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履修計画の立て方(2006年度生以降)

Ⅰ はじめに

 法学部法律学科では、学科科目だけで 130 を超える科目を提供しています。これらの科目から段階的・系統的に法律学を修得できるよう、学科科目群による必修・選択必修制を導入しています。これは、学生各自の個性と自主性を認めた上で、法律学を学んだと法律学科が認めるミニマムであり、学生各自が自分にあった履修計画を立てることからも必要なことです。
  以下、法律学科科目の構成の説明(Ⅱ)、将来の進路・関心に応じた履修の考え方、履修を勧める科目等(Ⅲ)を示します。参考として下さい。なお、 卒業要件の充足については、各入学年度ごとの「履修の方法」、「科目一覧」等を熟読し、各自の責任で注意して行ってください 。

Ⅱ 法律科目の科目構成

 1.法律分野の概観

 実定法分野(我が国で現実に施行されている法律を研究する分野。これに対し、法律の歴史・思想・哲学的考察、外国の法律等を研究する分野を「基礎法分野」という)は、伝統的法律学の分類では、公法分野、民事法分野、刑事法分野に分かれています。

 公法分野 は、国家の組織・作用、国家・行政機関と市民との権利義務関係を扱う法分野であり、憲法を基本として、行政法、租税法などが中心をなしています。

 民事法分野 は、私人間(個人間、個人と企業、企業間など)の権利義務関係を扱う法分野であり、最終的に民事裁判による紛争解決が予定されています。民法が基本法であり、商人(主に企業)に関する特別法である商法、労働関係の特別法である労働法、裁判による権利の実現を保障する民事訴訟法などがその中心をなしています。

 刑事法分野 は、犯罪と刑罰について扱う法分野であり、国が犯罪被疑者を訴追する刑事裁判をその中心舞台としています。基本的な犯罪類型と犯罪と刑罰の原則を定めた刑法が基本科目であり、刑事手続きのルールを定めた刑事訴訟法、犯罪者の処遇や犯罪抑止のための施策を検討する刑事政策などがその中心をなしています。

法律分野の分類 (概念図)

法律分野  基礎法分野

法律の歴史・思想・哲学的考察・社会学的考察
外国法
 実定法分野 公法分野   国家、国民の権利、行政活動
民事法分野  民事裁判、財産・取引・生活
刑事法分野  刑事裁判、犯罪・社会防衛


2.明治学院法律学科の科目構成

*本節の説明で用いられている科目分類、要求単位数は 2006 年度生以降のカリキュラムのものです。しかし、各科目の位置づけは、 2005 年度以前生にも妥当するものであり、参考として下さい。

① 実定法の段階的学習
明治学院大学法律学科のカリキュラムは、公法、民事法、刑事法の実定法3分野を系統的に、
導入→基礎→基本→発展・定着
と段階を追って学べるよう、構成されています。

導入
社会や法律についての知識がない1年生に、法律が対象とする社会事象と法律の機能について基本的な知識と考え方に触れてもらう段階です。公法分野では憲法1の導入部分、民事法では民事法入門、刑事法では刑事法入門がこの段階に当たります。また、法律学一般の基本概念について学ぶ基礎法入門、1年生向けのゼミである法学基礎演習も導入段階に位置づけられます。

基礎
法律学は体系的な学問です。一般的、基本的法律分野の知識・考え方を基礎・前提として、個別的、具体的法律分野が組み立てられています。従って、どのような分野に重点をおいて学ぶにせよ、法律を学ぶ上での必ず学んでおくべき基礎的事項があります。このような法律学の核に当たると考えられる科目を法律学科では、必修科目として単位取得を義務づけています。

