制度も整っており、8大学提携による他大学院との単位互換制度もあります。そうした豊かな環境の中で、院生一人ひとりが将来への多様な道を切りひらいてゆくことこそが、われわれの願いです。

TOPICS

長期留学制度

レンヌ第2大学、コート・ダジュール大学およびエクサンプロヴァンス政治学院への1年間の長期留学制度があります。フランスの大学の正規の授業をフランスの学生といっしょに受講することができます。

大学院委託聴講生(単位互換)制度

大学院委託聴講生制度とは、協定を結んだ各大学院に在籍している学生が、所定の規則に沿って他の大学院の開講科目を履修し、その単位が認定される制度です。フランス文学専攻では青山学院大学、学習院大学、白百合女子大学、上智大学、獨協大学、武蔵大学、明治大学の7大学院と提携を結び、10単位の限度内で、修得単位を課程修了所要単位として認めています。研究をより充実させるため、指導教授と相談の上、有効に活用してください。

給付型奨励金・補助金制度

文学研究科に在籍する学生(主に博士後期課程)の研究支援を目的として、原則各年度6名に海外における調査研究や発表の費用の一部(一人10万円、または20万円※海外のオンライン会議への参加は最大5万円)を奨励金として給付します。また、文学研究科に在籍する学生を対象に国内の学会参加旅費に対する補助金(1人3万円まで)を給付します。

インタビュー


渡邉 伶奈
フランス文学専攻
博士前期課程 2018年3月修了

好きなものを好きなだけ追求する その学びのエッセンスを現職で活用

中学生の時に初めてクロード・モネの作品を観た衝撃は、今でも忘れられません。私は、その影響からフランス文学に関心を持ち、明治学院大学のフランス文学科に進学。フランス語だけでなく当時の風俗や時代観など多角的な視点でのフランス文学を学びました。卒業後、一旦は就職をしましたが学ぶことへの不完全燃焼さが拭えず、一念発起して明治学院大学大学院で改めてフランス文学を学ぼうと決意しました。大学院では、モネの庭づくりと作品制作の関連性についての研究を行い、モネの人生や思想家としての面について、これまで学ぶことのなかったより専門的な知識を得ました。また、好きなものを好きなだけ追求してきたことで、周囲の評価を気にせず自分の判断に自信を持つ「自分軸」を形成できたことは何よりの成長であったと思います。現在私は、社会人教育の仕事に従事していますが、リーダーシップを養う上で「自分軸」は欠かせない要素です。身をもってその大切さを経験してきたことで、自信を持ってコーチングすることができていると感じています。

修了後の進路

研究科ごとの修了後の進路(過去3年間の実績)

2024年度 専門分野/開講予定科目 担当教員紹介


博前博士前期課程の研究指導 博後博士後期課程の研究指導

氏名 専門分野/開講予定科目 授業内容
齊藤 哲也 教授
博前博後
シュルレアリスム・表象文化論 シュルレアリスムの文学・絵画・写真・映画などを理論と歴史の両面から研究。同時代の文学・芸術との差異をつうじて、モデルニテについての言説の再構築を試みている。
慎改 康之 教授
博前博後
20世紀フランス思想 ミシェル・フーコー、ジル・ドゥルーズなど、20世紀フランスを代表する哲学者たちの著作の分析を行う一方で、映画や絵画などの芸術作品に対する哲学的アプローチを試みている。
杉本 圭子 教授
博前博後
フランス近代小説・旅行記 19世紀のフランス小説および旅行記、特にスタンダールの作品を中心に研究。大革命による社会の激変が男女の風俗や個人の価値観、歴史観にもたらした変容をテクストの中に探る。
田原 いずみ 教授
博前博後
フランス語学 フランス語を文法(時制、人称など)やその他(ヴァリエーション、フランコフォニー、フランス語史など)多様な側面から考察する。同時に、言語学の知識、分析法を身につける。
畠山 達 教授
博前博後
フランス近代詩・教育史 フランス近代詩全般を扱う。特に詩法・レトリックの観点から詩作品を読み解く。詩人が言葉に込めた意味を様々な角度から徹底的に追求し、言葉の持つ力や効果について検討する。「詩」とは何か考える。
湯沢 英彦 教授
博前博後
19・20世紀の文学・芸術 19世紀以降の文学・芸術・文化など、領域を横断的にさまざまな論点を扱う。「記憶」や「刻印」、あるいは「魂」や「身体」といった観点からモデルニスムの新たな読解を試みている。
梅澤 礼 准教授
博前博後
近代フランスの文学と社会 近代社会の成立のなかで、精神障害者や犯罪者など少数派の人々がどのように扱われてきたのかを、歴史資料と文学作品をもとに研究している。
大池 惣太郎 准教授
博前博後
テクストおよびイメージの歴史と記号論、20・21世紀文学 20世紀以降、人文諸学は人間をどのような存在とみなし、定義してきたか。フランス現代文学を中心に様々な教材を用いながら、自分たちの今を批評的に考える方法を探る。
鈴木 和彦 准教授
博前博後
19・20世紀文学 フランスロマン主義の特色を、ドイツ、イギリスをはじめ近隣諸国のロマン主義との比較検討を通して総合的に捉える。また、今日のマグレブ文学や現代詩にも関心がある。
Marie-Noëlle BEAUVIEUX 准教授
博前博後
比較文学 日本文学とヨーロッパ言語の文学の関係を研究している。特に、20世紀初頭の短編小説、アフォリズム、断片的な詩などに興味がある。
朝比奈 弘治 講師 19世紀フランス文学 フローベール、ゾラ、ヴァレス、ロビダなど19世紀後半の小説が主な研究領域。同時代の挿絵や戯画、クノー、ペレックなどウリポ系の作家、翻訳論などにも関心がある。
石川 美子 講師 風景論、自伝文学、現代批評 18世紀における「風景の発見」と「崇高」の概念をめぐる風景論と風景画。それに関わる旅行記作品の分析。あらゆる時代の自伝文学と自伝理論。ロラン・バルトを中心とした文芸批評。
Jacques LÉVY 講師 文学理論・翻訳論・精神分析 文芸批評、物語論、フィクション論、翻訳論及び精神分析理論といった領野の文献の読み方とフランス語での論述や要約の方法を教える。

入試情報

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