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授業の内容-新しいカリキュラム・新しい学び

新しい法曹養成制度と複雑化した現代社会の多様なニーズに対応し、法律学科カリキュラムを新しいものにしました。
(2005年度生以降に適用)


Ⅰ.「新しいカリキュラム・新しい学び」の考え方

① 新しい法曹養成制度・法科大学院時代の法学部教育

原則、法科大学院修了者にのみ司法試験の受験資格を与える新しい法曹養成制度が始まりました。法科大学院時代の法学部のあり方については、学界、法曹界をはじめとして社会全体で様々な議論が交わされました。我々明治学院大学法学部法律学科では、ⅰ ) 法律知識・法的思考を身につけた人材を企業、行政を中心とした社会に輩出し、安定した社会の形成と社会正義の実現に寄与してきた法学部の基本的役割は今後ますます高まっていく、ⅱ ) 法曹養成の側面でも、 法科大学院は、2~3年の短い期間に、数多くの法律科目、実務科目を履修した上で、司法試験に備える必要があるため、現実問題として、法律の基本的考え方や社会的機能などについて学び、じっくり思考力を鍛えて、真の法律家としての実力をつける場所は、法学部以外にありえない、との認識に立ち、冷静に社会を見つめ、問題解決策を導ける「真の法律家」の養成が当学科の社会的使命であると考えます。  

この観点から、ⅰ ) 基本科目の徹底した理解を目的にした重点的教育とⅱ ) 現代社会の現実的問題解決を指向した幅広い科目提供による、法学教育の充実を図りました。

② 複雑化する社会と法に対応するための基本科目の重要性

 いま、我々の社会はかつてないスピードで変動しており、今までの制度、社会規範、我々の生活との関係で様々なひずみが生じています。このようなひずみに対応して毎年数多くの法律が制定・改正され、我々の生活に密着した重要な法律(例えば、ゴミ処理の仕組み目的とした廃棄物処理法、事業者と消費者の様々な取引を規制する特定商取引法など)は毎年のように重要な改正が続いています。我が国の法制度の根幹をなす基本六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)でも、この 10 年で姿を全く変えていないのは憲法だけです。5年前の表層的な法知識は、ほとんど役に立たなくなっています。

このような時代だからこそ、法律家には、我が国の法制度の基礎をなしている、憲法、民法、刑法を中心とした基本的法分野の理解がますます必要不可欠なものとなっています。明治学院大学法律学科では、学生がどのような問題に興味を持ち、どのような進路を歩むにせよ、基本的法制度のものの考え方(原理)、法制度により解決されるべき社会事象とその問題点、現行制度の限界と制度改革の方向性などをしっかりと理解し、自ら問題を考える力をつけることが重要だと考え、基本科目を学生が徹底的に理解できる教育体制を整備中です。その第一段階として、1年次での少人数の導入教育、2年次での基本科目の定着・深化を目的にした演習、及び3年次での基本科目の実力強化を目的にした特講・演習を実施するとともに、基本科目の履修を誘導する科目群編成と学科科目要求単位数の引き上げを行いました。

③ 現代の社会問題を解決するアプローチ

 法律学科では、上記のように基本科目の徹底理解を第一の目標にしています。しかし、基本六法それ自体は、我が国の法律現象(法律によって制度設計、利害調整、問題解決などがおこなわれている社会の営み)の中では、ごく限られた機能しか果たしていません(基本六法は、直接的には、裁判官が裁判で用いるルールのしかも基本的な部分を定めたものにすぎません。裁判規範)。われわれの日常生活は、数多くの行政法規によって支えられており、紛争が起こった場合にも各事象に対応して各種の特別法(代表的な例として、労働法分野、消費者法分野など)が定められており、これに基づいて裁判が行われています。これらの法律は、社会問題の変化に応じて形式・内容を変化させており、これらの法律及び具体的問題にアプローチするには、基本六法をその基礎にしながらも、分野ごとに、より具体的に独自の問題整理・問題解決を必要とします。