基本
基本六法(憲法、民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法)と行政法は、伝統的に法学部で中心科目として講じられてきた科目であり、法曹(裁判官、弁護士、検察官)、行政官に必須の知識と長い間理解されてきました。社会が複雑化した現在においても、これらの科目は、重要な法分野であり、特に法科大学院に進学して法曹をめざす者には、必ず習得しなければならない必須科目です。さらに、発展的法分野の基本であり、各系統ごとに発展的法分野を理解するには、その系統の基本法理解が必要となります。このような観点から、基本六法と行政法を基本科目とし、さらにその内部での学習上効率上の順序、社会における重要性、発展科目での必要性から、必修科目、 A ~ C 群に整理し、それぞれ要求単位を設けています。要求単位を充たしながら各自が履修計画を立てることで基本科目の効率的習得、及び発展的科目の前提知識を得ることが可能です。

発展
国際問題、財政制度、労働問題、企業取引、消費者取引、環境問題など具体的問題を対象とした発展的法分野を、法律学科では数多くかつ系統的に配置し、 D 群 E 群に整理しています。個人の進路・関心にあわせて履修することを想定しています。発展的法分野を学ぶ意義は、第一に現代の社会問題に法律学が与えている解決策とその限界を学ぶことで実践的な知識と思考方法を身につける点にあります。さらに、具体的個別的分野での問題を検討することで、憲法、行政法、民法、商法、刑法などの基本法で学んだ制度あるいは論点の機能や意味が理解できるという効果があります。

定着
基本科目の定着を目的として、2年次に2年次演習、3、4年次に公法、民事法、刑事法各分野の特講・演習を設けています。法科大学院進学をはじめとして基本法分野の徹底的理解と高いレベルの議論を必要とする者は積極的に各分野の特講・演習を活用して下さい。


《段階的学習の概念図》
 →は科目の関連性を示すもので履修の前後は、「学科科目一覧表」を参照して下さい。

導入

基礎

基本

発展

定着

入門科目
1年前期

必修科目
1年後期~3年前期

A・B・C群
1年後期~3年

D・E群
主に3年次以降

 
憲法1A・1B→
 
憲法 2-1 2-2→ 行政法1A・1B→
  行政法2A・2B
国際法1・2→ 国際環境法
地方自治法→ 公務員法
租税法1・2→ 法人税法1・2
消費者行政法

環境問題の展開と法1・2→

環境政策と法
情報と法

公法特講・演習

民事法入門→

(民法科目)→
民法総則1・2
債権総論1・2
物権法1・2
(民法科目)→ (商法科目)→
契約法1・2 商法総則
不法行為法 商行為法
親族法・相続法 会社法1・2・3
  有価証券法
   
   
   
   
民事訴訟法A・B→ 民事執行法A・B→
競争法1・2
労働法A・B
国際私法、国際取引法
グローバル企業法
金融法実務
証券取引法
知的財産権法1・2
不動産特別法
消費者取引特別法1・2・3
倒産法A・B

民事法特講・演習

刑事法入門→

刑法総論1・2→

刑法各論1・2
刑事訴訟法A・B

経済刑法
刑事政策・犯罪学
法医学

刑事法特講・演習

基礎法入門
法学基礎演習

 

 

 

2次演習

 上記の図は、あくまで概念図です。特に D 群、 E 群は基本科目とのつながりの一例として一部の科目のみ示しているだけです。詳細は、 2009 年度生「科目一覧」末尾の「法律学科科目群別科目一覧」を参照して下さい 。配当学年・系列ごとに(公法、民事法、刑事法の順に)科目を並べています。

② 科目群の説明
上述のように、明治学院大学法律学科のカリキュラムでは、導入段階としての入門科目、共通の基礎としての必修科目の上に、各自の進路・指向に合わせ、各科目群の要求を充たしながら自由に選択することができます。各科目群ごとに要求単位数を設けたのには、それぞれ理由があります。以下、説明します。

