[対談1]明学から得た大切にしたいもの 雑誌を通して「私たちが伝えたいこと」

自分の行き先を探していた学生時代

宇佐美 さっそくですが…大学時代からフリーペーパーを作っていたんですか?
山崎 いや、卒業してから。就職せずアルバイトで自活しながら、クラブで自分を表明したいという同年代の人たちが出るイベントを始めて。そこでポエトリーリーディングをしながら、宣伝用のフライヤーを配っていました。せっかく配るなら…と、テキストなどを書きはじめたのが最初でした。
宇佐美 この仕事に就いたきっかけはありますか?

壁一杯に並べられた本の数々は音楽や野球関係など山崎さんの“好きなこと”。山崎さんの人間性がとても表れているカフェは、自然と笑顔が絶えない温かい空間でした。

山崎 小学校の時の壁新聞作りで、当時から僕はデスク・テレビ番組レビューみたいなものを書いていました。それで、今もやってること変わらないなー、その時からやりたかったんだろうな、って後から思いましたね。大学の時は、いろんなものを吸収しようと思って、本、音楽、映画、アート…いろんな人に会ったりとか、インプットの作業をずっとやっていました。
村北 私、実は卒業したら企業に就職しないといけないっていう不安があったんですが、山崎さんのお話を聞いて、道はそれだけじゃないんだって。学生時代に気付けていたことがすごく羨ましいです。
山崎 実家にいるプレッシャーもあって、自活を始めたんですが、4年生の頃は、学校に行くと同級生の内定が決まったって話を聞いて、不安になりましたよ。自分はどこにいくのかという不安は強かったです。

踏み出せない一歩を後押しできたら…

宇佐美 『BARFOUT!』は同じアニメを取り上げてもグラフィックに焦点を当てていたり…他の雑誌と色の出し方が違いますよね。
山崎 うちは人にフォーカスした雑誌なので、人を介在して作品に入っていくっていうアプローチをしてるんです。

村北 人にスポットをあてる雑誌を作りたいと思ったのは、もともと人に興味があったからですか?
山崎 そうですね。作品にしても何にしても、エンターテイメントとかカルチャーとか、作品を作っているのは人なわけじゃないですか。その人に興味があるんです。やっぱり雑誌を始めた一つの大きいモチベーションというか、やりたいこととして、会いたい人に会えるというか。雑誌はそれができる。それが面白さだと思うんです。実際には、作品とかから最初は興味が湧くと思うんですけど、やっぱり会ってみたいな、取材してみたいなっていうところに行きつく。

フリーペーパー時代から現在までの「BARFOUT!」。数々のミュージシャンや、俳優、アーティストを取り上げています。「BARFOUT!(=吐き出すという意味)」は、なんでも自由に出せる、出したいという想いから名付けられました。

村北 まさしく今日も!ですね。
宇佐美 雑誌を作り、何を一番伝えたいですか?
山崎 自分もそうだったように、何かしたいんだけどもわからなかったり、したいことはあっても自信がなくて踏み出せない、そういう人に、後ろからちょっと背中を押せるようなことができたら一番いいなと思います。人がどのような考えを持って、どういう風にものを作っているのかということを伝えることによっていろんなヒントを得てほしいというか。自分が大学の時に雑誌とか、本を読んでいろんなヒントをもらったのと同じことを、逆に今度は自分たちがやる番じゃないかと思っています

ゼミに入る…そういうのが大学の醍醐味だなって

上/山崎さんがよくいたという旧白金図書館。「Boris Vianや、James Baldwinをよく読んでいました。古い本の独特の空気が好きで、海外の初版本が置いてあったのも嬉しかったです」
下/学生時代の思い出の本たち。「今でも、仕事とかで煮詰まると、本屋で本を探してるうちに、気持ちが自然と浄化していく。とにかく本が好きなんです」と山崎さん。