現代社会の法律問題を解くことにこそ、法律を学ぶ意義があり、現代の社会問題を解決することが法律を学ぶ者の社会的使命といえるでしょう。明治学院大学法学部は、このような問題意識から、現代の法律問題を学ぶ「消費情報環境法学科」を 2000 年に設置し、企業活動法、消費者法、環境法分野で他大学にはない豊富な科目数・体系的カリキュラムを提供してきました。2学年分の卒業生を送り出し、学科名のユニークさだけでなく、現代社会に直接必要な法律を大学でしっかりと学んでいることが企業からも評価されています。消費情報環境法学科開設当時から、法律学科でも選択科目(「関連部門」)としてこれらの科目のほとんどが履修可能でしたが、積極的に取り組む機会を設け、現代の法律学の課題に挑戦する力をつけて欲しいと考え、選択必修科目に取り入れました。

ただし、各科目を入門から、憲法、民法、刑法の基本科目、行政法、商法と積み重ねてきた、これまでの公法、民事法、刑事法分野ごとの導入→基礎→基本の上の発展科目と位置づけ、各科目をこの観点から系統づけて配置し、基本法の応用として見てゆく点で、消費情報環境法学科とは異なる視点を持っています。現代の問題に取り組む発展的法分野を学ぶことにより基本科目で学んだ制度や議論の理解が深まる点にも、これらの科目を学ぶ意義があると考えています。

また、法律学科の専任教員の研究テーマで社会的ニーズが高まっている発展的法分野を、独立の科目として新設しました。現代の法的課題に高い水準で積極的に取り組んできた明治学院大学法学部の研究を教育に反映させ、社会に還元するのは、研究・教育機関としての大学の社会的責務と考えるからです。

④ 意欲ある者への積極的支援と指導体制

法律学科では、法律家としての実力をつけ、将来、法曹、公務員、各種法律資格の取得を目指す者や研究者を志望する者を積極的に支援する体制、意欲ある者へできる限りきめ細かい教育ができる指導体制を検討しています。第一段階として、教員が学生一人一人に目が行き届く少人数クラスでの指導を入門科目に導入し、2年次演習、3年次での各分野の特講・演習を意欲ある参加者を対象に展開します。

また、カリキュラムには表れていませんが、基本科目のクラスをできるかぎり多く設定し、一クラスの履修者数を一定限度に押さえる努力をしています。学生の学習環境をできる限り良好なものとし、教育の効果を上げてゆきたいと考えるからです。できる限り、望む者一人一人に対応してゆける体制の整備がわれわれの理想であり、目標です。



Ⅱ.カリキュラムの特徴

① 1年次に民事法入門、刑事法入門を設け、 35 ~ 40 名程度の少人数クラスで双方向教育を実施しています。

これからの学びの重要分野である、民事法、刑事法の導入を具体的な事例を中心に各分野の教員が指導します。一方的な講義ではなく、課題についての質疑応答、小レポートなどの方法で学生の理解度を測りながら、民事法(民事裁判)、刑事法(刑事裁判)とはどのような世界なのか、それぞれ基本となるものの考え方・ルールを学生に知ってもらい、2年次以降の各分野の科目をどのように学んでゆけばいいのかを理解してもらう授業を展開します。

② 2年次演習を設け、法律家に必要な基本法律科目の定着を目的とした少人数ゼミを展開しています。

 憲法、民法、刑法を中心に、1,2年次で学ぶ基本科目の定着・理解の深化を目的としたゼミです。1年次の法学基礎演習で訓練した調査、報告、議論等ゼミの技法を用い、講義科目の重要論点を掘り下げたり、重要判決を検討したり、講義科目で得た知識を問題解決につかってみたりすることにより、学生が自ら知識を定着させ、関心・興味を拡げてゆく場です。法科大学院進学、公務員試験受験、司法書士等各種法律資格の取得を考えている人、法律を本格的に勉強したいと考えている人は、積極的に参加してください。