※ 各科目群に配置されている科目は、 2009 年度生「科目一覧」末尾の「法律学科科目群別科目一覧」を参照して下さい。


入門科目 ・ 必修科目

 法律学科では、 公法、民事法、刑事法各分野の基本である、憲法、民法、刑法 の重要部分の習得を全学生共通の目標としています。この目標達成のため、導入段階として1年次 春学期 に少人数クラスの 民事法入門 と 刑事法入門 を配置し、基本的人権を扱う 憲法1 A ・1 B 、民法の重要部分でありその後の民事法分野の理解に不可欠な 民法総則1・2、債権総論1・2、物権法1・2 、 犯罪と刑罰の原則を学ぶ 刑法総論1・2 を必修としています。各自の学びの方向性や進路を問わず、必修科目は法と社会の問題を考える素材を基本的視座からながめる、必要最小限の知識と思考の場を与えうる科目と考えます。

A 群:行政法と商法の基本科目から 12 単位以上

 実社会において法学部出身者に求められる基本的知識は、公法では行政法、民事法では、民商法(民法・商法の総称)です。進路別に表現すれば、公務員には行政法、企業活動の分野では民商法の基本的理解の上に様々な法的問題の解決がもとめられます。また行政法は、多くの公務員試験で比重の高い試験科目でもあります。このような重要性に鑑みて、これらの分野から、進路や指向に合わせて一定数以上の科目を履修することを求めています。また、行政法は、公法分野の発展的科目、商法は、民事法分野の発展的科目の前提知識となっていることが多いです。法科大学院卒業後に受験する新司法試験では、この群の科目はすべて試験範囲に属します(有価証券法を除く)。

B 群:民事訴訟法、刑事訴訟法から4単位以上

 法律問題の終局的解決形態が裁判である以上、裁判手続きの基本について学んでおく必要があると考え、少なくとも民事、刑事いずれかの訴訟法の履修を要求します。両科目とも新司法試験の受験科目です。

C 群:基本六法に属する基本科目のうち必修、 A ・ B 群以外の科目から 10 単位以上

 基本六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)のうち、必修・ A 群・ B 群に加え、各自の指向に合わせていくつか学んでおくべきだと考え、要求しています。必修、 A ・ B ・ C 群で新司法試験の必須部分の試験範囲となっています。

D 群:国際法分野、社会経済法分野、倒産法から8単位以上

 基本六法より具体的な社会的問題を対象にした法分野であり、独自の法分野としてそれぞれ基本六法とは、異なる方法論及び思考方法を必要とします。各自の進路や指向に合わせていくつか学んでおくべきだと考え、要求しています。国際法1・2は、 E 群に配置されている国際関係の個別法分野(国際環境法など)の前提知識となっています。なお、この群の科目は、新司法試験の「選択科目」に属するものが多いです。

E 群:発展的・先端的分野、基本科目の特講・演習から12単位

 現代社会で解決を迫られている諸問題に対応した発展的・先端的法分野の科目、及び基本六法の定着・発展を目的とした各分野の特講・演習科目を配置しました。基本科目の実力をつけたい者は、特講・演習科目を中心に履修し、より現実的な問題に関心がある者は、その興味や進路にあわせて特定分野の科目を集中的に履修することもできます。環境法分野、消費者法分野においては、各分野ごとに段階的に履修していくことも可能なカリキュラム構成となっています。企業法務上重要な科目も数多く配置してあります。

F 群:基礎法・外国法分野から4単位

 実定法とは異なる視点から、法律と社会を見つめる視座を持つことは、きわめて重要です。このような観点から、法律の歴史・思想・哲学的考察、ないし外国法を少なくとも一分野は学ぶべきだと考え、要求しています。また、英米法、 EU 法などは、国際化社会において重要度が高く、企業法務の分野などでは学ぶ意義が大きいといえます。

