広報委員ブログ

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2011年を振り返る -公開授業「3.11を考える」を取材して Part.1-

12月に入り、2011年も残すところあと少しとなりました。
みなさんにとって、今年はどんな一年だったでしょうか。

今月のブログは、2011年の出来事を振り返り、その中でも最も大きな出来事、学ぶことの多い東日本大震災について取り上げ、
それぞれ自分自身が2012年へ何を繋ぐのかを考えるきっかけにしたいと思います。

そこで、これから2回に渡って、国際平和研究所にて開催している公開授業 「3.11を考える」を取材し配信します。

この授業は、毎週火曜4限(白金校舎)、様々な分野の講師をお招きして、 この東日本大震災について考えてゆく講座です。

「3.11を考える」チラシ

まずは、11月29日の第9回に講師としてお話いただいた、作家・ジャーナリストの吉岡忍氏(以下先生)の
「被災地を歩いて」というテーマの講演について概要と様子を紹介します。




まず始めに、先生は実際に被災地に行かれた時のことを話してくださいました。
テレビの報道でも見ているように、被災地には瓦礫が多く、歩ける状態ではなかった そうです。
しかし、報道などで見ているのは単なる情報にすぎず、
自分自身の体験ではなく、記号としての情報に踊らされていたことに気付きます。
先生は解放感を覚えたそうです。
今まで考えていたことが、いかに余計なことを考えていたか。

東北といえば、仙台や盛岡、漁港などのイメージがありますが実際のところを私たちは、ほとんど知りません。
漁に使う網、いかだをはじめ、私たちは漁師の仕事を知りません。
わかめの種付け、収穫、加工やカキの養殖、卵(幼生)を付着し育てること、
ホヤの卵を育てて、ほかの浜へ売っていることも知りません。
漁は生態系を利用していますが、今回の震災で浜は全滅してしまいました。

私たちの食卓はどうなるでしょうか?
魚は季節と食文化を支えています。
食べ物からの感受性に影響し、文化の基盤も大きく傷ついてしまいました。

被災者は災害弱者なのでしょうか?
…そんなことはありません!
「これから生きていこう!」
…強く生きようとしている、
一番強い思いは被災者から伝わってきます。
しかし、救済は進んでいません。

漁業の復興はどうでしょうか?
被災者は、残った材料を拾い集め、拾ったものは、
3年間すべての漁師たちで共有することに決めました。
今まで養殖していたものは天然に切り換えました。
意気消沈した20代,30代の若い漁師もいました。
作業が進まないこともありました。
しかし、「私たちも手伝うから、あなたたちも頑張って」
無言のメッセージと共に、女性たちも積極的に手伝いました。
浜の復興に、女性もたちが活躍しているのです。

そして、外から人が来ないため、自分が何とかしていかないとダメだ、という自立心の強い島部など、
故郷への想いから復興を自分たちで進める地域もありました。
一方、ニュータウンでは復興の気配がないために、
ほとんどの人が出て行ってしまうというところもありました。
そこには、暮らし、理想が破壊されたことによって、
“暮らす”という意味を考えざるを得ない現実が目の前にありました。

他にも、先生は津波と防潮堤の仕組みを絵を描いて説明してくださいました。

「3.11を考える」吉岡先生

そして最後に先生は、人間の技術に対する過信について言及されました。

『核爆発が制御できる…?!
根拠のない楽観です。
人間の力を過信し、人間というものをどう考えるかの想像力が欠けていることへの傲慢です。
傲慢と楽観が合わさって生まれるのは惨事に他なりません。』

先生はおっしゃられました。

『想像力がないということはモノを知らない、ということであり、調べればわかることも怠ってしまう。
知識(デジタルや映像)で知るのではなく、実際に赴いて、自分の知識に体験を植え込む。
そして、人の生の声を聞いて、直接、経験を積む。
“言葉の人間化”を大切にする。
生の経験を積むことで、本物が見えてくる。
だから自分も、何か自分の経験や体験を通じて知ったことしか、信じない。
そして、それは資料となる。
今がどういう風になっているのか、この世の中がどう変わっていくのか、考えていきましょう。』

実際に自分の眼で見ないとわからないこと、知っていると思っていても、間違った傲慢にすぎないこと。
そして、その傲慢は、後で私たち人間に必ず返ってくる。
技術に頼るのではなく、自分自身が行動することが、何よりも大きな糧となること。

これからは気付かずに流してしまわないよう、考えていきたいと思いました。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回はカナダ大使を招いての「海外からの支援」というテーマについて配信予定です。
お楽しみに。

(学生広報委員:政治学科2年 奥野麻莉菜)


明治学院大学 国際平和研究所(PRIME)の提供科目「3・11を考える」
毎週火曜4限(14:45~16:15)白金校舎3102教室にて開講しています。
残りの講義は12月20日、1月10日・17日です。
一般の方も聴講可能(事前予約・申し込み不要)ですので、ぜひこの機会に明学にいらっしゃってください。


(講座の詳細・お問合せ)
明治学院大学国際研究所(PRIME)TEL:03-5421-5652
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