HOME > 聖書和訳デジタルアーカイブス > 聖書和訳トピックス:明治元訳の参考資料

明治元訳の参考資料

『福音新報』第1088号には、井深梶之助(本学院第二代総理)の談話として、聖書和訳のようすが次のように描写されている。

「翻訳委員は、日曜日土曜日の外は、毎日午前九時から十二時まで会合して、委員の一人が先に起草した所の翻訳に就いて、評論採決した。或時は半日懸って漸く壱節、弐節を決定した事も、稀でなかつた様である。会合の場所は横浜山手二百二十一番ブラオン博士住宅の東南の一室で、室の中央に一脚の丸テーブルがあって、その周囲に三人の翻訳者と、三人の補佐役とが夫々着席して、討論したのであるが、そのテーブルの上に開いてある書物は、ブラオン氏とグリイン氏の前には、二三種の希臘原文の聖書、ヘボン氏の前には英訳の新約註解書、日本人の前には文法や官話やその他の支那翻訳の聖書といふ風であったように記憶する。然して、ブラオン氏の補佐が高橋氏、ヘボン氏のが奥野氏、グリイン氏のが松山氏で、屢々会合の席に出入りした許ではなく、未熟ながら、先生の使徒行伝の翻訳の手伝をもしたので、四十余年後の今日、当時を追想すれば、六人が丸テーブルを取囲んで、議論を上下して居る光景は、目に見えるやうな気がする。」

ここに描写されるヘボン博士の前の「英訳の新約註解書」であるが、いったいどのような本であったろうか。

明治学院大学図書館には、ヘボンが帰国にあたって山本秀煌に贈った英語の旧新約聖書註解書が存在する。

"An exposition of the Old and New Testament" Matthew Henry 1838

発行年および入手ルートからして、その可能性の高い資料である。研究を待ちたい。

写真

ページTOPへ