G 群:演習、講読、特講科目。 選択科目

 大学での教育の本体は、3年次以降の「演習」にあると言っても過言ではありません。学生各自が自分で専門科目と担当教員を希望し、学生間、学生と教員とのコミュニケーションにより学びを深めていく場は得難いものです。できる限り参加して下さい。しかし、学生の自主性なくしては成り立ち得ないからこそ、卒業の必修要件としては要求していません。法学基礎演習は、大学での法律学の勉強の仕方の基本的訓練を目的とした少人数クラスの演習です。できる限り履修して下さい。入門科目と同様、原則1年 次春学期に 一度限りしか履修できません。2年次演習は、基本科目の定着を目的とした少人数クラスの演習です。

 原典講読は、外国語文献を読む科目であり、研究者養成大学院への進学等を考えている者や外国法を深く学んでみたい者に履修を勧めたい科目です。法律学特講は、通常の授業では扱わない法律問題や特定の法律問題を深く検討する目的で設けられている科目であり、年度ごとにテーマ・担当者が異なります。年度ごとの講義要項を参考とし、興味に応じて履修すべき科目です。


Ⅲ 進路・指向ごとのアドバイス

(一般的注意)

 以下では、①法科大学院進学、法律資格をめざす者、②公務員をめざす者、③企業活動分野をめざす者の3つに分けて、履修計画上のアドバイスをします。これは、コース制ではなく、各自が履修計画を立てる際のガイドにすぎません。各自の個性や進路にあわせてバリエーションが生じるのが当然であり、将来進路志望の変更にあわせて、それぞれのアドバイスを参考にして下さい。

 1年次に民事法入門、刑事法入門、基礎法入門をしっかりと履修し、 必修科目についても配当年次にきちんと習得することは、どの進路をとるにせよ大切なことなので、強調しておきます。

 アドバイスでは、原則、F群、G群、関連部門の科目にはふれていません。上記Ⅱ2.「明治学院法律学科の科目構成」の説明、及び講義要項を参照し、履修計画に組み込んで下さい。特に、演習への積極的参加、法学基礎演習・2年次演習の活用は、共通して重要であることを強調しておきます。

1. 法科大学院へ進学し、法曹(裁判官、検察官、弁護士)をめざす者、司法書士、行政書士など法律資格の取得をめざす者

a)  法科大学院進学をめざす者

 法科大学院を中心とした新しい法曹養成制度が始まりました。法科大学院では、短期間に基本から発展までの法律科目、職業専門科目の習得、司法試験合格のための学習をこなさなければなりません。そのためには、学部の段階で基本科目の徹底した学習と法律問題を主体的に考える訓練を積んでおく必要があります。

 ・司法試験の範囲として、入門、必修科目以外に次の科目は、必ず 履修すべき です。

A 群:行政法1 AB 、行政法2 AB 、商法総則、商行為法、会社法 123 、手形法・小切手法 AB
B 群:民事訴訟法 AB 、刑事訴訟法 AB
C 群:憲法 2-1 ・ 2-2 、 契約法12 、不法行為法、親族法、相続法、民事執行法、 刑法各論12
D 群:裁判官及び弁護士志望の場合は、倒産法 AB といずれか一科目以上
  ・基本科目の定着と思考の鍛錬をはかるため次のような科目の活用を 勧めます 。
E群:公法特講・演習、民事法特講・演習、刑事法特講・演習
G群:法学基礎演習、2年次演習
 
  ・自分が法曹になる目的を考える意味で、現実の社会に起きている法律問題を考える発展的・先端的分野( D 群 E 群)も興味にあわせて履修しておくことを勧めます。たとえば、検察官や刑事弁護活動に興味があれば、刑事政策、犯罪学、法医学、企業を巡る民事事件に興味があれば、後述する企業活動関連の科目、公益的弁護活動に興味があれば、消費者法分野、環境法分野、高齢社会と法、社会保障法などの履修が望ましいです。