③ 3年次に公法、民事法、刑事法各分野の特講・演習を設け、高度な法知識の獲得と法的思考力の強化を支援します。

公法(憲法、行政法)、民事法(民法、商法、民事訴訟法)、刑事法(刑法、刑事訴訟法)基本科目を範囲として、通常授業では扱いきれない部分や高度な問題の学習、重要論点・重要判例の検討を展開します。法科大学院進学や各種法律資格試験をめざす人に履修してほしい科目です。

④ 法人税法 1 ・ 2 、EU法、成年後見法制など時代の変化と社会のニーズに対応した科目を新設しました。

企業活動に関する法律の中で重要度の高い「法人税法」を租税法から独立させました。理論・実務両面から企業活動と税の関係を学ぶことができます。また、国際社会の中で政治的経済的に重要な地域の一つであるヨーロッパの政治機構 EU の法制度を学ぶ「 EU 法」を設けました。政治機構としての EU の特徴、 EU と加盟各国の動向などをふまえながら、 EU 法と各国内法の関係、現在の EU 法の諸課題などが学べます。両科目とも、法律学科で先端的・発展的課題を扱ってきた「法律学特講」から生まれた科目です。
さらに、2007年(~2008年度まで)の教学改革アクションプラン、2009年度教育支援プロジェクト(学内GP)の採択により、「成年後見法制」に関する7つの講座(「成年後見法制1」「成年後見法制2」「比較成年後見法制」「成年後見制度実務」「成年後見と社会福祉」「成年後見制度実務演習」「成年後見法制演習」)も設けました。これは、将来本格的に到来する高齢化社会の担い手となる学生に、精神能力の減退した高齢者・障害者達とどう向き合い、法的観点からこれにどう対処すべきかを自らの問題として捉え考えてもらうことを企図した、まさに現代の社会的ニーズに対応する講座といえます。 → 成年後見関連の講座開講のお知らせ

⑤ 企業活動法、消費者法、環境法などの発展的・先端的科目を充実させ、選択必修科目に取り入れました。

今まで選択科目であった、グローバル企業法、金融法実務などの企業活動法分野、消費者取引特別法、消費者行政法などの消費者法分野、環境問題の展開と法、環境国際法などの環境法分野の発展的・先端的科目を、選択必修科目に取り入れました。現代社会の問題と法的解決の手法を知ることは重要であり、学生に積極的に関心を持って取り組んでほしいと考えるからです。また、今まで学んできた基本科目を中心にした法律学が現実社会でどのように使われ、また限界を持っているかを知ることで、基本科目の理解が深まるという効果もあります。国際取引で用いられる英文契約書の作成を中心とした「法律英語演習」も履修できるようになりました。

⑥段階的学習を支援するため、一部の科目の配当年次を見直しました。

カリキュラム全体のバランスと段階的学習の観点から、国際法1 A ・ B を2年次(旧1年次)、英米法 1-1 、 1-2 を3年次(旧2年次)に配当し直しました( 05 年度生より)。2006 年度以降、さらに効率的な段階的学習を可能とするため、基本科目の配当年次の変更を検討し、少人数教育の徹底と法律基本科目の導入教育段階への拡大などを行いました。 さらに、2008年度からは、導入教育をよりいっそう重視するとの観点から、1年次配当の「法学基礎演習」・「民事法入門」・「刑事法入門」・「基礎法入門」および2年次配当の「2年次演習」なども科目の授業内容の見直しや改善などを行って、1~2年次から学生達が積極的に法律学に興味・関心を持ち、自らの志向に合わせて早い段階から将来設計を行えるような科目内容の改変・充実を進めております。

⑦科目群と卒業単位数を見直しました。

法律家として必要な基本的知識と問題能力を最低限みにつけて欲しいとの考えから、基本科目を重点的に学ぶよう一定の方向付けを与えた上で、本人の進路・関心に応じた自由な履修が可能になるよう抜本的かつ体系的な科目群の見直しをしました( カリキュラム参照 )。これに伴い、必修・選択必修科目の卒業要件単位数を 70 単位(従前は 48 単位)とし、選択科目を含めた学科科目全体の要件単位数を 84 単位(従前 68 単位)としました。

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