講演会「大学での障がい学生支援-理解から、自立できる共生社会へ-」を開催しました

第1部 藤堂氏より「入学後の配慮と支援」に関するお話の様子
第2部 長野氏との「伝言ゲーム」の様子
2010年11月17日、ボランティアセンター・学生サポートセンター共催による講演会「大学での障がい学生支援-理解から、自立できる共生社会へ-」が開催されました。


■第1部 『読み書き障がいと求められる支援』
第1部では、NPO法人エッジ代表の藤堂栄子氏をお迎えし、「学習障がい(LD)の中でも読み書き障がい(ディスレクシア)への理解」と「大学における支援」をテーマにお話をいただきました。


まず、障がいについては、日本語で「障がい」というと「何もかもできない」と思われるが、「できないことがあっても、できることが十分に役に立ち、社会で生きていける」というように社会の考え方が変容していることへのご説明がありました。

その上で、ディスレクシアは、人口の10%くらいいて、知的能力は普通またはそれ以上だが、読み書きの能力が極端に劣るという特性を持っており、本来の能力よりも低く見られることがある点を理解しました。当事者が困る点に応じて大学や周囲の人ができることについては、イギリスの大学における実体験を交えたご説明があり、支援の内容はその人に応じたちょっとした工夫でもあることを確認することができました。


来場者からの質問「学習障がい(LD)というと、学習ができない人と思いこんでしまうことがあるが、それについてどのようにお考えか」に対して、「LDのDをDisability でなく、Differenceと捉えたらどうか」というご回答は非常に印象的でした。


■第2部 『聴覚障がい学生のサポートについて~卒業生の立場から-』
第2部では、本学のご卒業生でもありLifestyles of Deaf Womenの代表をされている長野留美子氏をお迎えしました。
ご講演は、「聴こえないってどういうこと?」、「学生が学生を支え、ともに学ぶことやその意義」をテーマに、聴覚障がい当事者であるご自身の経験を踏まえた具体的な内容であり、大学生活、留学、就職などの様々なライフステージにおける課題やその解決方法について、お話いただきました。


「聴こえないこと」を体験するワークショップでは、音を出さず口の動きだけで隣の相手に内容を伝えていく「伝言ゲーム」を参加者は行いました。実際に体験してみると、非常に難しく、「コピーを捨てる」という正解に対して、「ごみを捨てる」、「本をあげる」、「お味噌をつける」など多様な回答がありましたが、正解は一つもありませんでした。
聴覚障がいのある人は、音情報ではなく、口話(相手の口の動き)により言葉を読み取ります。ワークショップでは、聴覚障がいのある学生が補聴器をつけて口の動きを読み取り大学で勉強をすることの困難さを理解することができました。


講演の最後には参加者全員で「ありがとう」の手話を覚え、まとめとなりました。


■全体を通して
第1部、第2部を通して、私たちの多くが当たり前に使っている「読む、書く、聴く」などのコミュニケーションの手段は、唯一ではなく、個々に応じてたくさんあることを再認識しました。そして、個々の能力を最大限に引き出せる環境を大学はどのように創っていくのか、一方、学生ひとり一人は自分の力をどのように伸ばし自分のライフスタイルを描いていくのかを考えるきっかけを得ることができました。


茶話会は長野留美子氏、学生、他大学の教職員の方々のご参加を得て、和やかな雰囲気で開催されました。

講師の皆様、どうもありがとうございました!
また茶話会にご協力いただいた社会学部クッキープロジェクトの学生の皆様、ありがとうございました!


■お問い合わせ先

学生サポートセンター  03-5421-5182
ボランティアセンター  03-5421-5131 
第1部 藤堂氏より「入学後の配慮と支援」に関するお話の様子
第2部 長野氏との「伝言ゲーム」の様子