  1年次 2年次 3,4年次
入門・必修 憲法1A
民事法入門
刑事法入門
基礎法入門
憲法1B
民法総則1
民法総則2
債権総論1
刑法総論1
物権法1
債権総論2
刑法総論2
物権法2
A群   行政法1A
商法総則
行政法1B
商行為法
会社法1
行政法2AB
会社法2・3
手形法・小切手法AB
B群     民事訴訟法AB
刑事訴訟法AB
C群

  契約法1
刑法各論1
憲法 2-1 憲法 2-2 契約法2、 不法行為法
相続法、民事執行法AB
刑法各論2
親族法

D群   (国際法1 A ・ B ) 倒産法AB+任意の1科目以上
E群 発展科目から指向に合わせて 公法特講・演習
民事法特講・演習
刑事法特講・演習
発展科目から指向に合わせて
F群   任意の一科目以上
G群 法学基礎演習 2年次演習
(法情報処理)
演習

(注)この図表は、卒業に必要な科目を示すものではありません。あくまで、履修計画を立てる際のアドバイスを可視的にしたものにすぎず、上記の文章を参考に各自履修計画を立てて下さい。

b)  司法書士、行政書士など法律資格の取得をめざす者

・各自の志望する資格試験の試験科目を確認した上で、上記a)法科大学院をめざす者で挙げたA群~C群の科目を中心に、必要に応じて履修することを勧めます。また、司法書士であれば、不動産特別法、消費者取引特別法、行政書士であればこれに加えて労働法、地方自治法などが、実務についた際に有益な科目です。資格取得後どのような活動をするのかを考え、履修科目を選定することをお勧めします。

c ) 研究者志望の者

・研究者志望の者は、上記a)法科大学院を目指す者で挙げた科目を参考に基本法分野を履修することに加えて、F群の法哲学、西洋法制史、法思想史、いずれかの外国法、G群の原典講読を履修すべきです。どのような法分野を専攻するにせよ、研究者の共通法教養として、我が国の現行制度を相対化するツールとして必要不可欠な科目です。法学分野での学界では、外国法研究能力が研究者の基本能力として求められ、研究者養成大学院入試では、一般に外国語が課される。少なくとも一言語(英・独・仏)についてしっかりとした読解基礎能力を学部段階で身につけることが肝要です。また、自分が学びたい分野に近い教員のゼミ(演習)に所属し、卒業論文を作成することが望ましいです。進学の是非、進学先については、分野によって研究環境等事情が異なるので担当教員によく相談すべきでしょう。

2. 公務員をめざす者、公益的活動をめざす者

a)公務員をめざす者

・国家公務員、地方公務員といっても、一般行政職、裁判所事務官、警察官などにより試験科目が異なり、それにより履修すべき科目も異なってきます。共通していえることは、どの試験も法律科目以外の教養試験があり、各自対策が必要であることです。ここでは、一般行政職を目指す者を中心に記述し、各職種ごとに必要な補足をします。

 ・入門、必修科目以外に、以下の科目の履修を勧めます。法律科目の試験は、行政法、民法を中心に出題されるので、全分野をしっかりと学んでおくべきです。行政法に限らず、公務員が扱う事務は、基本的法律分野の正確な理解が必要とされることが多いです。

A群:行政法1 AB 、行政法2 AB 、任意の商法科目4単位以上
B群:民事訴訟法 AB
C群:憲法 2-1 ・ 2-2 、 契約法12 、不法行為法、親族法、相続法、民事執行法 AB 、 刑法各論12
D群:労働法 AB 、租税法 12 等を中心に興味に応じて。
E群:地方自治法、公務員法。 このほか、政策課題に注目した科目を数多く履修することを勧めます。
(消費者問題と法、消費者行政法、高齢社会と法、社会保障法、環境問題と法、環境政策と法など)

 ・裁判所事務官を志望する者は、B群で刑事訴訟法 AB も履修するべきです。警察官志望の者は、民事訴訟法 AB に替えて刑事訴訟法 AB を履修し、E群で経済刑法、刑事政策、犯罪学、法医学など、刑事法関係の科目を中心に履修することをお勧めします。



