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日本初の和独辞書とヘボン辞書

ヘボン辞書『和英語林集成』はしっかりとした辞書の無かった時代に大きな光となり、英和和英辞書に留まらず後続の多くの辞書の編纂に影響を与えた。近代的な国語辞典である高橋五郎著『和漢雅俗いろは辞典』(1889~91)や大槻文彦『言海』の成立にも大きな影響を及ぼした。

1877年(明治10)日本で最初の和独辞典『和獨對譯字林』が発行された。齊田訥於・那波大吉・国司平六編纂、校定者はルードルフ・レーマン(Rudolf Lehmann)である。律多留富勒曼と漢字で書き、リウドルフレーマンとカナを振っている。
橋本郁雄氏は「本書は当時英語学習者の間で好評を博していたヘボンの書『和英語林集成』(主として再版、明治5年刊)を底本として、これを忠実に翻訳したもの、つまりヘボン辞書のドイツ語版である。これを明治初年の独和辞典と比べると、この和独が格段にすぐれていることは、一目瞭然である。本書のドイツ語のタイトルページにドイツ語で<第一部 日本語―ドイツ語>とあるのは、ヘボン辞書の「英和の部」にあたる第二部が予定されていたのだが、何らかの事情で実現しなかったのであろう。」と述べておられる。(橋本郁雄「ドイツ語の辞書の歴史」『日本の辞書の歩み』辞典協会1996 p147~p148)

『和獨對譯字林』表題紙(左)、本文(中・右)

『和獨對譯字林』の見出し語はローマ字であるがヘボン辞書のアルファベット順と異なり、ローマ字をいろは順に並べている。また濁音のざ行だ行のローマ字表記がヘボン式と異なっている。巻頭に海舟勝安房が題字を書き中村正直の漢文の序が付けられている。

前書きにDa nun von allen Japanern,welche die englishe Sprache erlernen,dasWoerterbuch von J.C.Hepburn als vorzueglich geruehmt wird ,so haben wir uns dieses zum Muster genommen und hoffen unseren Deutsch lernenden Landsleuten damit ein eben so nuetzliches Huelfsbuch zu liefern. とある。

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