宇佐美 明学で思い出の場所ってありますか?
山崎 白金の図書館ですね。好きな作家の本を読んだり、卒業後は、原稿を書きに行っていました。
宇佐美村北 明学の図書館で作られたものが雑誌になるなんて嬉しい!
山崎 あと、戸塚校舎。校舎ができた直後で、何もなくて…。乗り過ごして小田原へ、なんて失敗もありました(苦笑)
宇佐美 当時の大学はどんな感じでしたか?
山崎 文・経済・社会・法学・国際という学部構成だったと思います。今はいろいろ増えたんだね!当時僕らがいた頃のサークルはスポーツ系がアツかったですね。
宇佐美 明学の社会学部をなぜ選んだのですか?
山崎 当時、人と街というのが自分の好きなもので。あと、漠然とですが、小学校の時からメディアに興味があったので選びました。ゼミに入ってすごく大学で学ぶ醍醐味を感じましたよ。大講堂の授業を経て、自分も参加して教授とディスカッションしたりとか、そういうのが入学する前、描いていた大学の醍醐味だなって。

まずは自分から持っているものを差し出す

宇佐美 明学に対して思うことはありますか?
山崎 今は僕らの頃より色々な学部や学科の選択肢が増えていて時代に即して、どんどん進化しているんですね。伝統を受け継ぐのと、革新性を共存させているのが素晴らしいなと思いますし、これからもそうあったらいいですね。それから、自由や個人を尊重する校風があるからこそ、人の顔が見える関係性を育みやすいのだと思います。Do for Othersという建学の精神も素晴らしいと、社会に出て噛みしめています。今の時代、特に思うのですが、何か見返りを求めて動くのではなく、自分から持っているものを差し出すって考え方がすごく大事ですね。それぞれが自立した上で、お互いが自分にあるものを相手に差し出すっていう関係性は、今の時代に、改めて大事なことだと思います。
宇佐美 それでは最後に、在学生へメッセージをお願いします!
山崎 自分の好きなことを見つけて、自分の足で立ってください。やっぱり自立するというか、自分の価値観とか考えを持ち、行動することが大切だと思いますし、そのきっかけを掴むのに、明学はとても適した環境であると、今、自信をもってお伝えできます。
宇佐美村北 ありがとうございました!

■対談を振り返って……

卒業を前に貴重な体験をさせていただきました。山崎さんとのお話の中に、自分の心に大切にしておきたい言葉があったのでそれを忘れずに新生活を楽しめたらと思います。(村北和歌子)

山崎二郎さん

卒業生

山崎二郎さん

1989年社会科卒業。卒業後、クラブで活動しながらフリーペーパーを制作。92年よりMUSIC&CULTURE MAGAZINE 「BARFOUT!」を創刊させ、翌年株式会社ブラウンズブックス(2011年からカフェを併設)を設立。雑誌編集長、DJ、クリエイティブ・ディレクターなど幅広い分野で活躍中。
▶http://jiroyamazaki.com/

  • 村北和歌子

    現役明学生

    村北和歌子

    (社会4年)

    2年生から学生団体SUCCEEDで、明学生の明学生による明学生のためのフリーペーパー「MGstyle」の制作に携わる。2007年に創刊されたこの冊誌は、年に1~2回発行、白金祭や白金図書館等で配布されている。

  • 宇佐美果乃

    広報委員

    宇佐美果乃

    (社会4年)

    進行を担当しました!

※学生の所属学部、団体、学年は取材当時のものです。

山崎さんに、Brown'sBooks & Cafeについていろいろお伺いしました!

Q. なぜ編集部にカフェを
併設されたんですか?

A.もともとカフェ好きで、原稿を書く時ほとんどカフェでやっているんです。あと、カフェがあればそこでワークショップなどいろいろできるなと思ってこういうスペースを作りました。このカフェにある本は、全部自分の家にあるものを持ってきているんですよ。

Q. カフェメニューのこだわりは
ありますか?

A.日本全国まわっていろんなカフェのコーヒーを飲んで出会ったのが、神戸の元町にある「GREENS Coffee Roaster」というところのコーヒ豆でした。ものすごく美味しくて、そこの豆を仕入れて出しています。関西では有名だけど関東ではここの豆を使ってるってお店はなかなかないので、そういった意味でもメニューの中のコーヒーはオススメです。

Brown's Books & Cafe
Tel:03-6805-2640
▶http://www.brownsbooks.jp/
booksandcafe

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