  1年次 2年次 3,4年次
入門・必修 憲法1A
民事法入門
刑事法入門
基礎法入門
憲法1B
民法総則1

民法総則2
債権総論1
刑法総論1

物権法1
債権総論2
刑法総論1

物権法2
A群   行政法1A
(商法総則)
行政法1B
(商行為法 )
(会社法1)
行政法2AB
(会社法2・3、手形法・小切手法AB)
B群     民事訴訟法
(警察官志望の場合、刑事訴訟法)
C群  
契約法1

刑法各論1

憲法 2-1

憲法 2-2
契約法2、不法行為法
相続法、民事執行法AB
刑法各論2
親族法
D群   (国際法1AB) 労働法AB、租税法12 (競争法12、国際法2ABなど)
E群 発展科目から指向に合わせて
(消費者問題と法、消費者行政法、高齢社会と法、環境問題の展開と法12など)
地方自治法、公務員法
発展科目から指向に合わせて
(社会保障法、環境政策と法など。警察官志望の場合、経済刑法、刑事政策、犯罪学、法医学)
F群   任意の一科目以上
G群 法学基礎演習 2年次演習
(法情報処理)
演習

(注)この図表は、卒業に必要な科目を示すものではありません。あくまで、履修計画を立てる際のアドバイスを可視的にしたものにすぎず、上記の文章を参考に各自履修計画を立てて下さい。


(b)公益的活動をめざす者

 社会福祉、環境保護、各種の人権擁護運動などの公益的活動は、ただ思いだけではその活動を継続し効果を上げることができません。組織の継続的運営、行政との交渉、実効性ある戦略などのために法的知識・技術、法的思考が力のひとつとして必要となります。このような分野で法律家として活動するためには、行政活動に関する法律、特定の政策課題についての正確な法知識、民事訴訟・行政訴訟へのアクセス方法、組織運営に関する基本的法律関係を身につけておくことが望ましいです。このような観点から、上記a)公務員をめざす者で挙げたモデルを基本にして、① 憲法 2-1 ・ 2-2 ,行政法1AB、行政法2AB 、地方自治法を軸とした行政活動に関する法律、②環境法分野、消費者法分野、高齢社会と法、社会保障法などの特定政策課題を扱う科目、③会社法 123 、労働法 AB 、租税法 12 、法人税法 12 など組織運営に必要な科目、④民事訴訟法 AB を自らの関心、必要性にあわせて履修することを勧めます。共通科目・関連部門科目の履修や卒業単位以外の学習・体験により、関心ある分野の問題状況、社会的事実を知り、洞察を深める努力を大学時代に重ねておくことが大切です。


3. 企業法務、一般企業への就職、起業等、企業活動分野をめざす者

 法律による企業統治、企業の法令遵守(コンプライアンス)等、企業活動における法律の役割の拡大を示す理念が唱えられて久しいです。企業間の合併を巡る法律紛争や企業と従業員の著作権帰属を巡る裁判などだけでなく、有名企業が法令違反の決算手続・報告書開示によって経営者の退陣、グループ企業の売却など企業の存続を危うくする事態を招いて社会問題化している事例をみても、企業活動に関する法律の重要性が理解できます。企業法務の専門家として企業の法務部等で活動する者はもちろん、今後一般企業で従業員として活動する者、自ら起業しようと志す者にとって、企業活動に関する法律知識は、不可欠の能力となっています。

