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希望の光をともそう

櫻井成一朗

 

 明治学院大学ご入学おめでとうございます。
 私の専門は情報処理,情報処理の中の人工知能と呼ばれる分野です。人工知能とは人間のような高度な知能をコンピュータ上に実現しようという学問です。ですから,担当する科目はコンピュータに関連しています。私の担当する授業は「法情報処理演習1・2」「情報処理4」「情報と職業」「情報と法」です。法情報処理演習1・2では,法律を学ぶのに不可欠な情報検索方法について学びます。情報処理4では,現在の最先端のソフトウェア技術に触れながら,情報処理とは何かについて学びます。情報と職業では,様々な職業や業種の内容に触れながら,情報化と社会について社会情報学の観点から学びます。情報と法では,現代社会における情報と法の関わりについて学びます。
 2011 年は未曾有の地震と津波が東日本を襲いました。今日の日本はまだ復興への道を歩みだしたに過ぎません。リーマンショックに始まる不況から抜け出してさえいないこの時期に,未体験の甚大な被害を被ってしまったのですから復興は容易ではありません。今日の日本は最悪の環境下ではありますが,今皆さんにできることは社会で役立つ知識と知恵を学ぶことです。高校までの授業は知識を学ぶことが中心でした。大学でも一つ一つの授業を大切にして,知識を身につけていくことはもちろん重要です。でも知識を身につける以上に,社会で重要なのは,学んだ知識をうまく活用するための知恵です。人工知能の進歩によって,コンピュータチェスはワールドチャンピオンを凌ぎ,将棋さえもプロ棋士と互角の戦いをするようになってきました。そして,コンピュータが米国でクイズチャンピオンになったのも記憶に新しいところです。クイズの正解を求める程度のことであれば,十分コンピュータで代替できる時代になったのです。すなわち,情報通信技術の進歩によって人間に求められる能力がますます高度化していくわけです。皆さんに求められるのはコンピュータが遠く及ばない知恵を身に付けることなのです。
 それでは,どうしたら知恵を身に付けることができるのでしょう。授業によって知識の習得はできるでしょうが,単なる知識の習得だけでは知恵の獲得は困難です。知恵の獲得には,出会った問題に対して自ら徹底的に悩み,そして自ら問題解決していくことが最善の道です。だからと言って,成長途上にある皆さんは自力では解決できないことの方が多いでしょう。その場合には,友達や先生の力を借りて,問題解決を学んで行けばよいのです。もちろん,大学の授業に出席するだけの生活では,問題に遭遇することは少ないでしょうから,自ら積極的に社会に関与し,問題に遭遇する機会を増やす必要もあるでしょう。ボランティア活動をするのも良いでしょうし,サークル活動に参加しても,他大学の人達との交流の場に参加しても良いでしょう。海外へ飛び出すことも一つの方法でしょう。人間は社会の中でしか生きられず,社会を作っていくのが仲間や友達です。ですから,様々な活動を通して仲間や友達をたくさん作って下さい。そして,社会を制御するのは法律です。法律を学ぶ機会を与えられた皆さんには,「より良い社会を作る」という大きな問題が課せられています。この問題について考え,悩むことは,皆さんのこれからの長い人生の大きな糧となっていくと思います。その意味でも,大学の四年間は皆さんの人生の中で最も貴重な四年間であると言えます。ぜひ,皆さんにとって有意義な四年間を送るように心がけて下さい。
 最後に,私が授業で直接ご一緒できる方は限られていますから,私と話をしたい方は遠慮なく私の部屋を訪ねて下さい。