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経験値を上げてレベルアップを

申 美穂

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 皆さんは今、これから始まる大学生活に対する期待に胸をふくらませている一方で、ほんのちょっと、不安感も持っているのではないでしょうか。大学で、新しい友達はできるだろうか。はじめての一人暮らし、食事や洗濯はどうしたらいいんだろう。ちゃんと単位を取って、卒業できるだろうか。人見知りなのに、ゼミで先生から発言するように言われたら、どうしよう…。  新しい経験をすること、新しい人間関係を築くこと…これらには常に不安や、面倒くささがつきまといます。うまくいかなかったらどうしようと思って、ついつい、消極的になってしまうことも多いのではないでしょうか。もちろん、これから皆さんは、自分で自分の行動の責任を取る「大人」になっていくのですから、慎重に行動する必要はあります。しかし、必要以上に内向的であることは良くありません。
 新しい知識や経験が増えなければ、年齢を重ねても、人として成長することはありません。未知のことを勉強したり経験したりするということは、自らをレベルアップさせて、人生の可能性や選択肢を広げるということにつながるのです。新たなチャレンジに対して消極的な姿勢でいたのでは、せっかくの成長の機会を逃してしまいます。失敗を恐れず、手間をいとわず、様々なことに積極的に取り組んで、自分自身の経験値を高めていきましょう。どんな小さなことでも、知っておいて、経験しておいて、無駄になることはないと私は考えています。
 ところで、千里の道も一歩から、と言います。まず、はじめの一歩を踏み出さないことには、その後にはどんな展開もありません。また、いきなりレベル30に到達することもできません。基礎を理解していなければ発展問題はできません。レベル1から、つまりは基本から順番に、一つずつ積み重ねて行くことが大切です。
 人前で話すのが苦手なら、まず隣の人や、先生と話してみましょう。次第に慣れてきて、ゼミで大勢の前で発言することも、それほど抵抗なくできるようになるかもしれません。絶対にできるようになります、とは言えません。しかし、少なくとも何もしなければ、できるようになる可能性はゼロのままです。 大学で何をどう勉強したらいいのかわからないなら、とにかく授業に出てノートを取り、テキストを読んでみましょう。だんだんと勉強のコツがつかめるようになってくると思います。また、最初は興味がなかった科目も、授業に何回か出てみたら、おもしろいと思うようになるかもしれません。おもしろいと思わなくても、そこで身につけた知識が、将来仕事で役立つなんてこともあるかもしれません。たまたま得た知識が、たまたました経験が、あなたの人生に、大きな影響を及ぼすかもしれません。私は、大学に入学した当初は、自分が将来法律学者になるなんて思ってもみませんでした。たまたま取った授業に興味を持ったことで、法律学をもっと本格的に勉強してみようという気持ちが生まれ、その後勉強を続けたことで、法学を一生の仕事とするという可能性が次第に開けていきました。
 4年という年月はあっという間に過ぎて行きます。この貴重な時間を無駄にすることのないよう、様々なことを学び、様々な人と出会い、様々なことを経験しましょう。どんどん経験値を高めて自分をレベルアップさせ、将来の可能性を広げて行って下さい。
 最後に、私の専門である国際私法という学問分野を簡単に紹介しておきたいと思います。国際私法とは、狭義には、国際結婚や国際取引など、国際的な要素を含む私人間の法律関係について、内外の国の法律の中から、適用されるべき法律(準拠法)を決めるという、特殊な機能を持った法律のことを言います。
 ここまで読んで、皆さんはもしかしたら、「ということは、日本の裁判所が外国の法律を適用することもあるってこと?そんなバカな。」と思うかもしれません。驚かれることも多いのですが、実はその通りです。どうしてそうしているのか、どうしてそれができるのか、どうやってそれをやっているのか、考えてみたくなりませんか。奥深い国際私法の世界に一緒に飛び込みましょう。授業で皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。