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問題解決能力を身につけ即戦力となる人材を育成します - 教授 圓山 茂夫 准教授

問題解決能力を身につけ
即戦力となる人材を育成します

法学部 消費情報環境法学科
圓山 茂夫 准教授

保証書ってどういう意味?
法律を知ってトラブル回避

買って間もないパソコンや電化製品が壊れてしまったら、皆さんはどうしますか? おそらく多くの人が買ったお店に持って行き、修理を依頼すると思いますが、「この故障は保証対象外でお金がかかります」と言われたことがある人がいるのではないでしょうか。

実は、買主ではなく機械の不良や欠陥等で壊れた場合、保証対象外でも無償で修理してもらえます。保証書と法律は二本立てになっているので、保証の対象になっていなくても、法律では民法の「瑕疵担保責任」で1年間は売主は責任を負わなくてはならないと定められているからです。

保証書をよく読むと、「この保証書はお客様の法律上の権利を制限するものではありません」と必ず書いてあります。お客様の「法律上の権利」の一つが瑕疵担保責任であり、保証書の対象外でも瑕疵担保責任は制限しませんという意味です。ここで、自分の「法律上の権利」を知らず、保証対象外と言われたら有償で修理をお願いしてしまうかもしれません。しかし法律を知ってさえいれば、私たちは保証書がなくても原因に応じた対応を求めることができるのです。

また、法律を知ると、日常で買い物をする時も役立つことがあります。例えば、乾麺のそばを選んでいて、包装の原材料表示に「そば粉、小麦粉」の順に書かれていれば、そば粉の方が小麦粉より多く使われているそばだと分かります。それは、食品の表示の法律で、原材料欄には重量が重いものから順に表示すると定められているからです。

こういったことは、残念ながら一般的にはあまり知られていなかったり、売主であるお店側も知らないということが多くあります。消費情報環境法学科は私たちの身近な消費者問題や環境問題に焦点を当てたユニークな授業で、消費者と企業の両方の視点を身につけ、消費者法や消費者行政を知ることで幅広い分野で役立つ問題解決能力や、社会に出て即戦力となる実践的人材を育成する学科です。

1年次からの「消費者問題と法」「消費者行政法」などの授業では、キャッチセールスで物を売りつけられた時、訪問販売で物を買ってしまった時、携帯電話やパソコンが壊れた時や食中毒になった時の対応など、学生に身近な事柄を取り上げながら、消費者と法律との関係について学びます。

私が担当する「消費者問題と法」のゼミでは、消費問題を幅広く捉えて、調べる力、いろいろな考えを比較する力、議論する力を学びます。成人年齢引き下げ、遺伝子組み換え食品、食品放射能規制、TPPなどをテーマに、グループごとにディベートしたり、判例を発表したり、時には食肉衛生検査所などに見学に行くなど、フィールドワークも行っています。

プロフィール

圓山 茂夫 (まるやま・しげお)
1959年兵庫県生まれ。神戸大学法学部卒業後、兵庫県の職員となり、86年より兵庫県立神戸生活科学センターで消費生活相談に、96年より兵庫県消費生活対策室で訪問販売法の施行に携わる。在職中から神戸大学大学院に通い、『詳解 特定商取引法の理論と実務』(民事法研究会)を上梓。2005年に同大学院法学研究科法政策専攻の単位を修得。2007年より現職。専攻は消費者法。最新刊は『消費者契約紛争ハンドブック』(弘文堂)。

圓山 茂夫 准教授
圓山ゼミ HP

学生時代は人生のお試し期間
“好きなこと”を見つけてほしい

私はもともと、兵庫県の消費生活センターで消費者からの相談を受ける仕事をしていました。 クリーニングに出したら洋服が破れた、買った商品が壊れたなど、消費生活センターにはあらゆる相談が持ち込まれます。日々新しい相談が持ち込まれて、とてもスリリングな毎日でした。消費者がお話ししてくださる内容はもちろんですが、その商品を販売した企業からも話を聞くので、両方の話を聞いてきたことが私の財産となっています。その後、縁があって明学法学部で教鞭をとることになり現場を離れましたが、地元兵庫県の消費者団体NPO法人「ひょうご消費者ネット」の一員として活動もしています。

画像:圓山 茂夫 准教授

これまでに解決した事例としては、こういったことがあります。司法書士、税理士、会計士などの資格試験の予備校に一度支払った授業料は、死亡や重大な疾病等の場合を除いては一切返換を認められないとありました。これは消費者契約法に違反し、消費者の解約権を制限するものなので、10社以上の予備校に申し入れ、改善されました。また、ある冠婚葬祭サービス業者は、サービスを受けずに解約した場合でも前払いした料金の50%しか返還しないとしていました。この契約条項は消費者契約法に反するとして申し入れた結果、改善されました。

相手が大手企業だったり、信頼してきた企業である場合、「世の中そんなものかな」「自分の方がおかしいのかな」と思ってしまいがちですが、私たちの暮らしは整っているように見えて、いたるところに不合理が存在します。法律が改善され、法律上では消費者は守られているはずなのに、昔からの慣習が続いている業界や企業では、今の法律に照らしてみるとおかしなことが続いていることも分かってきました。

しかし、消費者法の基本が分かっていると、日常にあるおかしなことや矛盾に気づくチャンスが増えます。法律を理解し研究を深めることで、新たな疑問に気づき、トラブルを解決できる能力が身につき、より安心・安全に暮らすことができるのです。

おかしなことに気づき、それをルールに照らして指摘ができることは、自分を守ることにもなります。消費情報環境法学科では、そういった問題解決能力が身につく一方で、成年後見、法医学、公務員法など法学部が開講している幅広い分野から科目を取れるので、知的好奇心を思いきり満たすことができます。やる気のある人は、どんどん世界が広がる学科です。

大学時代は、人生の“お試し”ができる時期です。失敗したら、諦めずにまた別の何かを探して挑戦してください。トライ&エラーを繰り返すうちに自分なりのこだわりやテーマが見つかって、進む道が見えてきます。やり直しがいくらでもきく時期に、いろんなことにチャレンジして好きなことを見つけ、考える力、問題を解決する力を身につけてほしいと思います。

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