 ・入門、必修科目以外に、次の科目の履修を勧めます。

A群:商法総則、商行為法、会社法 123 、有価証券法 AB
B群:民事訴訟法 AB
C群: 契約法12 、不法行為法、民事執行法 AB
D群:倒産法 AB 、国際私法、国際取引法、競争法 12 、知的財産権法 12 、労働法 AB 、租税法 12 などから興味に応じてなるべく多く履修することを勧めます。(下記参照)
E群:法人税法 12 、証券取引法、グローバル企業法、金融法実務、法律英語演習、不動産特別法、信託法、保険法、海商法など、企業活動に関連する科目から自分の興味、志望する企業の分野・業態に応じて数多く科目を履修することを勧めます。企業のリスク管理の視点から、環境問題 の展開 と法 12 、環境政策と法などの環境法分野、消費者取引特別法 123 、消費者行政法などの消費者法分野の知識により、他大学出身者にはない付加価値をつけることも可能です。(下記参照)
F群:英米法 2-1 ・ 2-2 , EU 法は、国際化した取引社会で重要な経済地域の法律であり、いずれかあるいは両方の履修を勧めます。なお、英米法 2-1 ・ 2-2 は、英米法 1-1 ・ 1-1 の知識に依存する場合があるので講義要項等を注意して下さい。
H群:読売キャリア形成講座
  ・企業活動の各場面(取引、組織・管理、金融)に応じて民事法分野の科目は、次のような段階的整理が可能です。
進路・関心に応じて重点的に、またはバランスよく学ぶ参考として下さい。

取引に関する法

契約一般に関するルール→ 企業取引(商人間)→ 各取引分野に関する科目
≪民法上の契約法≫ ≪商法≫  
「民法総則12」
「債権法総論12」
「契約法12」
「商法総則」
「商行為法」
「国際取引法」「国際私法」
「海商法」「保険法」
「信託法」
「知的財産権法」
「証券取引法」
「消費者取引特別法 123 」
「不動産特別法」
「競争法 12 」
「民事執行法12」
「英米法 2-1 ・ 2-2 」
「法律英語演習」
「 EU 法」

企業組織・管理に関する法

法人論・公益法人・非営利法人→ 企業組織に関する法→ 企業管理に関する法
「民法総則 2」 「会社法 123」
「競争法12」
「グローバル企業法」
「租税法 12」→「法人税法 12」
「労働法 AB」
「倒産法 AB」
「経済刑法」

金融に関する法

民法上の金融取引法→ 有価証券による金融取引法→ 金融をめぐる法
民法上の金融取引法
「債権総論2」
「物権法2」
「有価証券法 AB」
「手形法・小切手法 AB」
「証券取引法」
「金融法実務」
「保険法」
「信託法」
「民事執行法AB」
「倒産法AB」


  1年次 2年次 3,4年次
入門・必修 憲法1A
民事法入門

刑事法入門
基礎法入門
憲法1B
民法総則1

民法総則2
債権総論1
刑法総論1

物権法1
債権総論2
刑法総論2
物権法2
A群   商法総則、 商行為法
会社法1

会社法2・3
有価証券法AB
(手形法・小切手法AB)
B群     民事訴訟法 AB
C群   契約法1

刑法各論1
(親族法) 契約法2、不法行為法
民事執行法AB、(相続法)
(刑法各論2)
D群   (国際法1 A ・ B ) 倒産法AB、租税法12、労働法AB
国際私法、国際取引法
競争法12、知的財産権法12から
できる限り多く
E群 消費者問題と法 消費者取引特別法1
消費者行政法
(環境問題の展開と法12)
法人税法12、証券取引法、グローバル企業法、金融法実務、法律英語演習、不動産特別法、信託法、 保険法、海商法、経済刑法、消費者取引特別法2・3、 環境政策と法などから関心に応じて

F群     英米法 2-1 ・ 2-2 、 EU 法、(英米法 1-1 ・ 1-2 )
G群 法学基礎演習 (2年次演習)
(法情報処理)
演習
H群     読売キャリア形成講座

(注)この図表は、卒業に必要な科目を示すものではありません。あくまで、履修計画を立てる際のアドバイスを可視的にしたものにすぎず、上記の文章を参考に各自履修計画を立てて下さい。